おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

片岡千壽 咲くやこの花賞受賞記念の会

2014-08-31 22:55:30 | 観たもの
 昨年「咲くやこの花賞(演劇・舞踊部門)」を受賞された記念に開かれた会です。

 【プログラム】
 第一部 トーク「上方歌舞伎にあこがれて」 ~上方歌舞伎塾入門から現在まで~
     出演:片岡千壽
     司会:亀岡典子(産経新聞文化部編集委員)
 第二部 歌舞伎舞踊「屋敷娘」
     出演:片岡千壽  後見:片岡りき彌
     振付:藤間豊宏

 上方歌舞伎会の公演の翌日にありました。文楽劇場のロビーでずっと切符を売っていて、孝夫さんが舞台の上から宣伝までされていたので、お客さんは大丈夫かしらとちょっと心配していたのですが(私が心配するのもナンなんですが)、行ってみたら満員のお客さんで、周りを見渡すと土日の上方歌舞伎会のロビーでお見かけした方たちが多く、大体皆さん引き続きでお越しって感じでした。

 千壽さん、どんなお姿で登場されるのかと思っていたら、お洋服でした。イマドキの若者の身体にフィットしたスーツで、松十郎さんも千次郎さんもなんですが、淀屋橋のオフィス街でも違和感なく溶け込めるくらい、スーツ姿が板についていました。

 トークは上方芸能に精通していらっしゃる亀岡典子さんの司会ですので、ストレスなく、なめらかにお話が進みます。「なぜ上方歌舞伎塾に入られたのか」から始まり、これまでの舞台の話や失敗談、これからやってみたいお役等々、千壽さんのことはほとんど存じ上げなかったので、興味深くお聞きしました。歌舞伎を見たことがないまま、上方歌舞伎塾に入られたそうで、最初は浴衣も着られない、着てもすぐに着崩れする、正座ができない、とさんざんな塾生だったようですが、それが2年間で何とか舞台に上がれるようにまで成長され、修行を重ね(この間ちょっと端折りますが)現在に至るって感じでした。

 亀岡さんが印象に残っているお役として挙げられたのが「天竺徳兵衛」の銀杏の前。京にんじんさんからコメントをいただいておりますが、2004年11月の松竹座の「天竺徳兵衛」で銀杏の前に抜擢され、その折には玉ちゃんのご指導を受けられたそうです。この月は玉ちゃんが昼の部で「先代萩」の政岡でご出演で、それは見に行きましたが、夜の部は玉ちゃんがご出演ではなかったので見ておりません。惜しいことをしました。

 もうひとつは「伏見の富くじ」の狆の小春ちゃん。これは見ています。私も非常に強烈に印象に残っています。このあたりから千壽さん(当時は千壽郎さん)を意識して見るようになったと思います。

 一通りトークが終って、後半の舞踊になるのですが、拵えに時間がかかるということで、ここで亀岡さんが客席にいらっしゃった師匠の秀太郎さんを舞台にお呼びになりました。秀太郎さんが登場されると、その場の空気も締まるような気がします。それから、時間にしたら何分ぐらいでしょうか、30分は確実に超えていました。1時間近くあったでしょうか、秀太郎さんのワンマンショーでした。上方歌舞伎(←昔はこんな言い方はしなかったそうです。歌舞伎といえば上方しかなかったから)への熱い想いを切々と語ってくださいました。役者はとにかく義太夫、長唄、三味線、鳴り物のお稽古。気持ちや立場を考えて演技しないといけない。「今だったら…」は考えてはいけない。何度でも見たくなるのが歌舞伎。さらに、いろいろな役者さんのお名前が出てきて、テレビなら「ピー音」がしょっちゅう入りそうなぶっちゃけトークで、すっごく面白かったし、大満足でしたが、その前の千壽さんのトークは完全にどこかへ飛んでしまいました。

