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川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

コンプラを変え,会社を変え,日本を変える!

本間雅晴中将

2025年04月06日 | 人物
本間雅晴中将の裁判で、妻富士子は証人としてマニラに飛んできて、次のように証言した。

「私は今なお本間の妻たることを誇りにしています。私は夫、本間に感謝しています。

 娘も本間のような男に嫁がせたいと思っています。
 息子には、日本の忠臣であるお父さんのような人になれと教えます。

 私が、本間に関して証言することは、ただそれだけです」

____________

歴史に残るのはこういう美しさですね。

流れてきた以下のTweetから

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『静かなる細き声』 山本七平

2025年04月01日 | 人物
山本七平の中で一番好きな本。



「静かなる細き声」というのは、旧約聖書のエリヤのところで出てくる。

神の声のこと。祈っていなければ静かなる細き声は聞こえぬ。私はそう受け取っている。

山本七平が好きだった「怒りを抑えし者は、城を取る者にまさる」という箴言16:32(の抄訳)と合わせ読むと、単に神の声を聴く、という意味ではなく、常に静かなる細き声を発し続けよ、と読める。

というか私はそう受け取っていた。山本七平の人格から。

静かどころか、激して大きな声を出すこともあっただろう。
細き声どころか、声高に太き声を出すこともあっただろう。

でも、後世の我々には、山本七平は「静かなる細き声」を出し続けた人として記憶されている。

この本で一番いいのは以下:

私はまず決心した。

生涯たとえいかなることがあっても、「あの状況ではああ言わざるを得なかった」とか、「私の立場ではこう言わざるを得ない」という言葉は口にすまい。

またそういう言葉を口にするような精神状態には絶対になるまい。その結果、どのような非難が来ようと、罵詈讒謗が来ようと、非常識だと言われようと意に介すまい。

もしそれができないと思ったら、生涯一言も口をきくまい、と。

~~~引用終わり~~~

「その状況ではこう言わざるを得ない」という言い訳を許さない。

常に自分を持ち続ける。周りに流されない。
山本七平の矜持を感じる。

戦後に進歩的知識人と堂々と戦ってきた山本七平だけに、説得力がある。

過去記事(2023年)

これは『李陵』の蘇武ですね。

ここに一人の男(蘇武)があって、いかに「やむを得ない」と思われる事情を前にしても、断じて、自らにそれは「やむを得ぬのだ」という考え方を許そうとしないのである。

飢餓も寒苦も孤独の苦しみも、祖国の冷淡も、己の苦節がついに何人(なんぴと)にも知られないだろうというほとんど確定的な事実も、この男にとって、平生の節義を改めなければならぬほどのやむを得ぬ事情ではないのだ。

~~~引用終わり~~~

過去記事(3月)

私が山本七平とか蘇武を好きなのは、この「やむを得ない」という言い訳を許さない、その矜持と意固地と信念と痩せ我慢が、好きだからなんでしょう。

状況がどんなに不利であっても、常に静かなる細き声を発していきたい。
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やなせたかしは詩人だった

