青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
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第五十四話④

2022-03-26 | 第五十二話〜第五十四話

「よぉ、モ・ジンソプ!」

突然声を掛けられ、モ・ジンソプは振り返った。ミエも声の方を向く。

同時に少し離れた路地裏で、ガタンッと大きな物音がした。

その物音の方を見て、イ・インウクの友人は「なんだ?」「しらね」と首を傾げる。

チョルは咄嗟に身を隠したようだ。

「あれ、イ・インウクじゃん。よぉ」

「あっちから見かけてよ。遊びに来たん?隣誰?」

モ・ジンソプの背後に隠れつつ警戒するミエ。

ジンソプは落ち着きながらこう言った。

「あ、知り合いの妹。買い物があってさ」

妹? 

その紹介のされ方に疑問を持ったミエと、謎の”知り合いの妹”に興味津々のイ・インウク御一行。

ジロジロとミエを見てくる。

「へー」

「先行ってて。場所わかるよね?マック」

ジンソプに促され、ミエは一人その場を離れた。

なにさ、ちょっとムカつく!ていうかイ・インウクってどっかで聞いたような・・・

「テストどうだった?」「お前は?」

「俺はテスト気にしねーっつったじゃん。高校も入れるとこ行けりゃいーし」
 

ふと、路地裏が目に入った。

ちょうど誰かが潜めそうな狭さだ。

ギラン、とミエの目が据わる。

バッ!

シーン・・

「何だろ、違ったかな?もう行こ・・」

「・・と見せかけてぇ!」

フェイントまで使い、ミエは本気で”幽霊”を捕まえようとダッシュした。

するとそこで、とうとう見つけたのだ。

バッ!

変装幽霊、キム・チョルが・・。

あんぐり

ミエはチョルに詰め寄って、いかに自分が怖かったかを語る。

チョルはどんよりとしたオーラのまま、ミエの名を口にしただけだ。

「ほら!やっぱりあんたじゃん!私さっきマジで怖くって怖くって」

「ファン・ミエ・・」

すると近くにいるモ・ジンソプ、そしてイ・インウクたちの会話が聞こえてくる。

「一服して行くか。あの階段の裏でどう?」「俺禁煙中」

「吸ってるとこ見たことねーけど」
 
「大魔王は相変わらずか?」

突然”大魔王”の話題が出たので、チョルもミエもハッとした。

「ま、うちにいたときもおとなしかったけど」

「マジで勉強ばっかしてんの?」「だから成績上がったんだろ」
 
 
ミエは咄嗟にチョルの腕を掴んだ。
 
パッ
 

そして引っ張った。

グンッ

会話は続いている。

「キム・チョル呼べねーの?お前仲良いんだろ?」

「一度会ってみてぇ」「あいつがお前に会いたがるかな」

「さぁねー」

モ・ジンソプは宙を見ながら、するりと会話を交わしていた。

 

タタッ

路地から出てきた不思議な格好の人を見て、イ・インウクが指をさす。

「おい、あれ見ろよ」

そこには、背を丸めてこそこそと小走りする男女二人の姿があった。

「なんだあの服。ダッセ」「ブカブカすぎんべ」

「父親と娘かな」「こんな時間にか?」

二人は帽子を取り替え、チョルの上着をミエが着た。手軽な変装だった。

チョルの服の裾を掴んで走るミエの手に、ようやくチョルが気がついた。

バッ

「もう大丈夫だよ!」

「ウザかったでしょ?」

ミエはそう言って、自分には大きいキャップを押さえて、笑った。

うははっ

[この瞬間キム・チョルは]

[隠れて二人をつけた時に感じた感情よりももっと]

[妙な気持ちになったのだ]

自分に孤独を気づかせる、賑やかな音楽や楽しげな若者の声が、いつの間にか遠くなっていた。

目の前で笑うこの小さな女の子が、チョルの抱える大きな暗闇を、拭い取って笑っている・・・。

 


第五十四話④でした。

 

イ・インウク・・は確か、ガク・テウクの元腰巾着で、以前チョルの家の近所にいましたね。

すごい前に出てきたような・・あ、調べてみたら十四話でした。結構前ですね

みんなチョルと仲良くなりたいのかな・・

最後笑ってるミエちゃん、可愛いですね〜

 

第五十五話①に続きます