 現在休止している上方歌舞伎塾については、17年前は秀太郎さんも若かったし、何よりもご自身お暇で時間があったそうで出来たけれど、今は8月以外は毎月どちらかの舞台にお立ちになっているそうで、もう無理みたいにおっしゃっていました。上方歌舞伎塾の卒塾生で歌舞伎役者で残っているのは12名だそうで、この人数ではまだまだ心もとないような気がするので、ぜひ、再開していただきたいですね。それと、上方歌舞伎会のご指導もどうなるのかしらとちょっと思ってしまいます。松嶋屋さんのご兄弟もそれなりのご年齢ですし。我當さんは80歳で足がかなり不自由なようで、公演のご挨拶でも吉太朗クンが介助されていました。翫雀さんでは、演技指導はできても、上方言葉が無理だし、吉弥さんでは荷が重いような気がするのですが。ご兄弟のご子息と言っても、進之介さんと孝太郎さんは東京育ちで言葉が無理で、愛之助さんはあの調子なので(ネット上で「歌舞伎もできるタレント」と揶揄されていましたが)難しそうです。せっかく上方歌舞伎がここまで復活したのに、また下降線っていうのは悲しいですよね。松竹株式会社さま、常務から副社長に昇格された安孫子さま、ヨロシクでございます。

 秀太郎さんのトークが予想外に盛り上がり、千壽さんの舞踊はどうなるのかしら、時間は大丈夫かしらと心配しましたが、「屋敷娘」という踊りは15分ぐらいだったので、そんなに遅くならずに済みました。

 最後に振付の藤間豊宏さんも舞台に上がられ、「大阪締め」でお開きとなりました。

 千壽さんのトーク+舞踊だけでなく、秀太郎さん、松十郎さんと千次郎さんまで登場され(写真まで撮れました!)、とてもステキで面白く、お得感満載の会でした。ご出演された皆様、前日まで上方歌舞伎会の公演でお大変だったのに、お疲れ様でした。
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上方歌舞伎会

2014-08-30 23:48:35 | 観たもの
 改めまして、上方歌舞伎会でございます。当初は、孝夫さんのご挨拶狙いということで千穐楽の夜の部のみを取っていましたが、急遽前日土曜の夜の部も追加、都合2回拝見しました。土曜の分は直前で取ったので、10列目でした。文楽は舞台の上に舞台があるような構造なので、10列目でも見やすかったんですが、歌舞伎はそのままフラットな状態で、さらに座って演技されると、見えない場面が結構あって、少しストレスを感じてしまいました。いっそ18列目ぐらいにしたほうが、段差があって見やすかったかもしれません。というわけで土曜はもひとつノリきれませんでしたが、日曜は最前列中央、ばっちりでした。

 今回の上方歌舞伎会については既にいろいろ出ておりますので、ご承知の方も多いかと思いますが、非常に水準の高い良い舞台でした。孝夫さんがご挨拶で「指導には『アメとムチ』というのがありますが、今日は砂糖をぶっかけてやりたいぐらいです」とおっしゃっていました。ご指導の立場からも非常に満足できる出来だったようです。いつも秀太郎さんのブログを拝見していると、1回目より2回目、2回目より3回目、3回目より4回目と回を追って良くなると書いていらっしゃいましたが、今回土曜の夜に見た時点でかなり高い完成度で、これは日曜の夜が楽しみと思わせていただきました。

 今回の演目は「信州川中島合戦 輝虎配膳の場」と「義経千本桜 下市村椎の木の場・下市村竹藪小金吾討死の場・下市村釣瓶鮓屋の場」でした。ご指導は「輝虎配膳」は我當さんと秀太郎さん、「義経千本桜」は秀太郎さんと孝夫さんです。プログラムには指導補として翫雀さんと吉弥さんのお名前も挙がっており、さらに竹三郎さんもご指導に加われたと秀太郎さんがご挨拶でおっしゃり、上方歌舞伎界が一丸となって取り組んだ公演でした。(配役は上のチラシをご覧くださいませ)