2025年03月22日 | 人物
かつてやなせたかしの編集者だった梯久美子が振り返る。

詩人に悪い人はいない。

私も詩人になろうかな。


【あとがきのあと】やなせたかしの生涯 梯久美子氏:日本経済新聞



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紀藤正樹弁護士が小出浩久医師の拉致監禁に関与したか

2025年03月20日 | 人物
紀藤正樹弁護士が小出浩久医師の拉致監禁に関与したかをGrokに訊きました。

想定通りの解答でした。

~~~以下引用~~~

紀藤正樹弁護士が依頼者であった家庭連合(旧統一教会)信者の小出浩久医師の拉致監禁に直接関与していたかどうかについては、明確な証拠に基づく結論を出すのは現時点では困難です。

ただし、この問題には複数の主張や視点が存在し、以下に整理して説明します。

小出浩久医師は、自著『人さらいからの脱出』(1995年刊行)の中で、自身が1992年から1994年にかけて拉致監禁され、脱会を強要された経験を記述しています。

その中で、監禁中に紀藤正樹弁護士と山口広弁護士が現れ、統一教会(現・家庭連合)を訴えるよう強く促されたと主張しています(同書165頁)。

小出氏によると、この提訴は監禁から解放されるための「踏み絵」として機能し、紀藤氏らが拉致監禁の状況を知りつつ、それを黙認または利用していた可能性があると示唆しています。

紀藤氏は全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の主要メンバーとして、旧統一教会による霊感商法や信者への影響を批判し、被害者救済に取り組んできた人物です。

彼の活動は主に法的手段を通じた教団への対抗であり、拉致監禁を直接実行したという証拠は見つかっていません。

しかし、小出氏の証言や一部の家庭連合支持者の主張では、紀藤氏が拉致監禁に関与する脱会支援者(いわゆる「脱会屋」)と連携し、間接的にこれを容認していたのではないかとの疑惑が浮上しています。

X上の投稿でも、紀藤氏が監禁現場に現れたことや、提訴を強要したことが繰り返し指摘されています。

一方、紀藤氏側の立場としては、拉致監禁を積極的に支持したというより、教団による信者の心理的支配からの解放を優先する姿勢がうかがえます。

例えば、過去のインタビュー(例: ダイヤモンドオンライン)では、信者の自由意志が奪われている状況を問題視する発言が見られます。

これが拉致監禁を正当化する意図と解釈されることもありますが、直接的な関与を証明するものではありません。

裁判記録や公開情報からは、紀藤氏が小出氏の拉致監禁に物理的・計画的に関与した証拠は確認できません。

ただし、小出氏の記述やX上の意見からは、紀藤氏が監禁の事実を知りながら法的闘争に利用した可能性を疑う声が根強く存在します。

この点について、紀藤氏が小出氏の主張に対し公に反論や謝罪を行っていないことも、議論を複雑化させています。

結論として、紀藤正樹弁護士が小出浩久医師の拉致監禁に直接関与した証拠は現時点では見つかっていませんが、監禁状況を知りつつ提訴を促したとする小出氏の証言があり、間接的な関与を疑う見方があります。

この問題は賛否両論があり、さらなる客観的資料や検証が必要です。
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紀藤正樹弁護士の妄言

2025年03月20日 | 人物
紀藤正樹弁護士がすっごい変なことを言っている。

消される前にコピペしておきます。

日本が諸外国と同様に1980年代に統一教会問題をきちんと処理していれば、地下鉄サリン事件など一連のオウム真理教事件は起きなかった可能性があります。


私が出会った今世紀最大の妄言かも、、、

日本が諸外国と同様に男女平等問題をきちんと処理していれば、後藤徹事件など一連の拉致監禁事件は起きなかった可能性がありますみたいな??

どんな因果関係があるのだろう。

すごい弁護士がいらっしゃるんですね、、、 
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欲の一字

2025年03月20日 | 人物
【執筆原稿から抜粋】

欲の一字

 流刑先の沖永良部島の島民から家庭円満などの日常生活の秘訣を問われた西郷隆盛は、

