敗戦後の満州からの引き上げ時、露助(ロシア兵のこと、蔑称だがまだ使われる)にレイプされた日本女性がたくさんいた。
100人は優に超えるだろう。
1000人いるのか。
私がその時その場にいたら、身を挺して「それはやめろ」とは言えなかったと思う。
死ぬのが怖くて。
だから私も、凡百の多くの日本男児と同様に、日本女性がレイプされるのを黙認してスルーして、その女性たちの犠牲の上に、日本に逃げ帰ったんだと思う。
私もその場にいたら「卑怯者」だったのだろう。
悲鳴と、怒号と、嗚咽と、憎悪と、怨讐がない混ぜになった、阿鼻叫喚地獄に、耳を塞ぐ、卑怯者。
そして、私以外の世界中の人間が、そういう「卑怯者」なんだと思う。
みんな偉そうなことを言ってますが、心の中に卑怯者を飼っているんです。
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戦後日本人は、露助に犯された日本女性の犠牲の上に成り立っている。
戦後日本人は、みな「卑怯者」であるという負い目がある。
ってなことを、確か親が似たような目に遭った五木寛之が語っていた。
だから、自分の中の卑怯者をしかと見つめるためにも、このテーマ(満州引き上げ時のロシア兵からの日本女性への暴行)には昔から関心を持ってきた。
でも事案の性質上、当事者が最も語りたくないことだから、「これ」という本がなかった。
子供の本を借りるついでに、見つけたこの本。
まだ読んでませんが、良さげ。
被害となった日本女性のことを思って、心して読みます。