おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

壁画修復師

2009-04-30 07:49:18 | 読んだもの
 藤田宜永さんの「壁画修復師」を読みました。

 裏表紙の内容紹介です。
 「フランスの田舎町を渡り歩きながら中世フレスコ画の修復に打ち込む、孤独で風変わりな日本人男性アベ。名も無き人々が胸に秘めた想いに接し、さながら神父(アベ)のように彼らを受け止めるうちに、アベは町に溶け込んでいく。人生の哀歓と男の手仕事の魅力を絡めて描かれた、著者独自の世界が広がる五つの連作短編。」

 お話は淡々と進みますが、読み終わった後、何となくあったかい気持ちになれる本でした。一クセも二クセもある人は登場しますが、いわゆる“悪い人”が出てきません。そのクセのある人も、アベと触れ合ううちに、素直な人になり、収まるところに収まるストーリーでした。

 「壁画修復師」というお仕事があるんですね。初めて知りました。日本にも正倉院の御物を修復している方がいらっしゃるんだから、西洋にそういう職業の人がいるのは当然といえば当然ですが。私のようなガサツな大雑把な人間は、決して就くことのできない仕事です。

 藤田さんはこういう“変わった”仕事の男性を主人公としてよく書いていらっしゃいます。競走馬の走蹄師、紳士服の仕立て屋、華道の花材職人、義肢装具師・・・、いずれもきちんとその道のプロに教えを請いながら書いていらっしゃるので、仕事の場面も他の恋愛の場面に負けず劣らず面白くて、さらにそういう自分が知らない世界についての知識も増え、これも読書の楽しみの一つかと思います。

 私が好きだったのは、競走馬の走蹄師が出てくる「艶紅」という小説で、これは女の人のほうも染織作家でした。どちらの職業もあまり世間に知られているものではなく、取材だけでも大変だったろうなと思います。非常に切ない恋愛小説でした。私の中では、藤田宜永の小説のベスト1です。って、今回読んだ本よりも、こっちに力が入ってしまいましたが・・・。

 
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ハイアットリージェンシー京都

2009-04-29 10:07:33 | その他いろいろ
 
 ハイアットリージェンシー京都は3年前にオープンしました。京都国立博物館のお向かいにあります。以前、京都パークホテルがあったところです。オープンした当初から雑誌などでよく取り上げられていました。京博まではよく行くんですが、なかなか一人でホテルでお茶するっていうのも何だかもったいないような気がして、いつもスルーしていました。今回、やっと入ることができて、念願叶いました。

 
 ウワサに違わず、素敵なホテルでした。THE GRILLからエントランスの方向を撮ってみました。竹を編みこんだ天井や壁、柔らかいブラウンを基調にした色使いが京都っぽくもあり、それでいて外資が考える“JAPAN”っぽくもあり、なかなか雰囲気がありました。土曜のお昼で、パーティがいくつか入っているせいもあったのかもしれませんが、いたるところにホテルの人が立っていました。化粧室の場所を尋ねたら、わざわざその前まで連れて行ってくださったほどです。レストランも、ブッフェ形式にもかかわらず、ホテルの人がたくさんいて、空いているお皿は素早くさげてくれるし、カラトリーはその度に新しいものを持ってきてくれるし、贅沢な“人”の使い方でした。

 そして、その“人”の水準もかなり高いものでした。皆さん、若いんです。でも、きちんと礼儀正しいし、敬語も間違わないし、決して慇懃無礼にならず、かと言ってなれなれしくもなく、程よい距離を保ってくれます。お料理のことを聞いてもすぐに答えてくれるし、10%のサービスチャージの価値はあると思いました。

 なかなか感じよく、しかもお料理もよかったので(お味もお値段も)、ぜひもう一度と思っています。それと、ここは「スパ」のほうも有名で、東京からもここのスパ目当てで来られる方がいらっしゃるそうで、そっちもぜひ!と思っています。

 THE GRILLの写真が残っていたので・・・。
 
 THE GRILLのオープンキッチンです。

 
 キッチンと反対側にあるワインセラー?です。グラスを収納するガラスケースの上はカウンターになっていて、ここでも食事をすることができます。
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THE GRILL  ②

