山本七平全集(山本七平ライブラリー)は、学生時代OR20代前半に読んだ。当然、所収の『静かなる細き声』も読んだ。
再読している。
いい一節を再発見した。何度も心の中で拳拳服膺してきたような一節。
もう「愛読書」と呼べる山本七平『静かなる細き声』より、その部分を抜粋:
~~~以下引用~~~
私はまず決心した。
生涯たとえいかなることがあっても、「あの状況ではああ言わざるを得なかった」とか、「私の立場ではこう言わざるを得ない」という言葉は口にすまい。
またそういう言葉を口にするような精神状態には絶対になるまい。その結果、どのような非難が来ようと、罵詈讒謗が来ようと、非常識だと言われようと意に介すまい。
もしそれができないと思ったら、生涯一言も口をきくまい、と。
~~~引用終わり~~~
上記引用文の文脈は割愛しますが、これが山本七平のインテグリティ。
「空気」に屈しない。周りが右向いていても、自分が左が正しいと思ったら、左と言う。忖度しない。ひるまない。媚びない。へつらわない。おもねらない。
こういう一節を身にしみて愛してきたから、25年経って、私がインテグリティ・エバンジェリストとして活動しているし、誰も引き受けない宗教案件を引き受けているんだろう。
若き日の読書が、その一節が、四半世紀後の、私の人生行路に影響を与えている。
____________
私のことは、死後、「山本七平をこよなく愛した男」として覚えてくれれば足りる。
そう言えるくらい、私は山本七平が好きです。