(他者からの)非難が何であろう、「汝もまた一人の傍観者に過ぎなかった」という内心の声に比べれば。
負い目は誰に対するものでもない。社会や国家に対するものでもない。人と神の通路に生まれる信に対するものである。
それは対他的な関係では自負となる。
桶谷秀昭(保田與重郎を評して)
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負い目を感じる者が、自負を感じることができる。
※ 自負の「負」は頼るということ。
常に何かの「負い目」を感じ取れる者だけが、ほんとうの「自負」を抱くことができる。
負い目を感じ取れる感受性のある者だけに、自負という褒美が与えられる。
偉人はみな、負い目を抱えて生きていく。
その負い目を、マグマとして、自分の行動力に転化していく。
負い目ってのが、ガソリンになり、エネルギーになり、あらゆる行動の原動力となる。
ノブレス・オブリージュってのはこういうことだろうし、エマソンが
The greatest genius is the most indebted man.
最も偉大な天才は最も負い目を感じる者である
と言ったのも、この「負い目が自負に昇華される」成長過程を表している。