阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

世界最大の仏教NGO・台湾の慈済会に学ぶ

2011年05月10日 23時29分18秒 | ボランティア

 このGWは前半は国会および地元活動を行い、中盤は被災地での活動、後半の3日間は台湾に行きました。

 台湾での目的は2つです。ひとつは仏教NGO・慈済会を訪問すること。もうひとつは、1930年代日本の植民地下の台湾において烏山頭ダムの建設と16000キロに及ぶ農業用水路の建設を行い、今も尊敬を集める八田與一(はったよいち)氏の命日に行われた記念公園の開所式に出席することでした。馬英九総統の招待で訪問しましたが、世界中が大きな支援を寄せて下さる中でも圧倒的に大きな額の義援金を寄せて下さった台湾に国会議員として感謝を伝えに行ったことには意義があったと思います。

 慈済会の活動には大きな感銘を受けました。スマトラ沖地震の最大の被災地であったインドネシア・アチェで「慈救村」を建設し、生活再建に大きな成果を挙げていることは現地ではよく知られています。3月の震災直後、この会の日本支部の方々が民主党の震災ボランティア室に来訪されたのですが、アチェで建設した住宅が3700棟にも及び、また、仏教のNGOでありながらイスラム教のモスクを建設するなど、布教ではなく何よりも被災者の生活再建に焦点を絞った活動であることを知って強い関心を持ちました。

 この会と連携することを国際局に提案し、当初はアチェにおける活動の視察を計画していました。しかし、避難所でのヒアリングなど、国内での大切な役割をまずは果たすべきと判断し、アチェへの再訪は取りやめました。岩手県山田町から帰った後、GW最後の3日間は将来の連携の在り方を考えるため、台北に慈済会を訪問することを決めました。

 40年あまり前、ひとりの尼僧が設立した会ですが、現在では世界各地に500万人超の会員を擁する世界最大の仏教NGOになっています。

 私はこの会が運営している大愛テレビ局、リサイクル事業などで会の運営資金を生み出す環境事業拠点、そして病院を訪問しましたが、どの場所も環境に配慮した清冽で温かい雰囲気に包まれ、会の存在が台湾人の方々の価値観やモラルを変えるほど大きな影響力を与えていることを実感しました。

 この会の際立った特徴は、お堂でただ経を唱えるだけが修行ではなく、世の中に分け入って苦難に直面する人々を救うことが大切で、このような善行を行うことが最高の修行との考えが徹底していることです。世界中の被災地で最大規模の支援活動を行い、その財源を環境事業や信者の喜捨、募金活動で賄っています。また、四大志業としての医療事業や、教育事業、人文(文化)事業を展開する一方、国際救援、骨髄バンク、環境保護、地域ボランティア活動を活発に展開しています。

 組織を作ること、とりわけ個人の利益ではなく、社会への貢献意識を高いレベルで共有する組織を作り、発展させることの難しさは私も痛感しています。今回の訪問では本当に多くのことを学ばせて頂きました。

 私は民主党国際局として訪問しましたが、同僚の高邑勉議員が中心になり、福島県第一原発周辺の被災地支援のひとつとして、福島県南相馬市の20~30キロ圏内に市営住宅を「寄付」して頂く方向で慈済会と話し合いを進めています。民主党内の役割をわかりやすく分担し、何よりも被災者の方々にとって良い方向で連携できるように、力を尽くしていきます。 


 写真:大愛テレビ局からインタビューを受ける私。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
機内では、感激しました (木原武久)
2011-05-11 16:28:48
八田与一が台湾の人々の心に築いた飮水思源の感謝の素直な気持ち。
正式な国交なき 台湾に、今回の震災で再び
目覚めた感謝の念。
人の性は善良と信じます。
帰国便で、隣り合わせて、善良で、正しいことを分かりやすく話す坂口先生に、品性ある力強いオーラを、感じ感激 ました。
先生の専門である外交においても、高い徳が人々をひきつけ、不可能を可能にしていただけると確信しております。
日本の第一の朋友¨台湾¨の架け橋をお願いいたします。1Gの49歳から、1Kの47歳の先生へ
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こちらこそ、感激しました (阪口直人)
2011-05-16 00:39:16
木原武久 様

機内では温かいお言葉を頂き、ありがとうございました。

台湾では、日本では想像もできないほどの親日の情と、八田與一の業績への感謝を実感することができ、感激でした。お体に気をつけて、台湾と日本を結ぶ架け橋としてのご活躍をお祈りしています。時々ブログに立ち寄って頂ければ幸いです。
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