 「輝虎配膳」は東京の歌舞伎座でも今月かかっています。私は拝見していませんが、ロビーで「輝虎はハッシー(橋之助さん)のほうがエエわ」という声が聞こえてきましたが、まあ、キャリアが違いますからね。我當さんの当り役なんだそうですが、台詞を朗々と謳いあげるように言うようで、確かに我當さんにはピッタリと思いました。それでも當吉郎さん、師匠によくお習いになって、堂々としていらっしゃいました。坂東竹朗さんがお勝の役で、東京では扇雀さんがなさったそうですが、お琴を弾きながら台詞を言う場面がありますが、扇雀さんはどうしてもお琴を見てしまいがちで(扇雀さんのブログにありました)、ご自分で音は出していなかったようですが、竹朗さんは全然下を見ないし、ちゃんと弾いていらっしゃいました。上方歌舞伎塾でお琴もしっかりとお稽古なさっていたのでしょうか。歌舞伎の老母役の中でも「三婆」のひとつと言われる越路のお役は千次郎さんでした。千次郎さんもブログをやっていらっしゃって、そこで結構素顔を見ていたので、女形、それも婆の役ってちゃんとそう見えるかしらと心配していましたが、1日目は正直まだ半分半分って感じでしたが、2日目は婆に見えました。品格と強さを求められるお役だそうですが、凛とした佇まいで白髪の鬘も違和感なくご立派でした。26日の「千壽の会」で、秀太郎さんが千次郎さんの越路を「義太夫が入ってないと言えない難しい越路の台詞をあれだけ言えるのは現在の歌舞伎界でそうはいてない」と絶賛されていました。

 「義経千本桜」、孝夫さんの権太でこれまで2回見ていますが、孝夫さんがご出演だとどうしても孝夫さんしか見えないので、他が“お留守”になってしまいがちですが、今回は冷静に細部まで拝見しました。皆さんそれぞれ素晴らしかったのですが、松十郎さんと千壽さんが飛びぬけていました。先日も書きましたが、それぞれの師匠、孝夫さんと秀太郎さんによくお習いになって、このまま本公演でも通用するような出来でした。皆さん、上方の言葉がNativeなのがいいですね。権太は田舎のごろつきなので、上方の言葉と言ってもかなり下品な言葉遣いになりますが、松十郎さん、ポンポンとテンポ良く台詞をおっしゃって、昨年10月の孝夫さんの権太を思い出しました。顔(お化粧)も孝夫さんを意識しているような感じでした。千壽さんも細かいところまで秀太郎さんそっくりでしたね。

 かぶりつきだったので、小声の台詞までしっかり聞き取れて、最後の場面は泣けました。お弟子さんの勉強会って見る側も結構ハラハラドキドキで、なかなかお芝居に感情移入するところまでいかないのですが、今回はしっかりお芝居に入り込めました。

 ちょっと「松十郎さん、エエわぁ」と思っておりまして、終演後のアンケートで「これから取り上げてほしい演目」を書く欄がありましたが、松十郎さんなら何がいいかしらとそれを基準に考えてしまいました。お隣の方が「夏祭」とおっしゃっていたので、私も「夏祭」を書いておきました。松十郎さん、団七がお似合いになりそうです。きっとエビサンよりはお上手ではないかと思うのですが…。

 最後の指導者ご挨拶、もともとはこの素の孝夫さんを見たくて…という、そんな不純な動機もありましたが、もちろんかぶりつきで孝夫さんを拝見できた喜びもございましたが、それよりもとにかく良いお芝居を見せてもらったという満足感でいっぱいで、「みんなよかったね」と何だか親戚のおばちゃんの気分で、秀太郎さんが目を真っ赤にしていらっしゃるのを見たらこちらまでもらい泣きしてしまいました。これからの皆さんのご精進に期待です。

