中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

煙に見えるもの

2005年11月16日 | 日常
ひさしぶりに「俺達は天使だ」のDVDを見ていてふと気が付いたのだけれど、あの時代の成人男性は、殆どといってよいほどに煙草をふかしている。

麻生探偵事務所の4名はもちろん、麻生の友人弁護士、警察の刑事達、基本的にレギュラー陣ほぼ「全員」に煙草を吸うシーンがある。もちろん、あくまでもドラマの上での設定がそうだというだけで、実際に各俳優が吸っていたかは別の話だが。そして一方、女性に関して(少なくともレギュラー陣)は基本的に煙草を吸わない。

基本的に女性が吸っていない、というのも非常にあの頃らしい。当時、女性の喫煙はまだそれほど一般的ではなかった。どいういうきっかけがあったのか知らないけれど、女性でも煙草を吸うのが一般的になりはじめたのはたぶん80年代後半、自分が大学生のころからだ。いま思い出すと、自分の所属する学生オーケストラの同期女性で煙草を吸う人って20人位で1人だけだったし。

こういうのはTVドラマならではの面白いところ。意識はしていないのだろうが、しっかりとその「時代性」を記録してくれている。

ドラマの放映は1979年。考えてみればあの頃、今のような「健康志向」とかそういったものは一般的ではなかった。「ジョギング」という外来語と共に、走るという行為がただの運動から「オシャレな行為」のひとつとなり始めたのが、確かこの前後何年かだった位のはず。

統計によれば国内において喫煙人口は年々確実に減っているそうで、確かに自分の世代でも、喫煙者は半分いるかどうか、といった感じ。あくまでも自分の周りの感覚的な話だけれど。

こういうことを意識して今の番組を見てみると、ドラマでの喫煙シーン、かなり減っているような気がする。やはり時代の流れなのだろうか。

だいたいの事柄において「時代の流れ」とは嘆かわしい、と感じるものばかり(歳をとったということなのだろう)だが、今回のような流れならば、非喫煙者の身としては嬉しい限り、大歓迎だ。