ミエはチョルとの”約束”を果たすべく、しきりにチョルにアタックする。
「今度っていつなの?」
来週?
「そろそろ成績表出ちゃうよ〜」
秘密の一人きりになれる場所、化学室にまで現れたミエを見て、
思わずチョルは息を飲んだ。
「なっ・・なんだ?!どうしてここが分かっ・・」
「え?もう結構みんな知ってるよ?だから昼休みには誰も通んない。大魔王の巣窟って言われてる」
「巣窟・・?」
「この前廊下で・・・あれアンタだよね?こっち側の建物って、この階は化学室とトイレだけだし・・」
「出てけっ!」
とうとう追い出されたミエ。
「嫌なら嫌ってハッキリ言ってよ!」と一人口にして去って行く・・。
一方こちらは3年9組。
携帯のメッセージに目を落としながら、モジンソプはため息を吐く。
”今日来れないなら明日遊ぼーぜ。みんな呼べよ”
「あー・・この先輩めんどくせ・・」
遠回しの拒絶が通じない先輩に、モ・ジンソプは苛立っていた。
「ウゼーわ・・この自分が最優先って疑いもしない感じ。
また何て言い訳すっかなぁ・・メール代もったいねーし」
その隣で友人たちは、
「あいつらがこの学校で一番デカくて一番小せぇんじゃね?」と誰かの噂をしている。
モ・ジンソプはクラスのドア付近を見ていた。
そろそろ来る頃なんだけどな・・ と思いながら。
[
「ここに小さくて眉毛が太い・・ミヨンは・・」と全クラス回る自分は完全にダサい。
きっと「モ・ジンソプが全クラス回って女の子探してるんだけど!!」と瞬く間に噂になるだろう。
しかしこれまでやられっぱなしだったモジンソプだが、今回は少し余裕がある。
なぜなら、最近ファン・ミエのキャラクターを把握できるようになってきた感があるからだ。
あの感じは平気で笑っていられる心臓じゃないな
マメ子がプライドの張り合いしてくんじゃないよ
実はあのピアスは安物だしな。もうちょっとからかってやるか
[ようやく少し楽しくなり始めたんだけど・・]
あ
もういっこ約束取り付けなきゃいけねーんだった。
あいつケータイないよな?
モ・ジンソプの敷く伏線が、じわじわとミエを囲って行く・・・。
第五十二話③でした!
少し短めですみません〜!
大魔王の巣窟・・w
結局お昼はここで食べてるんですかねー 食事を摂ってる場面がないので心配です・・
第五十二話④に続きます