 
 1日目のお弁当、すし萬の茶巾寿司です。
 
 2日目のお弁当、阪急の「和Saiの国」の夏休みのお弁当です。ヘルシー志向にしてみました。
 
 仙太郎の豆大福、おやつにするつもりでしたが、劇場ではお腹がいっぱいだったので家でいただきました。
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松十郎さんと千次郎さん

2014-08-26 23:20:43 | その他いろいろ(歌舞伎)
 土日は上方歌舞伎会、昨日は「片岡千壽の会」で、3日連続で夜のお出かけが続くと、最近真面目な?生活をおくっているせいか、ちと疲労気味でして、上方歌舞伎会も千壽さんもいろいろと書きたいことはあるのですが(実は、7月の松竹座もあります)、小ネタで失礼いたします。

 昨日の千壽さんの会ですが、プログラムでは前半は千壽さんと産経新聞の亀岡典子さんのトーク、後半は歌舞伎舞踊ということになっていましたが、幕間(っていうんでしょうか)に秀太郎さんがご登場され、そのまま秀太郎さんのぶっちゃけトークが炸裂、最後は千壽さんの同期の松十郎さんと千次郎さんまで舞台の上に呼ばれ、行ったほうとしては非常にお得感満載の会となりました。

 で、その松十郎さんと千次郎さん、会が終って下へ降りると玄関のところにいらっしゃったので、そこから大撮影会が始まり、私もついでにちょこっと撮らせていただきました。本当はいっしょに撮った写真もあるのですが、それはちょっと恥ずかしいので、斜めからのお写真を掲載させていただきます。

 松十郎さんは孝夫さん、千次郎さんは我當さんのお弟子さんです。「あぁ、そやね」と何となく納得できませんか。松十郎さんは師匠譲り、お背が高くてかっこいい役者さんです。上方歌舞伎会では「すしや」でいがみの権太をお勤めになりました。本公演でも通用するくらいの出来映えで、秀太郎さんも誉めていらっしゃいました(孝夫さんもとてもお喜びだったそうです)。松十郎さん、ちょっとファンになりました。これから注目していきたいと思います。
 
 

 
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上方歌舞伎会

2014-08-24 23:33:34 | 観たもの
 上方歌舞伎会、初日と楽に行ってまいりました。明日も「千壽の会」へまいりますので、ちょこっと書いておきます。

 皆さんすっかり腕をあげられました。秀太郎さんもブログで「これまでで最も良かった」と書いていらっしゃいますが、本日の最後の指導者からのご挨拶でも、秀太郎さん目が真っ赤で非常に感激、感動されているご様子で、本当に嬉しそうでした。大体、このご挨拶ではどなたかが「お目まだるき…」とおっしゃるんですが、今回はどなたもおっしゃらず、孝夫さんもベタ誉めしたはりました。

 特に「すしや」の権太の松十郎さん、小せん・惟盛の千壽さん、どちらも師匠の当たり役ですが、本当に忠実に、かなりの高レベルで師匠の芸を写したはりました。昨年、孝夫さんが肩の手術・療養に入られる直前の歌舞伎座で見たので、それを思い出しながら、でもちゃんと松十郎さんとして権太は見ました。なかなか感動のラストでした。

 そうそう、孝夫さんがご挨拶のときに、千壽さんの咲くやこの花賞のことに触れられ、明日の「千壽の会」の宣伝までしてあげたはって、千壽さん、後ろで恐縮しまくりって感じでした。ロビーで切符を売ってたんですが、終演後に売れていたようです。(秀太郎さんがご挨拶に来られるようです。)

 孝夫さんが賞のことを「実力もあるけれど運もある」とおっしゃっていて、松十郎さんの演技、今年の「咲くやこの花賞」に十分ふさわしいように思いますが、二年続けて歌舞伎、しかも松嶋屋さんからというのは難しいような気がするので、暗にそのことを指してるのかなぁと思ってしまいました。良いものは良いのだから、受賞していただきたいですね。実行委員の皆様、ヨロシクでございます。
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片岡千壽さん

