青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

第五十四話①

2022-03-20 | 第五十二話〜第五十四話

さてここで、キム・チョルの視点に添ってミエとジンソプのデート(?)を追ってみよう。

[みんなの予想通り、]

[この人物は大魔王である]

父のサングラス、父の上着(父も愛用)、父のシャツ、を召したチョル。
 
探偵のように、息を殺してミエとジンソプの後をつけていた。
 
二人に動きがあったら・・
 
くわっ
 
バッ
 
すかさず後に続いた。
 
モ・ジンソプがおかしな動きをしないか、常に目を光らせる。
 
[二人で歩いてるのは二人の問題だから、特に口出しするつもりはない]

ミエに気づかれそうになったら・・

サッ

素早く身を隠して二人を追い続けた。

歩いている途中で、何人もの人から声を掛けられるモ・ジンソプの様子を伺う。

[けど姉と妹がいるから、ピアスの値段は大体知ってるつもりだ]

[あいつは子供相手に一体なにを企んでる?]

あの・・チョルさん、ミエは同い年ですw

[だから、ただファン・ミエが、

あいつにカツアゲっぽいことをされないかどうかだけ確認してから帰るつもりだ]

[本当にマジでそれだけ・・]

チョルがこんなにもジンソプを気にするのには理由があった。

中間テストの勉強を二人でしているときに、彼と話した時のことがあるからだ。

 

 

「あーっ反省文マジだるい!!」

「手伝ってくれるって言ったの向こうだよ?ありえなくない?なんだよその目はー」

英語の宿題をハン・ソンイに手伝ってもらったことがバレ、反省文30枚の刑を受けたモ・ジンソプ。

睨むチョルに、余裕の表情でこう語る。

「お前何か勘違いしてるみたいだけど、俺一度だって無理矢理頼んだことなんてないからね?

なんか俺のことヤンキーとかって勘違いしてない?
 
 
「絶対しないことはタバコ、それとカツアゲ」
 
[モ・ジンソプは、遊び人でちょっと女好きってだけで]

[実際に誰かをいじめたり金をせびったりという噂は聞いたことがない]

モ・ジンソプの醸し出す軟派な空気で信じ辛いが、

ミエも「いじめられてるんじゃないって!」と何度も言っていた。

なので大丈夫だとは思うのだが・・。

それだけ確認して・・・

そう思いながら、二人の後を追っているチョル。

まるで子供のような、ミエの横顔が見える。

微妙な気分を味わいながら、チョルは二人をじっと見ていた。

するとミエの声が聞こえた。

「あ、これ見て!」

そう言って、モ・ジンソプに何かを見せようとしている。

ぎゅっ

するといきなり、モ・ジンソプがミエの手を握ったのだ!

そしてあまつさえ、まるでフォークダンスのように、

二人が急接近しているではないか!!

それを目にしたキム・チョルは、たまらず飛び出した。

「馬鹿野郎!なにを・・!」

のだが、動揺していたため足元にあったプラケースをひっくり返してしまい、

ガランガランとものすごい音を立ててしまった。

 

その音を聞いてこちらを向くファン・ミエ。

に、バレないように咄嗟に身を隠すチョル・・。

 

 

・・という顛末があったのだった。

バレないように隠れて、肩で息して、路地裏に座り込んで・・。

チョルの心の中に、ドーンと暗い幕が降りる。

馬鹿野郎は俺だっつーの・・

なんと残酷な、リアルな現実自覚タイム・・。

もう心が折れそうだ。

・・と言いつつ、やはり気になる。

チョルは再びそっと顔を出した。

遠〜く・・

二人はすでに遠く、しかもモ・ジンソプはミエの肩に手を回している。

「くそーっ!」

なんのかんの言いながらも、チョルは二人を放っておけずに走り出した。

馬鹿野郎を自覚しながらも、気になるものは気になる・・。

 


第五十四話①でした。

 

チョル・・w

怒ったり落ち込んだり・・なんかすごく人間らしいというか、思春期ぽいというか

最初の頃の諦めたようなチョルが印象的だったので、すごく嬉しくなってしまいますね!

そしてモジンソプは本当にタバコ吸ってないのか・・?友達は吸ってても自分は吸ってない感じなんですかねー

カツアゲはしないけど500ウォンはせびるモジンソプか・・

 

第五十四話②に続きます


第五十三話④

2022-03-18 | 第五十二話〜第五十四話

ミエはモ・ジンソプの方をじっとりと睨みながら、彼がチョルと”友達”になったという事実に納得できないでいた。

何度考えてみてもムカつくんだけど。

私は友達になろう、一緒に勉強しよう、遊ぼうって必死に追いかけ回して、
 
ようやく返事もらったのに。なんでモ・ジンソプにはチョルの方からなの?!
 
