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川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

コンプラを変え,会社を変え,日本を変える!

天下こぞって謗る

2025年08月16日 | 古典・漢籍
西郷南洲のいい言葉。

道を行ふ者は、
天下挙て毀(そし)るも足らざるとせず、
天下挙て誉(ほむ)るも足れりとせざるは、
自ら信ずるの厚きが故也。

西郷南洲遺訓31条


 
天下万民からこぞって謗られても気にしない。
天下万民からこぞって褒められてもよしとしない。

自分を信じろ。

____________

私が家庭連合案件を引き受けたのも、学生時代からこういう言葉が好きだったからかも、、、


 
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志士は溝壑にあるを忘れず

2025年08月16日 | 古典・漢籍
孟子の有名な言葉

志士は溝壑にあるを忘れず。
勇士は其の元を喪ふを忘れず。

(滕文公下首章)

ドブで野垂れ死にする覚悟がないやつは志士ではない。
いつでもどこでも死ねる覚悟をしておけ。

私はそう受け取っている。

知人に孟子の子孫がいて、孟子について考えると、孟子って、キリスト教におけるパウロみたいだよね、って思った。

孔子の考えをより先鋭化した。イエスの考えと存在意義を言語化して熱く伝道したパウロのように。

教祖に会っていないのに教祖より教祖的、みたいな。

志士は溝壑にあるを忘れず。

今日もドブの中から頑張ります。
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人欲を去る

2025年08月16日 | 古典・漢籍
修養、修行、人の道って、結局は「欲を去る」ことなんだよね、だれかが最近言っていたな(最近そんな本を読んだな)と思ってググると、、

「学は、これ人欲を去り天理を存するを学ぶなり。」 

  (『伝習録』上巻112)

と王陽明が言っていた。多久さんのブログ こちら から。

学問ってのは、要するに人欲を去るためだよ、と。天の理があることを知るためだよ、と。

私も人欲をさらに去らんと精進します。
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仏界入り易く 魔界入り難し

2025年08月13日 | 古典・漢籍
『佛界易入 
 魔界難入』

仏界入り易く
魔界入り難し

一休宗純がオリジナル、川端康成が好んで揮毫。こちら
ノーベル賞授賞式でも語ったらしい。

こちら(とてもいい解説)

要するに、「分かりやすい」のが仏界、
「分かりにくい」のが魔界。

何でもかんでも分かりやすさを求めてはいけない。

アイツは悪人だ、オレは善人だ。
そんなクリアカットに言い切れるのか。

どんな人間にも弱さ醜さがあり、どんな人間にもいいところはある。

だからみんなnarrow ridge(狭い稜線)の上を、危なっかしく、不安定に綱渡りしている。

マルティン・ブーバーの言う insecure holiness /  holy insecurity(聖なる不安定)ですね。Narrow ridge が魔界なんです。

____________

この 佛界易入 魔界難入 を書いた川端康成の書をバックにした保田與重郎の写真が、以下の本にあり、この語に興味を持って調べました。

 
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後出師の表

2025年08月11日 | 古典・漢籍
諸葛亮孔明の出師の表は、これを読んで泣かざる者は人でない、とかつて言われた。

私が好きなのは

先帝創業未だ半ばならずして中道に崩殂したもう。
今天下三分し益州疲弊せり、此れ誠に危急存亡の秋なり。
(中略)
庶わくば駑鈍を竭して姦凶を攘除し、漢室を興復して旧都に還さん

でしたが、後出師の表の最後は、以下のいい言葉で締められていると知った。

臣鞠躬(きっきゅう)尽瘁し、死して後巳む。
成敗利鈍に至りては、臣の明の能く逆睹(と)する所に非ず。

 ※ ぎゃくと : あらかじめ見ること

死して後已む、という敢闘精神を謳っているし、
成敗は知ったこっちゃないってのも、かなり陽明学的、、、

陽明学が生まれる前から、諸葛亮孔明は陽明学的であった。

私の世代だと横山光輝の漫画から諸葛亮孔明をイメージしてしまいがちですが、実際の孔明はもっと熱い男でした。
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道は近きにあり