2014-08-22 23:17:12 | 観たもの
 明日、明後日と国立文楽劇場で「上方歌舞伎会」が開催されます。今年の演目は「信州川中島合戦」の「輝虎配膳の場」、「義経千本桜」の「椎の木」「小金吾討死」「鮓屋」となっています。当初は24日の夜の部だけ拝見するつもりでしたが、秀太郎さんがご自身のブログで「翫雀さん竹三郎さん指導してくれて、上方の役者、一丸となって頑張っています!!!」と書いてあったのを見たら、何だか行かないといけないような気になり、急遽明日の夜の部を追加しました。2日連続で国立文楽劇場に通います。去年までの秀太郎さんのブログによれば、公演は2日間4回しかないけれど、回を追うごとに良くなっていくそうなので、土曜の夜と日曜の夜と見比べたいと思います。

 ちなみに、11時の部の切符は売り切れですが、4時の部は両日とも空きがあるようです。日曜の夜は孝夫さんのご挨拶つきです。

 その「義経千本桜・鮓屋」で弥助実は三位中将惟盛と権太女房小せんをお勤めになる千壽さんのインタビュー記事が産経新聞に載っていましたので、ご紹介いたします。

 千壽さんは一昨年名題に昇進された、記事の中にもありますが、「上方歌舞伎界のホープ」です。だんだんと台詞も多くなってきました。関西の公演ではそこそこのお役もついてきていますが、歌舞伎座ではやはりまだまだ腰元Aみたいなお役が多く、なかなかお目に留まらないかもしれませんが、ぜひ一度チェックなさってくださいませ。

 ※カーソルを記事の上におくと、手の指マークになるので、そこでクリックすると大きな記事になって読みやすくなります。
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東京の大丸

2014-08-21 23:16:06 | 百貨店
 NHKにタレントが1週間、企業に就職し、ガチンコで仕事に挑む「仕事ハッケン伝」という番組があります。レギュラー放送は既に終了しており、昨夜はスペシャル番組ということで、お笑い芸人のパンサーの向井慧さんが、東京駅の大丸のデパ地下に飛び込むという企画をやっていました。この番組、以前に何度か見たことがありますが、最初に見た時は「タレントが1週間で何ができるんやろう?受け入れるほうもいきなりド素人がやってきて困るやろうなぁ。“ヤラセ”とちゃうん?」といろいろ思いましたが、見ているとご出演の皆さんはかなり真面目に取り組んでいらっしゃいます。決しておちゃらけではありませんでした。

 失礼ながらパンサーの向井さんって全然存じ上げず「Who?」状態でしたが、番組のWebsiteを見ると、中高生に絶大な支持を受けるイケメン芸人さんだそうです。その割りに“華”はなかったように感じましたが。中高生と中高年では感じ方が全然違うんでしょうね。

 そんなワタクシですので、昨日も特に見るつもりはなく、NHKのニュースを見てチャンネルをそのままにしていたら、この番組が始まり、知らない男子だったのでチャンネルを変えようかしらと思ったら、舞台は「百貨店」。百貨店愛好家としてはやはりこれは見なければなりますまい!ということで、しっかり拝見しました。見ているととてもワクワクしてきて「あぁ、やっぱり私って百貨店が好きやねんねぇ~」と自分で自分に感心しておりました。

 上京して帰阪するとき、大体、銀座から東京駅へは歩いていくのですが、以前は丸の内の仲通りを通っていましたが、最近は外堀通りを通ることが多く、そうなるとその終点は東京駅の大丸になります。1階の和洋菓子売り場も充実ですが、地下1階のお弁当の売り場がめちゃくちゃ広くなって、半端じゃない品揃えとなっています。昨日の番組でも、向井さんはそのお弁当売り場が受け持ちで、見たことがないお弁当がいっぱい映っていたので、次回の参考にさせていただきたいと思います。

