今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

玉川上水を歩く1:久我山〜三鷹

2017年04月30日 | 川歩き

  GWはたいてい天気も良く、新緑が映え、かといってまだ暑くはないのでウォーキングにはベストシーズン。

まずは足ごしらえに、里川歩き。
野川の残りはお預けにして、今回は玉川上水。
玉川上水は江戸時代初期に、多摩川中流の羽村から江戸府内の四谷まで開削された飲料水用の人工河川だが、前近代の工事なので、
無粋なコンクリ堤防などなく、直線的である以外は自然の里川と変わらぬたたずまい。
そもそも私が里川歩きを最初に楽しんだのが、この玉川上水の小平市周辺部分で、そこは以前から川沿いの遊歩道があって、
三鷹から西武線の「玉川上水」まで、幾度か歩いた。


今回は、その三鷹から先の下流部を歩く。
といってもさらに下流の都市部はずっと暗渠なので、その暗渠が始まる地点を起点に三鷹まで歩く。 
その起点は、杉並区・久我山の中央高速道の真下(高井戸IC付近)で、そこに行くには京王井の頭線の「富士見ヶ丘」で降りる。

駅を降りてまずは神田川にかかる月見橋を渡る。
つまり、昨年10月の「神田川を歩く3」 (高井戸〜井の頭)で通過した道と交差するのだ。
このあたりの神田川は川幅が狭く川床もコンクリで印象に残っていない(上の記事でも記述がない)。

ほどなく中央道の下に達して、そこに玉川上水の暗渠の入口があり、そこから直線状の上流に沿って遊歩道が始まる。
ただ、歩道と川の間には当然ながら柵が続き、深い土手には草木が繁茂して川面は見えない。
それでも歩道は日陰だし、道もコンクリでなく自然状態なので、歩くには快適。
杉並区ではこの遊歩道付近の電柱・電線も地中に埋める工事をしていて、完成したら更に景観がよくなる。

三鷹市との境の牟礼橋は交差する車道の工事中で、道の中央にある名物の大ケヤキには近づけなかったのが残念(写真)。


三鷹市に入ると、杉並区のようなきれいな整備ではなくなり、よくも悪くもほったらかし(自然)状になるが、沿道の家は遊歩道側に意識を向けだして、民家をレストランにして、遊歩者を誘っている。
周囲に畑地が現われて、風情が増し、特に若草橋付近は武蔵野的な雑木が並んでいて思わず立ち止まる(私は”武蔵野”の風情が大好き)。

その先には、農家の私設販売所があったので、土がついている筍3本セット(500円)を購入。

ゆるい段丘があるせいか、川はそれなりに蛇行して北上する。
やがて広い公園(神田川の水源である井の頭公園の続き)に入り、
右岸は「小鳥の森」という自然林になる。
自然林に沿った歩道を歩けるのは、都内の川歩きでは滅多にない。
そもそも自然林を持った公園自体が、都内では数少ない。

里川歩きは、川に沿ってひたすら歩くのが基本だが、周囲に寄り道して、地域を堪能することも楽しみのひとつ。

この小鳥の森の奥に、「ジブリ美術館」があるので、寄り道する。
といってもそこは事前申込が必要で、しかもいつも申込が殺到しているから、予約無しでは入れないのはわかっている。
実際、入り口には「本日の入場分は完売」との表示があり、外国人の親子が立ち尽くしていた。

外から眺めるしかない美術館の屋上には、大きな(実物大?)ロボット兵が見える。
私は熱心なジブリファンではないが、宮崎作品の幾つかは好きなので、いつかローソンで予約をしたい。


さて玉川上水に戻る。
万助橋で、公園から出て、川は人工的な直線に戻り、歩道も堅いコンクリとなる。
道脇に「山本有三記念館」があるので、立ち寄る。

記念館は、大正時代の洋館で、氏が家族とともに10年間ほど居住していたもの(写真)。
山本有三といえば「路傍の石」が一番有名だが、実はそれを幼少時に映画館で観た記憶はあるのだが、
主人公が吾一という名だった以外はさっぱり覚えていない。
映画で感動すれば、喜んで原作を読むのだが、映画を観た年齢が幼な過ぎたのが災いして、
いまだ原作を紐解いていない。
氏の作品はずいぶん映画化され、「路傍の石」だけでも4度も映画化された(昭和30年代だけで3度)。 
氏の作品には無縁でも、この洋館(フランク・ロイド・ライトの影響を受けた部分もある)に入る価値はある(300円)。


ここから「風の散歩道」と名のついた道路の中央部分(川の部分)を歩いて三鷹駅に向かう。
途中、むらさき橋で、川を見たら、大きな黄色い鯉が悠然と泳いでいて、
川岸には甲羅の直径が30センチはありそうな大きな亀がいた。
この付近はすっかり街中だが生存に適した環境らしい。 

玉川上水は、 JR中央線の三鷹駅の下をそこだけ暗渠になって斜めにつっきっている。
なので駅の反対側に出て、川が地上に出る所を確認して、今回の終了とした。

ここまでの玉川上水は、川幅が狭く川岸が深いため、遊歩道からはほとんど川を見ることはできなかった。
ただ国指定の史跡になっていることもあって、遊歩道がきちんと続いて、車道を歩くことがないというのも珍しかった。 



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