古稀を過ぎた主夫の独り言日記

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アフリカの想い出

ほうちょういっぽん

2024-08-09 09:54:32 | 主夫のつぶやき
食器洗いをしている時、突然でてきた曲。
昔、むかし『包丁一本晒に巻いて』
こんな歌詞の曲が流行った。
私が小学校3年生の頃かと思う。
かっちゃんという子がいた。
同級生で良く遊びに来た。
タバコ屋の息子だが少し知能に問題があった。
楽しい子だったので良く遊んだ。
特殊学級で2年間、その後も同じクラスだったろうか。
かっちゃんもわたし同様歌が好きだった。
『ほうちょういいぼっ〜ん、たらいにま〜い〜て〜』
気分が良いとこの歌を歌った。
まだ独身だった私の叔父。
『かっちゃん、包丁をどうやってタライに巻くだ?』
『?···』
そしてまた、包丁をタライに巻くのだった。
かっちゃんは優しい子でもあった。
当時、銀玉鉄砲なるものが流行った。
銀色の塗料が塗られている丸い銀玉。
それを撃ち出す鉄砲は黒いプラスチック製。
初めは玉を一発ずつ込めて撃つもの。
それが、玉は一度に入れて棒をいちいち引いて撃つものに変化した。
更に引鉄を引くだけで玉が出るようになった。
私はその鉄砲を持っていなかった。
幼稚園の時から玩具を一切買ってもらわなかったからだ。
お祭りの帰り道、祖父が何でも買ってやると言ってくれた。
それでも、『いらない』それだけだった。
欲しい物は小遣いを貯めて買う。
だから、無駄なものは一切買わない。
そんな変わった子供だった。
子供が集まると銀玉鉄砲ごっこをやった。
私は逃げるだけ。
鉄砲がないので玉を拾いながらにげた。
玉も安かったので拾う子は少なかったのだ。
ある日、かっちゃんが言った。
『連発銃、買ったよ』
見せてくれた。
そして、ズボンのポケットから古い銃を取り出した。
銃身の押し出し棒をいちいち引き出す物。
その引き出し棒も歯で引く。
だから先端の丸い部分の根元は歯型だらけ。
丸い部分も既に傾いていた。
その鉄砲を手のひらに乗せ、私の前に差し出した。
『あげる、もういらないから』
『えっ、いいの』
私は使い古した旧タイプの鉄砲を貰った。
その日以来、私も撃つ側に回った。
もっとも、わたし以外は全員最新型を持っていたが。
私は丸い部分をいちいち手で引いた。
決して歯で引くことはなかった。
連発銃には敵わない。
それでも楽しく遊べる様になった。
遊び終わった後、私は一人、打った以上に銀玉を拾い集めた。


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