 番組で向井さんに与えられたミッションは、夏の「行楽シーズン」に勝負をかける魅力的な弁当のキャンペーンを企画することでした。ブレーンがついているのかと思いきや、どうもそうではなさそうで、上司のマネージャーから叱咤激励(叱咤が9割9分ぐらい)されながら、企画を作り、部長の前でプレゼンし、売り場の店舗と交渉し、販売当日は自ら店頭に立って呼び込みをされていました。最後はすべて売り切ってメデタシメデタシではなく、売れ残りがありました。テレビに出ている人なら、お客さんも気づきそうに思いますが、全く無視っていうか気づかれていないようでした。大阪だったら、気づいたおばちゃんが絶対に声をかけ、背中をバンバン叩きながら「あんたぁ、テレビ出たはる人やんなぁ。こんなとこで何したはるん?」って言うと思います。

 ところで、東京の大丸って、東京駅にあって通りすがりに入るってお客さんが多いと思いますが(私もそのクチ)、関西だと、梅田の大丸はそれに近い感じですが、それ以外の京都、心斎橋、神戸元町は駅の上、近くではありますが、ターミナルではないので、どちらかというと「大丸に行く」ことを目的に来られるお客さんが多いように思います。京都のお人に以前聞いたところでは、京都の富裕層の方々は大丸へいらっしゃるそうで、そういわれれば、心斎橋も神戸大丸もそういう風にお見受けするお客さんが多いような…。どういうお客さんかというと、こなれたおしゃれをされています。私なんかは、おしゃれをするというと、必死、これ以上伸ばすとアキレス腱が切れるってくらい必死で背伸びしてがんばるので、おしゃれしていても“痛さ”を感じるんですが、富裕層のお客さんは普通の格好なんですがさりげなくおしゃれ、よく見ると上質の素材でカッティングも違うので姿美しく、そして持ち物もブランドブランドしていないけれどブランドものって感じです。こういうのって生まれ持ったセンスっていうのもあるんでしょうね。なかなかそればっかりは一朝一夕で身につくものではありませんからね。毎日の積み重ねっていうのもあるから、たとえユルユルの会社でもおしゃれしていけばいいんでしょうけれど、もひとつモチベーションが上がらず、ついテキトーな格好で行ってしまいます。がんばります。
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今年の永楽館歌舞伎

2014-08-19 23:34:18 | その他いろいろ(歌舞伎)
 永楽館がある出石のジモティpuspitasariさんのTwitterで教えていただきました。今年の永楽館歌舞伎の演目が決定したようです。

 「桂川連理柵 帯屋(かつらがわれんりのしがらみ おびや)」
 「口上」
 「神の鳥(こうのとり)」

 「帯屋」は歌舞伎も文楽も見たことがありません(たぶん…)。本家本元は知らないけれど、パロディは知っています。上方落語に「胴乱の幸助」という演目があり、義太夫の「帯屋の段」をめぐって義太夫を知らない男がとんちんかんな騒動を起こす噺で、枝雀さんが結構やっていらっしゃったと思います。それを何度か聞いています。

 「神の鳥(こうのとり)」は豊岡市がコウノトリのふるさとなので、それにちなんだ新作舞踊っぽいですね。

 出演者は愛之助さんは決定しておりまして、いつものメンバーなら壱太郎さんと吉弥さんは決定かと…。この永楽館歌舞伎が終ると秋の巡業に入りまして、そちらには男女蔵さんが上の三人に加えてご参加されるので、ひょっとしたら男女蔵さん(ダメ蔵くん)が同座なさるかもしれません。ダメ蔵くんが参加されるとなると、「口上」がパワーアップ?炎上?しそうで歌舞伎とはまた別のお楽しみができそうです。

