中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

プロフェッショナルとは

2005年11月15日 | 日常
あるアマチュアオーケストラへエキストラとして呼ばれ、昨日その練習へ出席した。まだ出来たばかりの団体なのだが、ここの面白いところはその構成メンバー。主催者のコネクションがあるらしく、かなり大量の音大出身者がエキストラとして呼ばれているらしい。
かなり高度な音を作れるのだろう、と楽しみにしていたのだけれど、いざ練習に出席してみるとその実力の程は…

正直なところ、他のアマオケとそれほど変わりはない。いや、むしろ少し下手、といってもいいくらい。個々のスキルは決して悪くない水準なのだけれど、とにかく誰もが明らかに練習不足。アマチュアオケ、ということで舐めている部分あるのかもしれない。

音大を出てもそのまま音楽で食べていける人間は少数派、ではある。ただ、チューバの人に関しては一応「プロ」ということらしく、某著名オケにエキストラ出演した過去が自慢とのこと。

確かにこの人「テクニック」に関しては際立っており、このあたりはさすがであった。ただ他の音大組同様全く持って練習してきていないし、やる気もまったくない。出だしを何度も間違えるし、音もよくはずす。

たぶん、彼のエクスキューズは「アマチュア相手だから」だろうし「プロの舞台に乗れば話は別」ということなのだろう。

大学時代、オケのトレーナーとして某放送交響楽団のメンバーの方々に面倒みていただいたのだが、学生の我々に彼らが最も強く説いたのはテクニック云々ではなく、音楽に取り組む姿勢についてだった。

例え1音はずしてもプロは仕事を失う可能性があるし、それをしないのがプロ、そして頻繁にしてしまうのがアマチュア。もちろんテクニックの差も問題とはなるけれど(ただしべらぼうにうまいアマチュアが時折存在するのは事実)、結局プロとアマチュアの一番の差はそこだ、と。

この教えを信じるなら、チューバの彼の今後はあまり明るいものではないことになる。まだ若いので、今後いくらでも修正可能だとは思うけれど。

彼の今後がどうなるかはわからないけれど、せめて来年春の本番では「プロ」らしさの片鱗を見せつけてほしいものだ…