友達になろうって?勉強しようって??
 

なんでこの人に???

英語の宿題の件といい、ピアスのことといい、ミエが抱くモ・ジンソプの印象は良くはない。

チョルがどうして自分からこの人に近づいたのかが、ミエには全然納得できないでいるのだ。

 

するとミエの視線に気づいたのか、モ・ジンソプが口を開く。

「ん?どした?」

「ん?ううん、何度見てもやっぱりイケメンだな〜って」
 
「なーに言ってんだよ」
 

そして二人は、再びピアス探しを始めた。

「あ、これは?」「違うー」「じゃあその横のこれは?」「違うね〜」

「みんな似てて・・こんなに似てるのにどうして種類がいっぱいあるんだろ?」
 

疑問を呈するミエに、モ・ジンソプは内心「めんどくせーな」と思いながらも付き合った。

するとピアスを掴んだミエの手が、するりとそれを落っことしそうになる。

「それじゃこれ・・あっ・・!」

が、セーフだった。

「あーびっくりした」「これ?見せてよ」

「気をつけてね」

モ・ジンソプはそう言いながら、ミエの手に添えた自分の手に、若干力を込める。

「あっ、うん・・!」

ドギマギとすぐに手を離すミエと、その反応を見て笑顔になるモ・ジンソプ。

形勢はモ・ジンソプの方が優勢だ。

「ね〜あんたも探してよ!」「んー」

はっ!

が、少しまずいことになった。

二人が探しているもの、つまりミエが失くしたピアスと同じものを、モ・ジンソプが見つけてしまったからだ。

「あれ?店の中にももっとあるよ!」

ヤバイ、と思うやいなや、モ・ジンソプはミエの足元に自分のそれを伸ばした。

「あっ」

ガシッ

「ほら、気をつけないと」

ミエの背中を片手で支えるモ・ジンソプ。

まるでダンスのようなその姿勢のまま、ジンソプはふっと微笑む。

「ミエは大雑把だねぇ」

すると背後から、ドンッという音がした。

背中を支えられたその姿勢のまま、ミエはその音の方を向く。

フードを被ったその男の顔は、ガラスに反射して見えそうで見えない。

サッ

しかしすぐにその男はいなくなってしまった。

「じゃ、ここはもうないみたいだから、他のところにも行ってみようか」

「え?え?」「たくさんお店あるからさ」「今何か・・ええ?」
 
ミエは先ほどの男の人が気になって動転していたのだが、モ・ジンソプは今の接触でミエの魂が抜けたのだと思っていた。
 
ピアスが見つかることも回避出来たし、モ・ジンソプは上機嫌のまま歩いて行く。
 
「行こう〜!」
 
 
 
 

先ほどの男は、路地裏に逃げ込んでいた。

肩で息をしながらしゃがんでいる。

その男は、変装したその人、キム・チョルであった——・・!

 

 


第五十三話④でした。

いやチョル、バレバレだと思うよw

娘のデートについて行くお父さんのようで健気や・・ほろり

 

第五十四話①に続きます


第五十三話③

2022-03-16 | 第五十二話〜第五十四話

午後3時、セモドン駅周辺は若者たちで賑わっていた。

そこに一際目立つ、一人の青年が立つ。

スニーカーにジーンズ、Tシャツにキャップ。

一見普通の服装だが、彼が着こなすとどこかキマッて見えた。

その様子を目にしたファン・ミエは、瞳をキラキラさせて感動していた。

「うわぁ〜!かっこいい〜!」

「雑誌に出てくるストリートスナップみたいじゃん!」

「撮られたことあるよ。ソウル行った時「えっマジで?!」

珍しくミエに褒められたモ・ジンソプは、マナーとしてミエにもそれを返そうとする。

「君も・・」

しかし・・・。

「なんか俺のいとこみたい(男の子だけど)「え?それ褒めてる?」

「うんうん」「私もちょっとコーデ考えてきたんだよ!」
 
「そうなんだ〜」
 

そう言うのがせいぜいであった・・・

さて二人がこうして会っているのは、ピアスを探すためである。

「そんじゃ見に行こっか!あのピアスってどこで買ったの?」

「う〜んあんま覚えてなくて・・」

「色々見てたらあるんじゃない?それじゃ、いこっか」「うん」
 

そんな二人から離れたところに、身を隠している一人の男がいた。

気づかれないように、足音を忍ばせて尾行する・・・。

 

