ブログ仙岩

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沙羅双樹は憲法解釈をどう見ているかと

2014-08-28 08:57:40 | エッセイ
ハイッ!みんぽう9月号続:風のあとさきで、大石邦子エッセイストは「沙羅双樹」に載せている。

縁側の前に大木の沙羅双樹がひっそり咲く儚い白い花を見て晩年の母は何を思っていたのだろう。その母は湾岸戦争でハイテク爆撃のテレビ見たくないといった晩にうなされていた。翌朝聞くと防空壕の夢を見ていたという。

その母は戦争を語りたがらなかったが、軍国主義時代の若き女教師が戦場へ教え子送った後悔と無力さは生涯の哀しみであったろう。

戦後69年、戦争の反省から生まれ日本を守り、国民を守り続けた日本国憲法が、歴代の内閣も同じ保守ながら、閣議決定で憲法解釈を変えるなどという姑息な手段はとらなかった。

しかし、世界に誇るべき平和憲法の礎が、一内閣の論理の暴走によって砕かれようとしている。何故そんなに戦争のできる国にしたいのかわからない。花の終わった沙羅双樹の枝が天を仰ぐように伸びている。

また、その時々の政府が憲法解釈を変更できるという先例を残すことは立憲主義の根幹を破壊するものと東大奥平康弘名誉教授は集団的自衛権について述べている。集団的自衛権の拡大解釈は許されない。