 今年の日程は11月4日(火)~9日(日)まで、千穐楽以外は1日2回公演、全部で11回公演です。チケット代は11000円。9月上旬から前売りが始まります。昨年の「半沢直樹」で一気に有名になった愛之助さん、そのせいで昨年はチケットがあっという間に売り切れましたが、今年はどうでしょうかね?まだまだメディアへの露出は続いているので、やっぱりまた争奪戦になるんでしょうか。今年は平日に休んで行くのが難しそうなので、土曜か日曜、同じ行くなら千穐楽かしらと思っているんですが…。
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常磐津一巴太夫さん 【追記】あり

2014-08-17 23:39:36 | 訃報
 常磐津節浄瑠璃の人間国宝、常磐津一巴太夫(ときわづ・いちはだゆう)さんがお亡くなりになりました。83歳でした。

 今朝はバタバタとして朝刊も読まずに家を出たのですが、外出先でケータイのニュース速報で一巴太夫さんの訃報を知り、びっくりしました。先月の松竹座では昼の部の「女夫狐」、夜の部の「身替座禅」をお元気にお勤めでした。と何だか知ったかぶりして書いていますが、もともと「孝夫さ~ん」「玉ちゃ~ん」のミーハーファン、役者さんばかり見ているクチですので、浄瑠璃の方も鳴物の方もほとんどわからないんですが、一巴太夫さんは登場されると大向こうがかかりますので、お名前とお顔が何とか一致する数少ない浄瑠璃方さんでした。というような状況ですので、当然のことながら常磐津節に対する知識も聞く力もあろうはずがなく、一巴太夫さんの芸を「こうだ!」とちゃんと書けなくて、ひとつの記事としてUPしながら、申し訳ないことでございます。

 文化庁のサイトに掲載されていた一巴太夫さんのプロフィールおよび常磐津節の紹介です。
 明田昭(常磐津一巴太夫)氏は、昭和23年に本格的に修行を始め、同27年に常磐津一巴太夫を名乗り関西を中心に活動し、同53年に歌舞伎座初出演以後関東はじめ全国的に活躍しています。平成7年には常磐津節浄瑠璃の技法に精通し高度に体現していることから保持者に認定され、また一般社団法人関西常磐津協会理事長をつとめ常磐津節の普及・振興、後継者の育成にも尽力しています。
 常磐津節は、三味線音楽の語り物である浄瑠璃の一つで、主として江戸の歌舞伎舞台での出語りを主とする歌舞伎音楽として発達し音楽的に洗練され、さらに歌舞伎や舞踊の舞台を離れて独立した音楽としても演奏されるようになって現在に至っています。

 今回この記事を書くにあたって、一応ヤホーで「常磐津一巴太夫」を検索してみたのですが、一巴太夫さんご本人が教えてくださる常磐津のお教室の案内が引っかかってきまして、ちょっと習ってみたかったかも、って思いました。そういえば、住大夫さんも朝日カルチャーセンターでお教室をお持ちだったんですよね。皆さん、古典芸能を広めるため、親しんでもらうために非常に地道なご努力をなさっていらっしゃるんですね。私もせいぜい劇場に通って微力ながら古典芸能の振興に協力できたらと思います。

 常磐津一巴太夫さんのご冥福をお祈りいたします。

 【追記】
 吉弥さん(美吉屋さん)がご自身のブログで一巴太夫さんへの追悼文を書いていらっしゃいます。常磐津のご指導を受けられ、ごいっしょの舞台に立たれた吉弥さんならではのとてもお心のこもった文章です。一巴太夫さんの誠実で温かいお人柄が伝わってきます。ぜひぜひお読みくださいませ。  
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残暑お見舞い申し上げます

2014-08-16 23:54:54 | その他いろいろ
 お盆休みももう終わりですね。だんだんと日も短くなってきましたし、なんだか物悲しい気分です。

 「残暑お見舞い」としましたが、大阪は例年に比べると温度計で計る「暑さ」はずいぶんとましです。いまのところ、猛暑日も熱帯夜もずいぶんと少なくなっています(これからラストスパートがあるかもしれませんが)。その代わり、っちゃナンですが、湿気が半端なくすごいです。今日は、断続的に雨が降っていましたが、外に出るとまるで「ミストサウナ」のようでした。湿気がべたっと肌にまとわりついてきます。体温超えの猛暑日もキツイですが、この500%ぐらいある湿気もそれだけで身体がふにゃっとなってしまいます。