ちなみに、ミエが「コーデを考えてきた」内情は・・。

+)

[外出前、それなりに悩んでいたミエ]

イケメンと出かけるコーデは・・と

レンタル店で雑誌を見て研究していたのだった。

 

 

<楽しい少年>

 

ファン・ミエとモ・ジンソプが歩き出した後で、大きなスニーカーが一歩踏み出す。

ミエはキョロキョロしながら街を歩いていた。

「ねぇほんとにどこで買ったの?雑貨屋さん?服屋さん?」「さぁ〜」

同じく街を見ながら話すモ・ジンソプを、陰ながらじっと凝視する。

「とりま探してみよーよ。あっち行ってみようか」

「どしたの?」「ん?別に!あ、あそこかな??」

ミエがジンソプに答えた途端、背後でサッと大きな影が動いた。

振り返るも、誰もいない。

「ここの店見てみよ」

不思議な気配に首を傾げるミエだったが、とりあえず目の前のピアスを見ることにした。

「おーいっぱいあるじゃん!値段はピンキリだな・・」

そう口にして、心の中がモヤっとするのに気がついた。

「言っとくけど買わないからね?!同じのあるかなーって見てるだけだから!」

「オッケーオッケー」
 
「もしも・・もしものもしも見つかんなかったら、半分負担してあげるかも・・・
 
じゃないかも・・まだ部屋全部探したわけじゃないからさ!」
 
(見つからなかったな)
 
 
「まー、ゆっくり見よーよ」
 
 
余裕の態度でそう口にするモ・ジンソプ。

ミエはフッと息を吐いて彼を見た。とにかく同じピアスを見つけ出さないことには始まらない。

「よーしどれどれ〜?」

そんなミエを見下ろしながら、モ・ジンソプは思っていた。

形も全然覚えてねーだろ。どーせ同じよーなのばっかだしな
 
「思い出したような・・出さないような・・これ?これか?」

「女性物のがめっちゃ多いよー?」

値段を大分盛ったが、ピアスをもらいたいわけじゃない・・・

今日はせいぜい選び続けろファン・ミエ!!

モ・ジンソプの真の目的とはそれであった。

ピアスを失くした負い目のあるミエを苦しめたい、その一心だ。

ミエはそんなモ・ジンソプに、じっとりとした視線を送っていた。

友達?友達〜??

チョルと”友達”になったと言うモ・ジンソプのことを、ミエは何一つ信用出来ていなかった。

二人はそれぞれの思惑を胸にしまいながら、架空のピアスを探し続ける・・・。

 

 


第五十三話③でした。

モジンソプのキマってる感じと、ミエの野暮ったい感じの対比がよく出てますね〜

そして二人は腹の中は真っ黒という・・笑

 

第五十三話④に続きます

 


第五十三話②

2022-03-14 | 第五十二話〜第五十四話

放課後、ミエはまたもレンタルショップで漫画を読んでいた。

・・が、内容がほとんど頭に入ってこない。

なぜなら、キム・チョルとモ・ジンソプの関係が気になって仕方がないからだった。

は?二人が友達になったって?
 
じゃあなんで前もって話してくれなかったの?
 
 
 
私はそうとも知らずに・・
 
朝、二人に会った時のことをミエはもう一度プレイバックする。
 
え?なになに?二人何してんの?なんか話してる?
 
 
しばし会話をしていた二人だが、チョルがモ・ジンソプの手を振り払う動作を見せた。
 
以前チョルから言われたことが蘇る。
 
「もしあいつにいじめられたらすぐ俺に言えよ」
 
ま・・まさか・・??
 
 
ミエの脳裏に、今の状況がどうなっているかの想像が駆け巡った!
 
喧嘩をやめて〜二人を止めて〜私のために〜争わないで〜
 
「誤解、誤解よ!」
 
 
ミエがまるでトレンディドラマのようなそんな場面を想像している間に、チョルとジンソプの会話は進む。
 
「それじゃその日は街で遊ぼっか」
 
コクッ
 
「俺ら友達になることにしたんだよ」
 
 
・・という流れになったのだった。
 
変な想像をして、挙句自分との約束は渋るくせにモジンソプとは遊びに行く約束をしていたチョルに対して、
 
ミエはなんとも言えない気持ちである。
 
 
そしてミエは、一人うわああとなりながら頭を抱えたのだった。
 
「うわああ!私完全に痛いやつじゃん!!」
 
 
思春期真っ只中のファン・ミエ。
 
そしてその頃、同じく思春期真っ只中のチョルは、というと。
 
 
 
