先日紹介した、めちゃいい、尾崎俊介『14歳からの自己啓発』。
そこで、とことんポジティブに生きるっていうポリアンナイズムが紹介されていた。批判的に。
『少女ポリアンナ/パレアナ』などでたくさんの本になっている。
先日の会食で、ある方が、このポリアンナの話題を出していた。
つい最近読んだ本の中身が、突然話題に出てきたので、Cerendipityというか、偶然を感じて、びっくりした。
今後もこのポリアンナイズムが話題になる時に備えて、備忘のために書いておく。
瓜生崇さんが書いていたマルティン・ブーバーを研究しています。
ブーバーが再評価したカバラ主義に基づくユダヤ教のハシディズムって、神との関係とかで、統一原理に似ているっぽい、、
■ マルティン・ブーバー
マルティン・ブーバー(1878–1965)は、オーストリア生まれのユダヤ人思想家・哲学者で、対話哲学とハシディズム研究で知られる。主著『我と汝』では、人間存在を「我―汝」と「我―それ」の二つの関係に分け、他者や神との直接的・全人格的な関係(我―汝)を根本的な生の在り方とした。東欧ユダヤ教神秘主義であるハシディズムを再評価し、その思想や物語を西洋に紹介。宗教と倫理、共同体と教育に強い関心を持ち、パレスチナ移住後はヘブライ大学で教鞭をとり、ユダヤ人とアラブ人の共存にも尽力した。
…ナチスのユダヤ人迫害には勇気を持って対抗したようですね。
■ カバラ主義
カバラ主義は中世ユダヤ教に発展した神秘主義思想で、神の本質や宇宙の構造、人間の役割を象徴的体系で解釈する。中心概念にセフィロト(十の神的属性)やエイン・ソフ(無限の神)を据え、創造や救済を神と人間の協働と見る。
聖書の文字や数に隠された意味を探るゲマトリアなども特徴。神との合一や世界の修復(ティクン)を目指す。
■ ハシディズム
ハシディズムは18世紀東欧ユダヤ社会に生まれた宗教運動で、創始者はバアル・シェム・トーブ。神との直接的な関係、喜びと祈りの重視、霊的指導者(ツァディク)への信頼が特徴。形式的律法よりも信仰体験を重んじ、民衆にも宗教的意義を開いた。
ユダヤ神秘思想(カバラ)の要素を含みつつ、共同体的な生活を重視した。近代合理主義に対抗し、宗教の生きた力を再評価させた運動である。
■ ローゼンツヴァイク
フランツ・ローゼンツヴァイク(1886–1929)は、ドイツのユダヤ系哲学者で、近代ユダヤ思想の革新者の一人。代表作『救いの星』では、神・人間・世界という三者の関係を出発点とし、啓示・創造・救済という宗教的経験を哲学的に体系化した。
彼は抽象的な体系哲学を批判し、具体的で関係的な真理を重視。特に「対話」や「時間性」を軸に、人間の生きた経験と神との出会いを哲学の中心に据えた。
また、マルティン・ブーバーと共にヘブライ語聖書のドイツ語翻訳にも携わり、ユダヤ的精神の再生に尽力した。
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玩物喪志 ではなく 玩書養志。
物を愛して心を喪うのが玩物喪志。携帯でゲームやり過ぎ、など。
その反対が、玩書養志。
私の造語。
蔵書を持つことで、志を養う。
Kindleではだめ。図書館で借りるのではダメ。手元に置いておくことで、志が養える。
致知6月号の、中山理さんと渡部昇一のエピソードにヒントを受けて。
『なぜ人はカルトに惹かれるのかー脱会支援の現場から』 瓜生崇が良かったので、いいところを取り急ぎ抜粋。
総じて、「自分の正しさを疑う勇気」が知性だな、と思いました。
実際、執行草舟によれば、小林秀雄が、「知性は勇気の下僕」とも言った。
■ 岡本浩一著『権威主義の正体』で人生を救われた
■ 入信者とそうでない人の間に明確な違いを見つけることはできなかった。
■ カルトの「ゆでたまご」構造
…冒頭画像
■ 「正しさ」をつかみたい誘惑に私たちはとらわれる。明確で白黒ハッキリした説明に惹かれる。しかし人生で起こることはだいたい複雑に絡み合っていて、こうすれば必ずこうなる、という解決策が存在することは稀である。
■ 「真理への依存」とか「正しさへの依存」がある
■ 人間は「正しさ」を得てブレなくなってしまったときに、最も手に負えなくなる。
■ カルトという問題を考えるときに最も大事なのは、自分が「正しい」と思った道を貫き通すことではなく、立ち止まって考え、しっかりとブレることのできる勇気を持つということである。
…いいですね、「ブレることのできる勇気」。
■ そもそも宗教は、その正邪を判断する基準を宗教そのものの外に持つことができないために、正しさを疑うことが容易ではないのだ。
■ 宗教とは、そもそも人間の正邪の感覚や社会性の基準に縛られないからこそ、「宗教」なのであり、そうでなければ倫理や道徳と大差はない。
■ そしてオウムと私の境界線がないということではなく、その境界線の「ゆらぎ」を認識する。
■ スマホ一台あれば、誰にも知られずいくらでも教団の情報を入手できるのに、それでもしないのは、自分自身がゆらぐ危うい存在である自覚があるのだ。
崖っぷちに立っている人が、怖くて下を覗き込めないのと同じである。
■ じゃあどうしたらいいのか。大事なのは、私たちがちゃんと迷う、ということだ。
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以上です。
とてもよかった。
私もこれから常に、自分の正しさを疑う勇気を持ち続けたい。
今、宗教界で話題の、瓜生崇さんの『なぜ人はカルトに惹かれるのか』で、瓜生さんの人生を変えた一冊が、この岡本教授の『権威主義の正体』。

それが、我々が権威主義に陥らないための、最も有効な手段だと思われる。
後記
拙著『インテグリティ』を書く前に、私は岡本教授の本は全部読んだ。そのうちの一冊。
瓜生さんの人生を変えるとは、どんなことが書いてあったかな、、、と再読。
どんな人間にも権威主義「的」なところがある。
その自分の権威主義的なところから、目を背けない。

それが、我々が権威主義に陥らないための、最も有効な手段だと思われる。
毎週のように接している岡本浩一教授の、「自分が権威主義者ではないと断言する自信がない」という正直で謙虚な述懐から、知性とは何かを考え直しています。
知性とは、自分は正しくないかもしれないと疑う能力なのではないだろうか。
似たようなことは誰かが言っているはずだし、私もこの20年、ブログでこういうことを何度も書いてきたはず。
後記
バートランド・ラッセルが、
「賢い人は自分の信念を疑うが、愚か者は常に確信している。」
“The whole problem with the world is that fools and fanatics are always so certain of themselves, but wiser people so full of doubts.”
