今月、松竹座で賑々しく上演されている「ワンピース歌舞伎」でございます。先週末にまいりましたが、本当にすごい人出で、玄関もロビーも客席もワサワサしていて、「松竹座ってこんなに人が入るねんねぇ~」というのがまず最初に思ったことです。歌舞伎のファンと漫画のワンピースのファンと両方がいらっしゃってるんですね。「劇場に来るのは初めて」っぽい人もちらほらいらっしゃって、前のめりになって舞台をご覧になってて、係員の人から注意を受けていらっしゃいました(松竹座は特にうるさいので。ちょっとでも前傾姿勢になると、すぐ飛んできますから)。テレビを見てるって意識なんでしょうね。
ワタシは前回の続きの話になるのかなぁと思っていたら、前回とほぼ同じ内容でした。と言っても、何となく「同じ展開やね」とわかってる程度で、細部は全くわからず、歌舞伎ファンの方たちのツイッターを拝見していると、いろいろと変更点はあったようです。
主人公のルフィが亀ちゃんと右近クンのダブルキャスト、ワキの人たちの方もダブルキャストもあって、4パターンの座組みがありました。さすがに4回も通うほどのファンではないので、とりあえず両方を1回ずつ見ました。新橋演舞場では右近クンのルフィは「麦わらの冒険」ということで、宝塚の新人公演みたいな扱いで、切符代も少しお安く設定してありました。ところが、例の亀ちゃんの事故があって、結局ほぼ全部の公演を右近クンがルフィを勤め、十分一般公演として通用するから、ということで、大阪からダブルキャストになったようです。
と言われても、やはり同じ見るなら亀ちゃんで見たいよなというのが人情っちゅうもんでして、見終わって「同じ2回見るなら、亀ちゃんルフィで2回見て、下村青さんの歌声を聞きたかったな」ってちょっと思ってしまいました。右近クンもいいんですよ。宙乗りでも身体能力の高さを発揮、「若いっていいね」って思いながら見上げておりましたから。たぶん、右近クンはサディちゃんがはまり役と思っているせいもあります。サディちゃん、本当によかったです。
右近クンがルフィのときは、サディちゃんは新悟クンになります。新悟クン、今回のバージョンからの参加です。前回、春猿さんがお勤めだったナミとサンダーソニアもなさっていました。すっと背が高くおきれいなんですが、もひとつ肉感的ではないんですよね。春猿さんももちろん男性なんですが、胸のふくらみとかウエストのくびれとかが結構リアルなんですよね。右近クンも案外“むちっと感”があるんですよね。だからサディちゃんが似合うんだと思います。
タイトルに「スーパー歌舞伎」と入っています。ワタシ、スーパー歌舞伎って、後にも先にも、亀ちゃんの襲名披露の「ヤマトタケル」しか見たことがありません。前回もたぶん同じようなことをなさっていたと思うのですが、今回「あ、これってスーパー歌舞伎やん」ってやっと気がつきました。鈍くてスミマセン。なぜ、こんなことを思ったかと言いますと、見ている最中に、同じ新作歌舞伎の「あらしのよるに」を思い出し、あっちはもっと古典歌舞伎だったなぁって、見た後に「歌舞伎見た感」あったよなぁって。ルフィとハンコックの早替りとか、炎を布で表現するとか、「ヤマトタケル」で見たのを思い出しました。映像を駆使し、音楽も「TETOTE」という主題歌があります。お衣装とかメイクとかは歌舞伎だし、台詞も時々古典みたいになるし、ツケも入るし、歌舞伎の部分もあるんですが。
「TETOTE」は今回はゆずの歌唱です。アルバムにも収録されたそうです。松竹座でも売ってるんですが、幕間に亀ちゃんが宣伝するし、そして今は亀ちゃんのメッセージカードまで入っているそうです。すごい推しです。
松竹株式会社はこの「ワンピース」の成功に気を良くしたのか、8月には演舞場で「NARUTO」が歌舞伎になります。巳之助クンとイケメン隼人クンが主演です。このお二人が「NARUTO」のファンで実現したようなんですが、「ワンピース」もこのお二人が最初から読んでたと聞きました(亀ちゃんが指南を仰いだとプログラムに書いてありました)。歌舞伎の演目を増やすのはいいし、新しいファンを開拓するのもいいんだけど、彼らのお母さん世代のワタシからすると「マンガばっかり読んでたらアカンよ」と言いたい!一応、歌舞伎役者なんだからさぁ、お勉強もしてほしいわけですよ。お勉強したかどうかは将来顔に出るからね。マズイって思って慌てて勉強しても一朝一夕で変わるものではありませんから。浅草歌舞伎の世代よ、頑張れ
2階ロビーのグッズの売り場です。開演5分前のブザーの後、みんなはけてしまったので、撮ってきました。
お客さんがいるときはこんな感じ。飛ぶように売れていました。
グッズのひとつのタンバリン。ファーファータイム、盛り上がります。
劇場の中も外も「ワンピース」です。