2009-04-28 07:48:49 | 食べたもの
 メインは次の中から選ぶようになっています。
 ・ソーセージとオニオンのオムレツ ほうれん草のスチーム 枝付チェリートマトのグリル フライドポテト
 ・京都日吉ポークのグリルとソーセージ レンズ豆のブレゼ プチオニオン、セージソース
 ・大山地鶏もも肉のソテー ガーリック風味のマッシュドポテト 芽キャベツのブレゼ 赤ワインヴィネガーソース
 ・スズキのグリル 大麦のリゾット レタス サフランソース
 ・ステーキフリット カフェ ド パリバター

 
 私が選んだのはお魚です。肉厚の身はプリプリしていました。レタスの香りがサフランソースの香りと相俟って、私の限りない食欲をさらに刺激してくれました。

 
 
 デザートです。バリブレストとサバランが秀逸でした。バリブレストなんて、あまりに美味しくて、許されるのなら、ホールで食べたかったくらいです。ガトーショコラはディスプレイはステキでしたが、お味はいたってフツーのガトーショコラでした。

 さすがの私も二皿目でギブアップでした。これ以外にもマドレーヌとかゼリーとか、非常に心そそられるものがあったんですが・・・。胃袋が4つある牛がうらやましいと思いました。

 と、言いつつ、残したパンを食べるって、なんだか整合性がとれませんが・・・。と自分でつっこんでおきます。言い訳をするなら、甘いものはもう入らなかったけど、味のないもの、ちょびっと塩気のあるものが「お口直し」に食べたかったんです。そして、食べ始めると、残したら悪いかなぁと思って、完食でした。またまた、「胃の筋トレ」をしてしまいました。トホホです。
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THE GRILL ①

2009-04-27 22:40:26 | 食べたもの
 土曜のランチです。烏丸七条からバスを乗らないといけなかったので、七条近辺でランチできるところということで、以前から一度行きたかった東山七条のハイアットリージェンシー京都に行くことにしました。

 THE GRILLはロビー階にありました。ここでは、週末限定で「THE BRUNCH」というハーフ・ブッフェがあり、さらに土曜日は「レディースデー」で料金を1000円割り引いてくれます。前菜とデザートがブッフェで、メインは5種類のお料理から選べるようになっています。

 まずは、ブッフェの写真から。11時30分のオープンと同時に入ったので、お料理がきれいに並んでいました。写真の撮り甲斐がありました。
 
 
 前菜

 
 
 デザート

 
 コースはスパークリングワインから始まります。もちろんこれも料金に入っています。アルコールがダメな人はソフトドリンクでもOKみたいです。この“泡”の感じがいかにも休日って感じでしょう?

 
 前菜一皿目です。どれもこれも美味しそうだったんですが、デザートが入らなくなると困るので、少々控えめにしました。奥にパンが写っていますが、このパンめちゃめちゃ美味しかったです。結構、大胆に大きく切ってあって、メインをいただいた後残っていたんですが、下げないようにお願いして、デザートの後に「お口直し」でいただきました。

 
 前菜二皿目です。ナントカというパンらしいんですが、クラッカーみたいでばりばりと香ばしくいただきました。
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六道輪廻

2009-04-26 23:58:02 | 観たもの
 京都の東本願寺東山浄苑本堂で上演された「六道輪廻」です。原作は東本願寺法主、大谷暢順師で、上演場所がお墓の本堂、演出が野村萬斎、出演者が野村万作、野村萬斎、麻実れい、若村麻由美、石田幸雄と、非常に興味がそそられる要素が満載で、ワクワクしながら見にまいりました。

 烏丸七条の東本願寺の前の停留所から臨時の市バスに乗り込み、15分くらいで到着です。山の上にあり、山門をくぐってからは、山道の急カーブが続き、周りは鬱蒼とした森で、なかなか期待が高まります。が、バスを降りると、その前は鉄筋コンクリートの建物で、階段を上っていくと、途中の階には納骨仏壇がずらーっと並んだ部屋があり、「こちらです」と案内された場所は完全に“劇場”で、どこが本堂なんだろうか?と不思議で仕方ありませんでした。ただ、建物の中は黒い袈裟をお召しになったお坊さんがウロウロされていて、私たち観客とすれ違うと「よう、お参りです」とお声をかけてくださり、その瞬間だけ「あー、お寺に来ているんだ」と思いました。

 私のお席は2階席で、しかもその一番上でした。↓私の席から舞台を見ました。完全に劇場でしょう?
 