2025年08月02日 | 古典・漢籍
道は邇(ちか)きに在り、
而(しか)るに諸(これ)を遠きに求む、

人の踏み行うべき道は、すぐそばにあるのに、
人はどこか遠いところにあると思ってそれを求めようとする。


これは

Nothing is at last sacred but the integrity of your own mind 
心の中のインテグリティだけが神聖だ

っていうエマソンの言葉とそっくり。

似たような「心中の良心が一番」って言葉は古今東西、たくさんある。

____________

たしかこの孟子から取って「近きより」という私製冊子を刊行していた、弁護士の大先輩の正木ひろしの、そのシンプルなタイトルの命名の妙に、唸っている。


 
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今人にあらず古人にあり

2025年08月02日 | 古典・漢籍
今人にあらず古人にあり。

相手にするのは同時代人ではない、昔の人だ。

西郷隆盛が、維新後に鹿児島に帰っている明治2年の夏、こんな漢詩を詠んだ:

世上の毀誉 軽きこと塵に似たり
眼前百事 偽か真か
追思す  孤島幽囚の楽
今人に在らず古人に在り


私が今、北村透谷と二葉亭四迷とか小島祐馬とか国木田独歩とかにハマっているので、この

今人にあらず古人にあり

ってのが刺さる。

歴史の篩にかけられた人はみな魅力的だ。


 
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藤田東湖 正気の歌(抄)

2025年08月01日 | 古典・漢籍
藤田東湖 正気の歌

暗唱しやすいように3分の1くらいに縮めました。

正大の氣  粹(すい)然として神州に鍾(あつま)まる
秀でては不二の嶽(みね)となり  巍巍として千秋に聳(そび)ゆ
注ぎては大瀛(えい)の水となり  洋洋として八洲を環(めぐ)る 
発しては萬朶の櫻となり  衆芳 與(とも)に儔(たぐ)ひし難し
凝りては百錬の鐵となり 鋭利なること鍪(ぼう)を断つべし
世に汚(お)隆(りゅう)無くんばあらず  正氣時に光を放つ
乃ち知る人亡ぶと雖も  英靈未だ嘗(かつ)て泯(ほろ)びず
⾧(とこしへ)に天地の間に在り  凛然として彜倫(いりん)を敍(じょ)す
嗟(ああ) 予(われ)萬死すと雖も  豈汝と離るるに忍びんや 
屈伸天地に付す  生死又何(いずく)ぞ疑はん

____________

令和の日本に正気の歌を暗唱しているのは私くらいかも、、、
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正気とは浩然之気

2025年08月01日 | 古典・漢籍
幕末に爆流行りした、藤田東湖の「正気(せいき)の歌」。

これを暗唱していない幕末の志士はいなかった。

この「正気」ってのは浩然之気のこと。

だろうなと思ったら、やっぱり、藤田東湖がモデルにした、オリジナルの、文天祥の正気の歌 こちら では、ちゃんと「浩然」って説明しました。



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正気の歌

2025年07月31日 | 古典・漢籍
私が朝焼けが好きなのは天地から浩然の気を受け取れるから。

藤田東湖が幕末に流行らせた「正気の歌」の「正気(せいき)」って、浩然の気を東湖風に解釈したものなんですね。

幕末の志士みたいに正気の歌を暗唱してみようかな、、、

ちなみに正気の歌は、文天祥に始まり、藤田東湖のものが最も有名で、マイナーですが吉田松陰も作っています。
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天定まりて人に勝つ

2025年07月27日 | 古典・漢籍
天定まりて人に勝つ


ウィキに乗るくらい、有名な言葉なんだろうか。

古典が好きな私ですら全然聞かなかったけど、、、

私が無知だったということにしよう。

なお、私は宮崎市定の本でこの言葉を知りました。

 
上のウィキでは、新渡戸稲造の『自警録』でこの言葉が解説されているとある。

間違いではないが、新渡戸自警録で引用されているのは、佐藤一斎の言志耋録で、史記そのものではありませんでした。

佐藤一斎がこの「天定まりて人に勝つ」という史記の概念を言志耋録で解説しており、それを新渡戸稲造が拾っています。

いずれにせよ、天定まりて人に勝つ。

古来、そう信じられており、そう信じる民が、文化文明を発展させてきた。

そう信じる人が一人でも多くなる世の中を目指すこと。それが我々の使命ならん。
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天定まりて人に勝つ

