青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
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第五十三話③

2022-03-16 | 第五十二話〜第五十四話

午後3時、セモドン駅周辺は若者たちで賑わっていた。

そこに一際目立つ、一人の青年が立つ。

スニーカーにジーンズ、Tシャツにキャップ。

一見普通の服装だが、彼が着こなすとどこかキマッて見えた。

その様子を目にしたファン・ミエは、瞳をキラキラさせて感動していた。

「うわぁ〜!かっこいい〜!」

「雑誌に出てくるストリートスナップみたいじゃん!」

「撮られたことあるよ。ソウル行った時「えっマジで?!」

珍しくミエに褒められたモ・ジンソプは、マナーとしてミエにもそれを返そうとする。

「君も・・」

しかし・・・。

「なんか俺のいとこみたい(男の子だけど)「え?それ褒めてる?」

「うんうん」「私もちょっとコーデ考えてきたんだよ!」
 
「そうなんだ〜」
 

そう言うのがせいぜいであった・・・

さて二人がこうして会っているのは、ピアスを探すためである。

「そんじゃ見に行こっか!あのピアスってどこで買ったの?」

「う〜んあんま覚えてなくて・・」

「色々見てたらあるんじゃない?それじゃ、いこっか」「うん」
 

そんな二人から離れたところに、身を隠している一人の男がいた。

気づかれないように、足音を忍ばせて尾行する・・・。

 

ちなみに、ミエが「コーデを考えてきた」内情は・・。

+)

[外出前、それなりに悩んでいたミエ]

イケメンと出かけるコーデは・・と

レンタル店で雑誌を見て研究していたのだった。

 

 

<楽しい少年>

 

ファン・ミエとモ・ジンソプが歩き出した後で、大きなスニーカーが一歩踏み出す。

ミエはキョロキョロしながら街を歩いていた。

「ねぇほんとにどこで買ったの?雑貨屋さん?服屋さん?」「さぁ〜」

同じく街を見ながら話すモ・ジンソプを、陰ながらじっと凝視する。

「とりま探してみよーよ。あっち行ってみようか」

「どしたの?」「ん?別に!あ、あそこかな??」

ミエがジンソプに答えた途端、背後でサッと大きな影が動いた。

振り返るも、誰もいない。

「ここの店見てみよ」

不思議な気配に首を傾げるミエだったが、とりあえず目の前のピアスを見ることにした。

「おーいっぱいあるじゃん!値段はピンキリだな・・」

そう口にして、心の中がモヤっとするのに気がついた。

「言っとくけど買わないからね?!同じのあるかなーって見てるだけだから!」

「オッケーオッケー」
 
「もしも・・もしものもしも見つかんなかったら、半分負担してあげるかも・・・
 
じゃないかも・・まだ部屋全部探したわけじゃないからさ!」
 
(見つからなかったな)
 
 
「まー、ゆっくり見よーよ」
 
 
余裕の態度でそう口にするモ・ジンソプ。

ミエはフッと息を吐いて彼を見た。とにかく同じピアスを見つけ出さないことには始まらない。

「よーしどれどれ〜?」

そんなミエを見下ろしながら、モ・ジンソプは思っていた。

形も全然覚えてねーだろ。どーせ同じよーなのばっかだしな
 
「思い出したような・・出さないような・・これ?これか?」

「女性物のがめっちゃ多いよー?」

値段を大分盛ったが、ピアスをもらいたいわけじゃない・・・

今日はせいぜい選び続けろファン・ミエ!!

モ・ジンソプの真の目的とはそれであった。

ピアスを失くした負い目のあるミエを苦しめたい、その一心だ。

ミエはそんなモ・ジンソプに、じっとりとした視線を送っていた。

友達?友達〜??

チョルと”友達”になったと言うモ・ジンソプのことを、ミエは何一つ信用出来ていなかった。

二人はそれぞれの思惑を胸にしまいながら、架空のピアスを探し続ける・・・。

 

 


第五十三話③でした。

モジンソプのキマってる感じと、ミエの野暮ったい感じの対比がよく出てますね〜

そして二人は腹の中は真っ黒という・・笑

 

第五十三話④に続きます