 「本堂で上演」と聞いていたので、寒風吹きすさぶ中、震えながら見ないといけないのかと勝手に想像していたけど、見てのとおり冷暖房完備の近代的な建物の中で、暖房もよく効いていて、あまりに気持ちよくてお芝居の途中で何度か意識を失いかけました。

 かんじんのお芝居ですが、チラシの紹介文です。

 「サンサーラ館(輪廻の館)から解き放たれた登場人物たち。『人間界』には戻れず、人智を超えた世界「六道」を巡り廻る。そこでは、天上界と修羅界との抗争、そして、和解、妖怪と天童の戦い、などが繰り広げられる。『迷い』の中に生きる人間の本質を、佛教、古典芸能、そして、現代劇を交えて幻想的、且つ、雄大に描く刮目の新作舞台劇」

 とあって、なんだか難しそうな、しかめっ面をして見ないといけないように思っていましたが、全然違っていて、終わってからの感想は「何か、ちゃっちいよね」というものでした。難しいことを、下々にわかるようにわざとそうしているのかもしれないけど、結構笑える(失笑も含む)お芝居でした。

 いわゆる“悪者”として、全身黒ずくめの衣装で、お面をつけた人が出てくるんですが、私にはそれは「仮面ライダー」のショッカーにしか見えなくて、その後にも西遊記に出てきそうな牛とも豚とも犬ともつかない想像上の動物の被り物をしていたりして、「???」って感じでした。面白かったけど。

 麻実れいは天上界の長の役なんですが、あのお顔は天女とか女神とかそういうお役は無理っぽくて、もちろんお美しいんですが、その前にショッカーを見たこともあり、何だか“悪者の女ボス”のほうがピッタリのような感じがしました。

 そして、野村万作が登場する場面は、そこだけ狂言仕立てになっていて、台詞も狂言のように「~してござる」とか「いかにも」とかああいう言葉遣いになります。おそらく、これが“古典と現代劇の融合”なんでしょうが、残念ながら融合してなくて、それぞれが勝手に演っているような感じでした。

 ひとつのお芝居というよりも、仏教の「演しもの」でした。それはそれで、めったに見られないものなので、十分楽しみましたが。終わってから「あー、面白かった」って思いましたもの・・・。なかなか貴重な体験でした。

 
 舞台の奥に大きなお仏壇がありました。(写真がブレてて、わかりにくいですが、光輝いている奥にお仏像が鎮座されています) 舞台奥の幕が下ろされて、このお仏壇が現れて、エンディングとなりました。ここでやっと「本堂」で演った意味がありました。このお芝居、あと大阪と東京の普通の劇場でもあるんですが、エンディングどうされるんでしょうか。興味があります。

 
 パンフレットと大谷暢順師の原作本です。チケット購入者には、もれなくついてきました。正直なところ、本はいいので、その分チケ代を下げてほしかったです。って、ばち当たりな発言、失礼しました。
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冷たい雨

2009-04-25 09:45:39 | その他いろいろ
 今日は、京都の山科にある、東本願寺東山浄苑までお芝居を見に行くんですが、生憎の冷たい雨となりました
 
 自分で言うのもナンなんですが、私って結構「晴れ女」で、何か“イベント”があって、前日まで「雨」の予報が出ていても、その日になると「晴れ」、悪くとも「曇り」というパターンが多かったんですが、今日はダメでした。

 出かけるのに、雨って、やっぱりいやです(誰でもかとは思いますが)。まず、足元が雨用の靴しか履けません。そうなるとお洋服もその靴に合わせたものとなり、さらに、濡れても気にならないものとなると、かなり制約を受けてしまいます。通勤なら、どんな格好でもいいんですが、やはり“お出かけ”となると、それなりにおしゃれがしたいのに、思うようにならないというのは、“お洋服に命をかけている”ワタクシとしては、ちとツライものがあります。

