「アサイン停止が塩田に対する関係で合理性を有するものであったかどうかは疑問」
裁判所もアサイン停止の不自然さを指摘
「週刊金曜日」を発行している株式会社金曜日とフリーライターの野村昌二さんは2009年7月1日、『週刊金曜日』掲載の記事を「虚偽」として、取材に応じた東部労組HTS支部塩田委員長を事実上の解雇処分にしたことは、同誌と野村さんの名誉を傷つけ取材および言論の自由を萎縮させるものとして、阪急トラベルサポートに対して計1000万円の損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。
この訴訟の判決が3月28日、東京地裁(民事17部澤野芳夫裁判長)で言い渡されました。
結果は「原告(金曜日・野村さん)の請求をいずれも棄却する」というものでした。
澤野裁判長は、アサイン停止と週刊金曜日が被った損害との因果関係を否定し、「アサイン停止によって原告らが損害を受けたとはいえない」と判断したのです。
その意味では、今回の判決は、不当判決と言えるものです。
しかし、澤野裁判長は、阪急トラベルサポートが塩田さんに対して行ったアサイン停止について、判決文において以下のように判断しています。
「被告(筆者注 阪急トラベルサポート)は塩田に対する事情聴取において、塩田が本件記事について被告の認識と異なる意見を述べていたにもかかわらず、原告らに何ら確認することなく、事情聴取後ただちに塩田に対するアサイン停止を行ったものである上、本件記事を記載・掲載したのは原告らであって、塩田は原告野村から取材を受けたにすぎないことや、アサイン停止が添乗員である塩田の生活に重大な影響を及ぼすものであることを考慮すれば、被告によるアサイン停止が塩田に対する関係で合理性を有するものであったかどうかは疑問の余地がある」
つまり、東京都労働委員会の判断と同様、会社が発行元・筆者ではなく、取材を受けたにすぎない塩田さんのアサインを停止していることの不自然さを指摘しているのです。
言い換えれば、「塩田さんを職場から放逐する」という会社の不当労働行為意思を認定しているといってもいい記述ぶりです。
東京都労働委員会の命令に続き、司法機関である裁判所も塩田さんへのアサイン停止に疑問を呈している、阪急トラベルサポートはこの事実を重く受け止めるべきです。
阪急トラベルサポートはただちに労働委員会命令に従え!
塩田委員長をただちに職場に戻せ!