今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

高尾山薬王院の火渡り祭に参加

2019年03月10日 | 東京周辺

3月の第二日曜は、高尾山薬王院の火渡り祭の日。
この行事、とても有名で(都民で知らない人はいなかろう)、しかも高尾山にはよく行く身ながら、一度も参加しなかった。
今まで、高尾山は軽いハイキングの対象でしかなく、そして真言宗に対して距離感をもっていたためだが、
最近、高尾山を霊山として再認識し、同時に真言宗がぐっと身近になったため、にわかに参加する気になった次第。
そう、真言宗の儀式は”参加することに意義がある”のだ。

うれしいことに開始が13時と遅めなので、都心部に近い自宅からでもゆっくり起床して行ける。
しかも場所は麓の広場なので高尾山口駅から近い。

今回のように山に登らずに訪れる時くらいは、高尾山口で名物の”とろろ蕎麦”を食べたい。
高尾山口は、深大寺に並ぶほどの名物蕎麦店の密集地なのだ。

その中で甲州街道沿いのオリジナリティある土産物屋を併設している日光屋で”山芋天ぷらそば”を食べた。
そしたら粗品として火渡り祭の刻印のあるキーホルダーをくれた。

開始30分前に広場に達する。
まずは300円出して「火渡証」のお守り札を買う(必須ではないが皆買う)と、足ふき用のウエットティッシュ(高尾山温泉提供)を1袋くれた。
この札は長い紐がついていて、首から下げる。

火渡りの行場はすでに見物客に囲まれている。
火渡りに参加する人の行列は、その奥に2列で延びている。
かように見物と参加は別の配置なので、参加の列に加わる。

 13時となり、法螺貝の合奏が響いて、僧侶たちが入ってきた(ベースは修験道なのだ)。
ただし、行列からは遠いし、見物客たちの人垣でよく見えない。
読経が始まり、不動像の前から濃い煙が勢いよく上がる。
着火したわけだ。
やがて、赤い炎が高く舞い上がる。
不浄を焼き尽くす炎だという。
望遠でその写真を撮ったら、炎に顔があり両腕を上げている姿となって燃えているではないか(右写真)。

ただ、これからが長く、1時間半は続く。
行場では、行者たちがいろいろな事をやっているらしいが、
それがまったく見えないわれわれ行列者たちには退屈な1時間半となり、
立ちっぱなしの私はiPadminiを取り出して電子書籍の読書をする。 

やっと行列が動きだした。
すると見物客たちもぞろぞろと行列の後尾に加わってくる。
最初から行列に加わるより、見物→行列の方がよかったか。
なにしろ、火渡りは次々と進むから。

行列が進み、火渡りの行場の手前で、
皆いっせいに靴を脱いで裸足になり、ズボンの裾を上げる。
地面は小石が散乱しているので、足の裏が痛い(これも修行と思って我慢)。
行場内は撮影禁止なので、デジカメのカバーをかぶせ、帽子を取って鞄にしまう。 

2列だった行列が左右に分れ、それぞれの列が火渡りに向う。
行場内では、山伏姿の人たちが「オンバロダヤソワカ」と水天の真言を合唱している。

その真言の合唱が響く中、まず入口で雪に見まがう白い塩が敷かれた所に立って足の裏を浄め、
合図に従って、一人ずつ左右に炎が残っている整地された通路に向って足を運ぶ。
緊張の瞬間だ。
動揺を鎮めるため、自分も「オンバロダヤソワカ」と真言を連呼する。
真言を唱えながら通路の上をスタスタ進む。
足の裏はちっとも熱くない。

歩いた先にまた塩が敷かれており、それを踏み、目の前の不動像に賽銭を入れて合掌する。
出口に向うと、僧侶がいて、言われるままに左肩を向けると、左肩に金色の五鈷杵を当てられ、行場から出る。
出た所で、ウエットティッシュで足を拭き、靴を履く。 

行場内では撮影禁止だが、外からは撮影できるので、iPadに装着できるサーモグラフィで火渡りの現場を撮影した。
温度分布を見ると(右写真)、通路両脇の炎が見える所(画面で白く飛んでいる所)はさすが、150℃以上で計測不能と出た。

そしてその白い部分に挟まれた通路上(+印)は45.9℃だ。
これなら心頭滅却しなくても大丈夫だったな。 


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