「修善寺」正面の橋を渡り、歩行者に注意しながら狭い道を右に折れて少し進む。すると、白い壁に宿というよりもレストランを思わせるようなデザインで「宙」の文字があり、その脇の急な坂を登り左の入り口から回り込むと玄関になる。
玄関で焚かれているお香のかおりを後にしてロビーに入ると、手際よく柚子のジュースがテーブルに置かれた。それをゆっくり飲みながら外に目をやると、鯉が泳ぐ池の向こうに庭を挟んで滝が見えた。ここは宿の見せ場のようで、それを眺めながら一息ついた。
部屋に案内される途中、左に折れる突き当たりの場所に置物があるのだけれど、猫の彫り物があり、さらに近づいて行くとその猫が座布団の上で客にお辞儀をしている姿に気が付く。
迎えられている気分がして、微妙に心が動かされた。この猫、従業員よりも良い仕事をしているかもしれない。
その従業員と言えば、少し元気が無い。実はこの宿に宿泊したブログや口コミは結構あって、読んでみると、面白いことに良くも悪くも、うなずけることが多かった。「元気が無い」というのは、そのブログに書いてあったことで、自分も「確かにそうかな」と思った部分。
で、そのあまり元気の無い係りの女の子に案内された部屋の畳が市松模様。部屋からも庭がよく見えていい感じ。
食事処は回廊式の真ん中を区切り、空間を取っている。狭くも無く、広すぎない、ちょうど良い広さが贅沢感を出している。食事中に女将が挨拶に来てくれました。親しみ易い感じで好印象。
で、お風呂。
残念なことに防水カメラのがメディアが壊れてしまって、風呂の写真が全部ダメ。
パンフレットに載っていた「光の露天風呂」ですが、これは意味がわからない。
浴槽はアクリル板かと思ったら、そうではなくてガラスをエッチング加工したものだそうだけれど、浴槽そのものを光らせるなんて、水と電気、相性の悪い事この上なく、落ち着かなかった。
これなら周囲の足元だけをライトアップする「諏訪湖ホテル」の露天の方が格段に良いと思う。
そして、コメントで文句を書いている人がいないからこの日だけかもしれないけど、塩素臭がものすごく周囲の木々の香りも吹っ飛んでしまっている。
これは石井建築事務所かなと思ったら違った。
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/rensai/gokan/060806.php
全体的にはデザイン性のつよい旅館のようですが、「飽き」も含めてどうなんだろう。興味がある。
庭の散策をする時間がなかったし、良い悪いが良く分からないので、そのうちもう一度行ってみようと思う。