 
「どーせ俺はお人好しのバカだよ!!」
 
 
「どっちにしろ最初から関係ねーし!」
 
「こんなこともう止めだ止め!」
 
 
鬱憤を晴らすかのように、大声で自分の気持ちを口に出しながら、
 
カバンを置き、手を洗い、おやつのりんごを食べた。
 
 
バッ
 
 
参考書を開いて、チョルは自身に言い聞かせる。
 
俺は俺の道を行く——・・
 
 
そしてチョルは勉強に勤しんだ。
 
時刻は午後1時半。
 
しんと静まった部屋に、秒針が響く。
 
我が道を行くだけ、と決めたはずのチョルだが、やはり心がざわめいていた。
 
 
勉強したからちょっと体操して体を動かすだけ、と己に言い聞かせて窓辺に立つ。
 
 
するとドンピシャで、窓下の道路に見覚えのある姿が見えた。
 
帽子を押さえながら、ダダダと走って行く。
 
 
その姿を見て、チョルは思わず呟いた。
 
「スカート・・?」と・・。
 
 
嫌な予感が拭えない。
 
心の中のモヤモヤは、依然として大きくなるばかり——・・・。
 
 
 
 

第五十三話②でした。

 

確かにミエちゃんのスカートは・・

制服以外では初めて見るかもしれません・・

 

そしておやつにリンゴを爆食いするチョルがかわいいですね・・

 
 
第五十三話③に続きます

第五十三話①

2022-03-12 | 第五十二話〜第五十四話

波乱の朝を経て、チョルとミエは現在教室にて授業を受けていた。

けれど二人それぞれに、心の中にはメラメラと炎が揺れている。

ゴオオオ・・

ゴオオオ・・

ジロッ

ミエは以前、チョルからモ・ジンソプについて言われたことを思い出していた。

「モ・ジンソプにいじめられたら俺に言えよ」

「お前、モ・ジンソプの前でヘラヘラしねーでしっかりしろよ」

自分のことは棚に上げて・・

ミエには”モ・ジンソプには近づくな”と言うくせに、自分はちゃっかり遊びに行く約束をしていたことが、

そしてミエとの約束は避けていたのに、ということが、ミエには許せなかったのである。

朝、二人の関係を問い詰めるとモジ・ンソプがこう答えた。

「え?俺ら?俺らこの間から友達になることにしたんだよ。驚きでしょ?」

「チョルの方から先に俺のとこに来て、一緒に勉強しないかって誘われてさ。

それで試験期間中ずっと一緒に勉強してたんだ」「へぇ〜」
 

「そ〜なんだぁ〜〜」

そう言いながらも、ミエの背後に”負担になるって言っておきながら・・”という

本音が透けて見えた。

「ま、そんな感じ」と締めるモジンソプの隣で、チョルは幾分動揺している。

なんで私とはダメなわけ??!!!

 

・・というやり取りを、チョルもまた思い出していた。

イラつきのあまり、強く握ったペンが折れる。

バキッ

いやいやお前とあいつじゃ状況がちげーだろ!!でっけー男とちびっこい女じゃ!

チョルは今まで遭遇した事柄を踏まえて、なぜそんなにもミエが察しないのかがもどかしいのだ。

いくら何も考えずに生きてるっぽくても、
 
図書館でああいうとこ見てんだし、気になんだろ?!
 
 
そんでイケメンにはカツアゲされてもピアス買ってやるってどーなん?!
 
マジでどーかしてんだろ!!
 
なんで俺があそこまで・・!
 
 
チョルはミエのことを心配して、モ・ジンソプを見張る意味を兼ねて試験期間中ずっと一緒に勉強までしたのだ。
 
「俺と仲良くなりたいんじゃなかったか?」なんてセリフまで口にした自分を思い出して、
 
チョルは今にもマジで舌を噛んで死にたい気分なのである。
 
 
わかったよ!もう勝手にしろっ!!
 
 
もう知るかーーーーっ!!
 
 
チョルもミエも、お互いの心がまるで図れなくて苛立ちばかりがつのった。
 
怒りの炎をメラメラと燃やしながら、放課後まで二人は口をきかなかったのだった・・・。
 
 
 

第五十三話①でした。

あ〜〜これはチョルがはっきり言ってあげないと・・ミエももう少し察してあげれたらいいんだけど・・

いや〜〜もどかしいですね。。もう三人で一緒に遊べばいいのに・・

 

第五十三話②に続きます