 でも、ウダウダ言ってても仕方ないので、がんばって行ってまいります。ただ、京都行きの京阪電車が空いていそうなので、それはちょっとウレシイかもと期待しています。

 
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不二家のショートケーキ

2009-04-23 23:46:11 | 食べたもの
 ペコちゃんの不二家のショートケーキでございます。職場に“差し入れ”としていただきました。

 「何年ぶり?」ってくらい久しぶりに食べたような気がします。このブログでも何回か書いているし、私と同年代の方なら同じ体験をされていると思うんですが、私が小さい頃は、不二家のショートケーキってお誕生日とクリスマスにしか買ってもらえない、超Specialなものでした。それが、いつの頃からか、フランチャイズではない、そこで手作りしているケーキ屋さんができ、さらに“デパ地下グルメ”なるものが登場し、非常に凝った美しいケーキが売られるようになり、不二家でケーキを買うなどという“選択肢”は全くと言っていいほどなくなってしまいました。

 でも、1年に1回くらい、不二家のケーキを食べたいなと思うときがあります。最近食べているケーキよりは絶対美味しくない(決して不味いというわけではありません。他の水準が上がって“相対的に”という意味です。念のため)のはわかっているんだけど、何だか無性に食べてみたくなります。ただ、不二家も例の「事件」以来お店が減り、なかなか食べるチャンスがなく、食べたいと思うだけで、結局食べられないんですが・・・。

 それが、こうやって差し入れてくださる方がいらっしゃって、何だかめちゃ「ラッキー!」と思ってしまいました。ノスタルジーに浸るせいか、なかなか美味しいわ、と思えました。

 ところで、不二家のショートケーキのイチゴなんですが、酸っぱいです。これだけ品種改良が進み、糖度の高いイチゴが出回っているにもかかわらず、です。最初イチゴだけ食べたときは「ケチってる?」と思ったけど、イチゴと生クリームをいっしょにいただくと、お互いの味が引き立ち、ケーキが甘い分、イチゴが酸っぱいほうがいいのかなぁ、と思いました。「不二家=ショートケーキ」のイメージも、伊達ではないんですね。
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たねやの柏餅

2009-04-22 21:05:47 | 食べたもの
 季節感を大切にするわが家でございますので、桜の季節が終われば、次は端午の節句ということで、たねやで柏餅を買ってまいりました。

 
 

 こしあんとみそあんを選べるようになっていましたが、わが家はこしあんです。どうもこのみそあんって苦手です。だって、お菓子は甘いものと相場が決まっており、それにこういう辛い甘いあんこってどうよ、と思うわけです。なので、こんなに季節感を大切にしているわが家なんですが、お正月の「花びら餅」はいただきませんね。お菓子は甘くなくてはいけない!という激しい思い込みのある家族なので・・・。

 たねやのこしあんはかなり晒してあって、あっさりした甘さになっていました。お餅も柔らかく、美味しかったです。
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女形一代 七世瀬川菊之丞伝

2009-04-21 23:20:29 | 読んだもの
 円地文子の「女形一代 七世瀬川菊之丞伝」を読みました。先日読んだ中川右介の「十一代目團十郎と六代目歌右衛門」という本の中で、参考文献として挙げられており、六代目歌右衛門がモデルと言われている小説です。

 1986年に出版された本で、どちらかといえばお地味目の本ですので、当然のことながら絶版で、ネットで探したら東京神田の古本屋さんに在庫がありネット注文OKだったので、お取り寄せしました。本当に便利な世の中です。

 帯に「文化勲章受賞記念」という文字が見えますが、そのせいか、美しい函入りで、本はクロス張り、背表紙には銀色の文字でタイトルと著者名が入っていました。イマドキ、お目にかかれない装丁のような気がしました。(私がハードカバーを買わない人なので、ハードカバーの売り場に行けばあるのかもしれませんが)

 そんなに分厚くなく、中も字が大きく、行間も広く、天地もかなり空白の部分があって、帯に「長編小説」と書いてあるわりには、全然長編ではありませんでした。通勤の往復の時間で読めてしまいました。