とか
"The trouble with the world is that the stupid are cocksure and the intelligent full of doubt."
言っている。
瓜生さんの新刊が話題。
興味あったので、彼が5年前に書いた掲題の本を読みました。
いい。
ここ3年、宗教の仕事をして、宗教の本をおそらく優に100冊以上読んで、一番いい。
正しさの暴走。私がコンプライアンス=正しさ、インテグリティ=美しさと考えてインテグリティ・エバンジェリストとして活動していることにつながる。
自分の心の中の「揺らぎ」が大切。
自分の心の中の「揺らぎ」が大切。
「揺らぎ」に立ち向かう勇気が必要。
自分は正しくないかも知れないと疑う勇気が必要。
「ちゃんと迷う」ことが必要。
「思考停止」ってのは、自分の弱さに蓋をする「逃げ」なんですよね。
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この本で「正しさ」は暴走するって書いてある。
これは中原翔『組織不正はいつも正しい』で批判される企業不祥事と同じ構造。
岡本浩一教授の名著『権威主義の正体』とかを勉強されている瓜生崇氏には好感度大。
「正しさ」「やさしさ」の暴走に疑義を提示する林智裕さんと同じ目線。
以下はほんとうにお勧め‼️
講孟箚記
2025年05月20日 | 本
講孟箚記。こうもうさっき。
孟子が大好きだった吉田松陰が、投獄され、同獄の囚人に孟子を講義した内容。
昔持っていたが見当たらないので再購入。
この講孟箚記を手元に置かねば、歴史好きとは言えないなと思って。
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講談社学術文庫の本だってのはずっと覚えていた。
私の蔵書の中では講談社学術文庫を代表する本です。
先日亡くなった徳岡孝夫の本を読んでいたら、「娘が欲しかった、娘に『るん』という名前をつけたかった」と書いていた。
鷗外の『じいさんばあさん』のヒロインの婆さんの名前が「るん」だから。
漱石『坊っちゃん』の清みたいな、きれいな人格の「るん」。
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聞き覚えがあるなと思ったら、やっぱり、、、
内田樹の愛娘で、内田が男手1人で育てた娘の名前も、「るん」。
こちら(顔写真付き)
内田樹も、鴎外『じいさんばあさん』に惹かれて、娘の名前を名づけた。
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当代一の名文家の徳岡孝夫と、当代一の批評家の内田樹が、ともに、娘の名前にした(かった)「るん」。
鷗外『じいさんばあさん』の訴求力、、、
私も、もう一人娘が生まれたら(もう無理か!)、名前を「るん」にしようと決めた。
以下はChatGPT
『窓ぎわのトットちゃん』の発行部数と記録
• 全世界累計発行部数:2,511万3,862部(2023年9月末時点)
• ギネス世界記録:「最も多く発行された単一著者による自叙伝」として認定された。
・ 中国で「小豆豆(シャオドウドウ)」の愛称で親しまれ、累計発行部数は1,700万部を超えた。
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2500万部ってすごいですね、、 印税すごそう、、、
私も負けてられん。
超オススメ本『14歳からの自己啓発』
✓ 教授が書いただけにレベル高い
✓ これ1冊読めばもう自己啓発本不要
✓ 14歳と言わず50歳の私にも学び多し
✓ 世界の思想史と宗教史が一冊にまとまった感
✓ 私は100-300冊に1冊しか人に勧めませんが、本書はその稀有な一冊
私は多くの本を数時間とか1日で読みますが、本書は3日間くらいかけて、じっくり読みました。
それくらいのてんこ盛りのコンテンツ!
コロナ禍で、尊敬する知人が勧めていた。
買って読んだけど、刺さらなかった。
神が偏在して、人間も神の一部みたいな考えをする?
これを尾崎俊介さんがACIM(A Course in Miracle)系自己啓発本と分類している。
いつか思い出すときのための備忘として。
私は自己啓発本をよく読む。
そんな「現金な」自分を卑下するようなところもありましたが、そんな卑下することもないんだなと思わせてくれる。
スウェーデンボルグ→エマソンのニューソートの流れとか、さすが大学教授、普通のビジネス本著者には書けない学究的な考察が嬉しい。
似たトーンの尾崎さんの『14歳からの自己啓発』もすごくいい。ほとんど同じ内容です。
思い起こせば、私が「自己啓発」という言葉を教わったのは、中3のときに、父から。
中3の夏に野球が終わり、プラプラしているようなときに「それじゃダメだ、自己啓発しなきゃいかん」って言われた。15歳のときだ。
14歳にも「自己啓発」という言葉は染み透るのかもですね。