欲を離れる 

ことが大事と説き、「欲ノ一字」が駄目だと書き残しました。

西郷が人徳ある大人物の象徴とされるのは、この「欲を離れる」実践をしたからです。

山縣有朋が椿山荘等の多くの別荘を所有するなど、維新の功臣が華美に流れる中、陸軍大将になっても偉ぶらず兵児帯で犬の散歩を楽しむ姿がイメージできます。

我が家の遺事人知るや否や
児孫のために美田を買わず

も有名な西郷の漢詩です。私服を肥やさず、子孫に財産を残しませんでした。

国を率いるような大人物で私服を肥やさずに欲を離れる工夫をしたのはインドのガンディと同じです。宗教家のように禁欲的に生きる姿が人を惹きつけます。

私は功成り名を遂げてもカローラに乗り続ける伊藤忠商事元会長の丹羽宇一郎さんを尊敬しています。

ちなみにキリスト教界隈や鹿児島では、このように宗教性の高い西郷隆盛は、キリスト教の洗礼を受けたクリスチャンであると信じられています。
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詩人とは ー1人闘わん

2025年03月19日 | 人物
詩人とは、涙を言葉にする人。

そんなことを『苦海浄土』の石牟礼道子が言う。



その石牟礼は、1人、水俣問題で、闘っていた。




足尾鉱毒問題で、田中正造が闘ったように、彼女も、ミナマタと、1人で闘っていた。

石牟礼は田中を研究していた。

石牟礼は、水俣の死者を、「人豚」と蔑まれた戚夫人になぞらえた。

 
人豚 - 川塵録

人豚 - 川塵録

麻布十番「はじめ」,美味いと聞いて行ったけど,高かった…ぼった栗rip-off感。次行こうって気にならないな…最近ヘタレ気味。空手弁護士の看板をあえて下ろし...

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 (↑戚夫人に関する過去記事)


田中正造は、1人、足尾鉱毒と闘った。

石牟礼道子も、1人、水俣と闘った。(渡辺京二の支えを受けて)

正木ひろしも、1人、戦時体制と闘った。

私も、1人、宗教迫害と、闘います。

私が、田中正造とか、石牟礼道子(ユージンスミスも)を研究してきた(彼の地まで足を運んだ、正木ひろし関連施設には足を運んでない)のは、偶然ではなかったのかも。

すべては偶然であり、かつ、必然なんですねえ。

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小林秀雄、福田恒存 いずれも、、、

2025年03月18日 | 人物
小林秀雄は絶筆で内村鑑三を論じた。



小林は「敬虔なる無宗教者」と言われた。




福田恒存は、「カトリックの無免許運転」をしていた。

芥川も、キリスト教文学を多く残した。

神谷美恵子が死に、遠藤周作が死に、曽野綾子が死に、、、

文学者・批評家から聖性や霊性が失われつつある、、、

いや、ここに書いた小林、福田、芥川、神谷、遠藤、曽野、、、

彼ら彼女らが名を残したのは、聖への憧れと謙虚さ、霊性への理解があったからこそ、なんでしょうね。。

今の書き手でこういう聖性や霊性を感じるのは若松英輔さんくらいだ、、、

彼が詩人でもあることは、彼の霊性、そして聖への憧れと無関係ではない。

聖を志向するものは、降ってくる言葉を探そうとする。コトバを受け取ろうとする。

それが詩という媒体の形で表現されるんだろう。
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鈴木エイトの「明白」シリーズ ー8連発

2025年03月18日 | 人物
Twitter (X)で書いた、鈴木エイトの「明白」シリーズ。

明白というよりは「迷薄」?

(Xでは7つのみ書きましたが)8つ見つけました、以下の通りです。

1 梶栗正義・国際勝共連合会長が安倍さんにアプローチしたから、安倍さん暗殺の“責任”が、海外ではなく日本の梶栗さんらトップにあることが「明白」だそうな。

暗殺の「責任」が、安倍さんにスピーチを依頼した梶栗氏にあることが「明白」なのでしょうか。

2 暗殺犯一家の「家族離散」と「一家崩壊」の直接の原因は家庭連合にあることが「明白」だそうです。

そもそも、暗殺犯のきょうだい2人は私立高校(私立大学も?)を出て普通に育っており、「家族離散」や「一家崩壊」もないのに、、、