 かんじんの内容ですが、なかなか興味深く読みました。中川右介さんが「文化勲章受章者だからここまで書けたんだ」と書いていらしたので、かなりの部分が六代目歌右衛門の真実なんでしょうね。ただ、さすがに円地文子だけあって、同性愛とか隠し子とかそういうスキャンダラスな出来事を書いていても、全然下品になっていませんでした。そういうダーティな面があったとしても、六代目歌右衛門の芸には微塵の影響も与えず、その偉大さがかえって際立ってみえました。

 小説の中には、三島由紀夫と思しき人物も登場しています。沢木紀之という名前で、新進の画家という設定でした。画家ながら、造形美術一般に対して素人離れした才能を持っていて、劇作もでき、菊次郎(菊之丞になる前の名前、歌右衛門のこと)のために芝居も書いています。かなり濃厚な蜜月が続くんですが、結局この恋愛は破局を迎え、沢木はパリの地で心中して自ら命を絶ちます。

 その沢木についての記述なんですが、うまく端折れないので、少し長くなりますが本文をそのまま引用します。

 「沢木さんには彼の言葉で言う『手弱女振(たおやめぶり)』というのがあって作品の中でもそういう面を生かしていました。それが菊次郎の性の転換に失望した後では好んで『益荒男振(ますらおぶり)』を強調するようになって、彼自身男であることを顕示しなければいられなかったようです。ミケランジェロの若きダビデの像や審判のキリストなどに傾倒したのもその後のことで、好んで自分を筋肉質な男に作り変えていこうと努力しました。沢木さんの作品はしかしほんとうは彼のいわゆる『手弱女振』に本領があったので、晩年の『益荒男振』には無理なところがありました。そういう意味でほんとうは『手弱女振』に徹したほうがよりよかったと思われます。」

 これって、フィクションの形はとっていますが、三島以外の何物でもありません。ここだけでなく、沢木(三島)についての記述があちこちに散らばっていて、私は歌右衛門よりもそちらのほうが興味があって、読了した後は、何だか円地文子の「三島論」を読んだような気分でした。大学の先生とか文芸評論家では書けない「三島論」で、本質の本質、周りを全てそぎ落とした最後の芯の部分を上手く言い表していて、「うん、そうそう、そうよね」と思いながら読ませていただきました。
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イスタンブールハネダン ②

2009-04-20 22:36:04 | 食べたもの
 トルコ料理を食べたのはおそらく初めてだと思います。フランス料理、中国料理と並ぶ世界三大料理だそうですが、そのわりにフレンチや中華ほどレストランはありませんよね。私は、元来、こういう“変わった味”が苦手、できるだけ自分が知っている味のものを食べたいほうで、結構恐る恐る行きましたが、案外OKでした。本場のトルコ料理がどういうものか知らないので、ここが本場の味か、あるいは日本人の口にあわせてアレンジしてるのかはわかりませんが、特に突出して変わった味(激辛とか、日本にはない味とか、という味です)はなく、どれもこれも美味しくいただきました。

 
 メニューを開けると、まず「トルコのお勉強」です。昔々に平岩弓枝のトルコを舞台にした小説を読んだ時に、ちょっと行って見たいかもと思ったことがありました。

 
 
 店内の調度品です。もともとトルコのことを全くと言っていいほど知らないので、これらがどれくらい“トルコ”なのかもうひとつピンとこないんですが。

 
 
 
 金曜と土曜の夜は「ベリーダンスショー」があって、その時間に居ればノーチャージで見ることができます。店内には舞台や広場のようなものがなく、一体どこで踊るんだろうかと思っていたら、通路で踊っていました。

 耳にすっと入ってくるメロデョーと調子のとりやすいリズムで、なかなか良かったです。ダンス自体はかなり激しく動くもので(そのせいで写真はブレまくっていますが)、狭い通路だったので、どこかにぶつかったりしないだろうか、とちょっと心配してさしあげました。もちろん、そんなことはなく、ヒョイッ、ヒョイッと避けながら踊っていらっしゃいました。

 ダンサーの女性は、西洋人とも東洋人とも違う顔つきで、彫りの深い別嬪さんでした。非常にスタイルもいいんですが、なぜかわき腹あたりが微妙にぷにゅっとしていて、何だか“親近感”を感じました。

 お料理も美味しく、ベリーダンスも見られて、コスパなかなか高かったです。「異文化」体験させていただきました。
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