2025年07月26日 | 古典・漢籍
人衆き者は天に勝つ、天定まりてまたよく人を破る。
(人が一時的に天に勝っても、いずれ天が人に勝つ)

という史記の一節を、新渡戸稲造『自警録』で引用しているらしい。

と、桶谷秀昭か、新保祐司あたりが書いていた(一週間前に見つけたけど、一週間に10冊くらいいろいろ読んでいるので覚えていない)。

自宅蔵書から『自警録』を探すのに数日かかって(探し忘れたりして)、「あれ自警録から何を探すんだっけ」って思い出すのに時間かかって(自分のXでつぶやいていた)、いざこの史記の言葉を自警録で紐解いても見つからない、、、

ChatGPTによれば第8章にあるそうだけど、似た言葉はあるけど史記の言葉ではない。

佐藤一斎の言志耋録157条でこの史記の「天定まりて人に勝つ」をしっかり説明している。

罪無くして愆(あやまち・とが)を得る者は非常の人なり。
身、一時に屈して名は後世に伸ぶ。

罪有りて愆を免るる者は奸佞の人なり。
志を一時に得て、名は後世に辱められる。

古に謂う天定まりて人に勝つとは是れなり

史記でも佐藤一斎も新渡戸稲造も触れている、「天定まりて人に勝つ」。

さらに好きになりました。


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天定まりて人を破る

2025年07月26日 | 古典・漢籍
人衆き者は天に勝つ、天定まりてまたよく人を破る。

(史記)

人が一時的に天に勝っても、いずれ天が人に勝つ。

ーーーーーー 

新渡戸稲造が自警録でも引用していたそうです。

論語の名解釈をした宮崎市定が好きだった文句。

Mills of God grind slowly.
神の石臼はゆっくり回る。

元の文は

The mills of God grind slowly, but they grind exceedingly fine
神の臼はゆっくり挽くが、非常に細かく挽く

エンペイリコス(2世紀ギリシャ哲学者)
 …19世紀のワズワース・ロングフェローが有名にした

日本語では「禍福は糾える縄の如し」「天は見ている」に近い。天を信じる、神を信じるということは、この語を信じるということ。

天を信じて我々はやるべきことをやるのみ。

 
 
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人の師となる愚

2025年07月22日 | 古典・漢籍
人の患いは、好んで人の師と為るに在り。 

孟子

____________

センセイ、センセイと呼ばれていい気になってはいけないよ。

矢が飛んでこない、攻撃されない地位で、チヤホヤされてはいけないよ。

私も、20代のころ、英語塾とか司法試験塾とかで、「人に何かを伝える」ことは得意としてきましたが、その道(先生になる道)は忌避してきました。

この孟子の言葉を知っていたからだと思います。

これからも、人の師にならず、孔明にならず、張飛になって、矢面に立って、批判される人生を送ろうと思います。

批判する人生ではなく。

内村鑑三『勝利の生涯』(上巻か下巻か忘れました)に、

批判される者となれ
批判する者となるなかれ

とあります。

 
人の師になって、批判ばかりしている人間にはなりたくない。

常に自分でリスクを取る人間でありたいです。

冒頭の孟子の句は以下の本で思い出しました。


 
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至誠神の如し

2025年07月17日 | 古典・漢籍
至誠神の如し

渋沢栄一に論語を教えた尾形惇忠が、明治になってあの世界遺産の富岡製糸場の初代工場長になって、その工場に掲げていた言葉。

って覚えていたけど、何のことはない、四書五経の『中庸』にある言葉なんですね。

 
シンプルすぎて、いろんな解釈ができる。

こういう言葉は、自分の好き勝手に意味を与えていい。

それが司馬遼太郎の言う「割符」。

私の場合、「とことん心をピュアにすれば、恐れるものはない」みたいな意味かなぁ。

誠実さを突き詰めると、神のような高潔な人物になる、ってことなんでしょう。

至誠神のごとし。

改めて、いい言葉。

 (尾形惇忠が言っただけではなく、中庸に書いてあったと知ると、信頼性が高まる)

拳拳服膺しよう。
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