3 安倍氏暗殺が行われた現場に、家庭連合信者がいた。まあ信者は日本人の1000人に1人いるから、元首相の演説現場に信者がいることは珍しいことではない。

だから、安倍元首相から応援演説を受けた佐藤啓参議院議員と家庭連合との間に「何らかのやりとり」があったことは「明白」だそうです。

「何らかの」が「明白」ってのはどういうことでしょう、、、


4 まず、安倍元首相と家庭連合との間には「密接な関係性」があったことを前提にしています。

民主党(当時)の鳩山由紀夫さんとか野田佳彦さんの方が家庭連合とは「密接」だったようですが、、(先日の文藝春秋4月号)


そして、その密接な「関係」について、暗殺犯が「確信」をもって暗殺をしたことが「明白」だそうです。

それは暗殺犯にしかわからないことですが、、



5  山上に刑事責任能力があることも(刑事裁判の鑑定終了前から)「明白」だったそうです。
 
鑑定するまでもなかった、そうです。


6  安倍元首相暗殺犯は、信者じゃないから「宗教2世」とは言えない。

 それを認めつつ、(一世信者の子どもだから)「宗教2世」への被害が元になって安倍氏暗殺が起こったことが「明白」だそうです。

 これは意味が分からない。


7 暗殺犯が安倍元首相を「家庭連合シンパ」と思うに至った根拠が、鈴木エイト氏が報じてきた「一連の裏取引」を暗殺犯が「すべて把握」していたことである。それは「明白」だそうです。

暗殺犯が「すべて把握」していたかどうかは、暗殺犯ではないと分からない。鈴木エイト氏はエスパーのようだ。


8 暗殺犯の書いていることから、彼が安倍晋三氏と家庭連合との関係について知ったのは、鈴木エイト氏の記事によることが「ほぼ明白」だそうです。

ここだけ「ほぼ」と弱気にぼかしています。


以上、鈴木エイトさんの「明白」8連発でした。

彼がどういう「ジャーナリスト」であるかのご参考に。

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GMO熊谷正寿さんも『致知』愛読者

2025年03月17日 | 人物
『到知』 2025年4月号

GBO熊谷さんの言葉:

■ 1999年8月27日、36歳の時、日本のIT企業として初めて上場させていただき、その時はスペースがないから1つのデスクに2人で座っていました(笑)。

 …今の大企業も、上場時、1のデスクに2人、、

■ 私は30歳前後の頃にD・カーネギーの『道は開ける』を読んで大変刺激を受けたのですが、そこに書かれていることの本質は自責と他責でした。

 …『道は開ける』は私も読みましたが、そこから「自責と他責」とは受け取らなかった、、、
 いろんな受け取り方があるんですね、熊谷さんは以後は自責マニアになったようです!

■ 私は

 「努力なくして運は掴めず
 感謝なくして運は続かず」

といつも言っています。

 …運云々はともかく、感謝は大事ですね。
 
 本ブログの読者様にはいつも感謝しております!
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鈴木エイトの攻撃化

2025年03月17日 | 人物
2025年3月、立花事件を機に、鈴木エイト氏のテロ擁護・陰謀論が改めて攻撃され、自著に批判が殺到していることから、鈴木エイト氏が我を失ったように攻撃化して先鋭化している。

 後記:Xで「絶対に赦さない」とか「告訴するぞ」的に。

これは記録にとどめておこう。
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ミネベアミツミの貝沼さん

2025年03月16日 | 人物
ミネベアミツミの貝沼さんは、国際弁護士としての先輩でもある。

5年か10年前から着目している。

彼の座右の銘が

情熱は力!
情熱はスピード!!
情熱は未来!!!

子供じみた「!」の連続に、それこそ貝沼さんの情熱を感じる。

彼の情熱が一国の軍隊を実際に動かした。

 ※ 本記事中のエピソード、タイの洪水で

国の軍隊を動かすほどの情熱。

私も負けていられない。

今朝の日経新聞から。
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西田亮介氏の「コメントスクラム」

2025年03月15日 | 人物
