深夜営業の『めしや』に漫画家志望だったテヅカオサミが別れを告げにくる。やつれた姿で標準語で挨拶し、田舎に帰ってゆくテヅカオサミ。入れ替わりに馴染みの中年編集者が若い野心的な漫画家ハシモト、を連れてきて『トマト巻き』を食べさせる。トマト巻きはプチトマトを豚バラ肉で巻き、串焼きにして塩を振ったもの。
若いOLと同棲しながら原稿を描き若い編集者に持ち込みをするが話しが噛み合わず上手くゆかないハシモト。グチを言うが、原稿を読んだ中年編集者に「面白くない。君は自分に嘘をついている」と指摘される。煮詰まり、バイトもしないハシモト、若いOLとすれ違い始める。
「連絡取ってこなくなった」とめしやのマスターに漏らす中年編集者。痛飲する。
若いOLとの生活が破綻したハシモト。ふらふらと公園で浮浪者から古い漫画誌を買い、それを欲しがった子供に渡す。「漫画好き?」と問うと子供は「描くのが好き」と答えた。
夜の街を不器用に走るハシモト、叫ぶ。その姿は数枚の鋭い漫画のカットになった。
しかしそれは彼が描いた漫画では無かった。
身支度を整えたハシモトがめしやに別れの挨拶にくる。やや遅れて血色の良いテヅカオサミとテヅカとお揃いのベレー帽を被った女性が入ってくる。訛りある言葉でトマト巻きを注文するテヅカ。テヅカは田舎でやはり漫画家志望だったベレー帽の女性と出合い、素直な気持ちで再起を決め、女性とコンビを組んで投稿を重ねて連載が決まったのだ。テヅカは「自分の名前が気にならなくなった」とハシモトに語る。ハシモトは礼をいい、夜の街に去っていった・・・
デフォルメされたものだが、敗れるべくして敗れた者の姿が切り取られていた。
それにしてもトマト巻き、私、猫舌だから食べるとしたら要注意だな。熱したトマトの汁の攻撃力っ!
若いOLと同棲しながら原稿を描き若い編集者に持ち込みをするが話しが噛み合わず上手くゆかないハシモト。グチを言うが、原稿を読んだ中年編集者に「面白くない。君は自分に嘘をついている」と指摘される。煮詰まり、バイトもしないハシモト、若いOLとすれ違い始める。
「連絡取ってこなくなった」とめしやのマスターに漏らす中年編集者。痛飲する。
若いOLとの生活が破綻したハシモト。ふらふらと公園で浮浪者から古い漫画誌を買い、それを欲しがった子供に渡す。「漫画好き?」と問うと子供は「描くのが好き」と答えた。
夜の街を不器用に走るハシモト、叫ぶ。その姿は数枚の鋭い漫画のカットになった。
しかしそれは彼が描いた漫画では無かった。
身支度を整えたハシモトがめしやに別れの挨拶にくる。やや遅れて血色の良いテヅカオサミとテヅカとお揃いのベレー帽を被った女性が入ってくる。訛りある言葉でトマト巻きを注文するテヅカ。テヅカは田舎でやはり漫画家志望だったベレー帽の女性と出合い、素直な気持ちで再起を決め、女性とコンビを組んで投稿を重ねて連載が決まったのだ。テヅカは「自分の名前が気にならなくなった」とハシモトに語る。ハシモトは礼をいい、夜の街に去っていった・・・
デフォルメされたものだが、敗れるべくして敗れた者の姿が切り取られていた。
それにしてもトマト巻き、私、猫舌だから食べるとしたら要注意だな。熱したトマトの汁の攻撃力っ!