 雨は心配ですね。あちこちで雨の被害が伝えられています。今日の京都は昼間から大雨だったそうですが、五山送り火は営まれたようです。一番の鑑賞スポットの鴨川河川敷は増水のため立ち入り禁止だと京阪電車の電光掲示板に出ていました。(「大文字焼き」ではありませんので。アナウンサーでも間違っている人がいました)

 関西はまだしばらく雨がちのお天気が続くようです。猛暑の巻き返しもあるかもしれません。どうぞご自愛くださいませ。

 なお、写真は産経新聞のものです。土曜日だったから、行ってもよかったかしらと後で思いましたが。 

 
 
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シネマ歌舞伎「怪談牡丹燈籠」

2014-08-15 23:27:01 | 観たもの
 神戸でシネマ歌舞伎「怪談牡丹燈籠」を見てまいりました。この映画を見るのは2回目です。前回は5年前に見ています。そのときの記事はコチラコチラ。そのときは、とにかく、20年ぶりぐらいに映画館に行ったことに興奮しておりました。そのせいか、あまりちゃんと記憶がなくて、今回見て「え、こんな話やったけ? え、この人でたはったんや」と思うこと数知れず…。我ながら「あれまぁ」って感じでした。

 「因果はめぐる風車」って言うんでしょうか、うまいこと話がつながっているんですね。吉弥さんの「お国」って、孝夫さんの浮気相手という印象しかなかったのですが、お露の継母で、夫を殺して出奔していたんですね。その夫、飯島平左衛門で竹三郎さん、女中お竹で壱太郎さんがご出演とは前回は全く気がつかず、壱太郎さんがまだ高校生ぐらいの時だと思うので、まだまだ女形の演技も固くぎこちないような感じでした。

 愛之助さんと七之助さん(このお二人はちゃんと覚えています)もお若くて、準主役級と言っていいお役なんですが、言葉は悪いですが、あまり存在感を感じられませんでした。存在感があったのは吉之丞さんのお米です。ドンピシャリの幽霊でした。孝夫さんが怖がるのも無理ありません。

 でも、やっぱりこの映画の見所は、孝夫さんと玉ちゃんが幽霊の申し入れを受けるかどうするか相談するところ(押入れに隠れるところ)、玉ちゃんが孝夫さんの浮気をとっちめるところ、それと最後の殺してしまうところでしょうね。このお芝居、登場人物が少ないせいか、孝夫さんと玉ちゃんが二人だけでお芝居なさっている場面が多くて、たぶん、それも「牡丹燈籠が好き」な原因のひとつだと思います。なんともいえない、二人の“イキ”がありますよね。決して白塗りのきれいなお役ではないんですが、そういう飾りがない分、お二人の素の仲良しぶりが際立つと言いましょうか(←って、かなり個人的意見ですが)。最後の殺しの場面って、孝夫さんの完全ではないけれど色悪っぽくってやっぱりこういうのお似合いになりますよね。久しぶりに萌え~でございました。遠路はるばる?神戸まで行った甲斐があったというものです。

 12月にまたアンコール上映があるそうなので、都合をつけてまた見たいと思います。

 
 JR三宮の駅から海側を眺めたところ。左手奥の高い建物に神戸松竹があります。

 
 この神戸国際会館ビルの11階にありました。私なんかは「映画館」というと、その建物全てが映画館というイメージがあるので、映画館がビルの中の「1テナント」っていうのが不思議な感じでした。さんちかから地下でつながっているのですが、その地下には「神戸国際松竹」の看板が一切なくて、エレベータに乗るときも何階を押していいのかわかりませんでした。
 
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