キム・チョルは塾へ向かうため、自転車をかっ飛ばした。
ファン・ミエとの”遊びの約束”について、そろそろ話し合わないともう時間がないのだ。
ガシャン
自転車置き場に自転車を停めると、塾の方へ向かった。
するとそこに、話をしているファン・ミエとパク・ジョンウクがいたのだ。
「テスト終わったよ?だからさ、一緒に遊ぼうよ」
「へ?ジョンウクと?何して?!」
「俺の家、ゲーム機何種類かあるんだ。やったことある?」
するとそこで、ジョンウクがチョルに向き直った。
「チョル、お前もくる?」
「え?」
「あれ?」
そしてミエもチョルの方を向いた。
目を丸くしている彼の姿を、ミエとジョンウクがじっと見つめる。
「あれ〜?いつからいたの?!一緒に行こうよ〜!」
「な、」とジョンウクが促す。けれどチョルは浮かない表情だ。
その顔を見て、ジョンウクが「?」を浮かべて首を傾げる。
なんだ・・?
ん?どうして?
んん??
三人は目でそれぞれ会話したが、結局チョルが発した言葉は一言だけだった・・。
「いい」「え〜もう!いつもいいって言う〜!」
<説明してくれる?>
塾が始まる前、ミエは教室の前に立って意気揚々とこう言った。
「みんな〜!ジョンウクん家で一緒にゲームする人〜!」
ビデオ鑑賞の時のノリはどこへやら。
ジョン・ソラはミエの誘いを無視して拒絶。
チャ・ヨンヒは「ん?私その日約束あっから」と言って寝てしまい拒絶。
聞いてもないコ・テグァン。
ジョハンは、よく分からない理由で拒絶・・。
「僕が・・
そのあまりの撃沈ぶりに、ミエはまるで極寒の地にでもいるような気分だった。
ちょっと・・ビデオの時と全然違うじゃん・・!みんなヒドイ・・
そんなミエを見て、ジョンウクはニコニコしている。
二人でもいいじゃん
うん、だよね〜!
その菩薩のような微笑みを見て、ミエはジョンウクが輝いて見えた。
さながら気分は姫と王子(?)である。
この塾でそっちから遊ぼうって誘ってくれるのはキミだけだよ、
私たちだけで楽しく遊ぼうね〜!
あははは・・とミエの笑い声が響く中、チョルは一人悶々としていた。
「なんだあいつら」
一体どんな思惑があるのか、チョルはジョンウクに聞いてみなければ、と思った・・。
第五十二話①でした!
ジョンウク・・女の子を誘うのも上手いなんて・・恐ろしい子・・!(白目)
そして誰か誘っていいと言われたからってSクラス全員に声を掛けるミエ・・!恐ろしい子・・!(親目線)
第五十二話②に続きます