西田亮介という学者・教授が、間違ったことを言っているのに、それを正さず、批判者を「コメントスクラム」と攻撃している。

くっだらないんですが、何年か後に思い出したくなるかもなので一応記録しておく。

彼の過ちは、12.5年監禁された後藤徹さんが鈴木エイトに「引きこもり」呼ばわりされ、鈴木エイトを訴えて勝訴した件について、

「原告(中山註:監禁裁判の後藤徹)の行動の自由が違法に制約」されていたことは、名誉毀損被告鈴木エイトの「長年の主張」ではなく、名誉毀損原告の後藤徹さんの「長年の主張」だった

という点。「後藤監禁裁判」(2015年最高裁で終了)とエイト名誉毀損裁判(今も東京高裁で係属中)を取り違えて、原告と被告を間違えたたぐい。


その過ちを指摘されて、悪びれることなく、家庭連合側を「匿名」「コメントスクラム」と非難。

炎上しても「匿名」と「コメントスクラム」呼ばわりで相手を非難し続ける。

「ダニ」「ゴキブリ以下」と家庭連合信者を罵り続ける鈴木エイト氏そっくりじゃないか。

こういう「教授」がいることが驚き。

こういうインテグリティのない人は、もう一生、何をやっても、どんな素晴らしい業績を残しても、私は信頼することはない。

一つの一連の行為が決定的に人間の信頼を失わしめる。

好例を勉強させていただきました。

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吉田茂のユーモアと度胸 ー台風被害の請求書

2025年03月13日 | 人物
吉田茂は私が尊敬する人物の一人。
私は大磯生まれなので、勝手に同郷的な親近感を抱いている。
私の生家では、近所の歴史的な宰相を「吉田さん」と親しみを込めて呼んでいた。

吉田茂の尊敬すべきところは、やっぱり、そのユーモアと度胸。

戦後のGHQとの折衝とか、吉田ドクトリンとか、政治的、地政学的なことはともかく、そのユーモアと度胸はすごい。

以下のような話は、都市伝説かもしれないが、よく聞く話なので、実話として理解したほうが、歴史を学ぶ上でいい。


以下一部抜粋:


スカルノ大統領が対日賠償の請求問題で来た時、吉田は「閣下の来日を待ちかねていました。賠償の支払いは、その原因を作った側にあるとお考えでしょうね」とズバリ言った。

意外な問いかけに、スカルノは面くらい、そして賛意を表し「その通りです。実は今度参りましたのも、その賠償の問題です。はなはだ気の重い仕事ですが、いま閣下の言葉を聞いてホツとしました」

吉田は安心した表情のスカルノにこう言った。

「わが国は神代の昔から、貴国がつくった台風で毎年莫大な損害を、こうむっております。いまその計算をさせておりますので、いずれわかり次第、請求書をお送りしましょう」

スカルノは二の句もつげず引き下がった。

____________

戦後から80年経とうとしている今からすると、「ああ、面白いね」で済ましちゃいそうですが、当時の国際政治状況(日本の軍国主義への批判が強かった)を併せ鑑みると、これはとんでもなく「度胸ある」発言。

首脳同士の、よほどの信頼関係がないと出てこない言葉。

第2次世界大戦におけるインドネシアの死者は、日本の310万人を上回る400万人だそうです。

(正確な数字もないし、誇張の部分もあるかもですが)400万人を殺しておいて(みんな日本軍が殺したわけではないだろうが)、

 戦争の賠償しろだって?
 じゃあこっちは台風被害の請求書送るけどいいよね?

って嘯くことができる吉田茂は、アッパレ!


 
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井筒俊彦

2025年03月12日 | 人物
 
若松英輔さんの、井筒俊彦本を読んでいる。

 
井筒俊彦は、日本で最も誤解された、ないしは理解されていない思想家。

常人には理解できない天才だからかな、、、、 30言語を自由に操った。

私も井筒俊彦は全然読んでいない。難しそうで。

でも、若松英輔さんって、井筒俊彦をかなり読んでいる。

私は若松英輔さんの大ファンで、彼の本をほとんどすべて読んでいるんですが、若松英輔さんの「深さ」は、井筒俊彦に裏打ちされているんだな、と。

遠い知の世界が広がっていることを知り、さらに謙虚になっています。
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