阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

内閣不信任案は否決-日本の民主主義は守られたのか?

2011年06月02日 18時54分25秒 | 政治

 先ほど本会議が終わり、内閣不信任案は否決されました。この結果には満足しています。

 しかし、釈然としない思いも残ります。午後1時からの本会議に先立って、衆議院議員を対象にした代議士会があり、私もその会場に向かいました。何が何でも否決しなくてはという決意と願い、しかし、可決への動きが力強さを増していることには危惧を抱いて会場に入りました。しかし菅総理が、冒頭の挨拶で期限を切っての辞任を表明し、鳩山前総理がその「補足」をするという予期せぬ展開には心底驚きました。
 
 内閣不信任案の可決を避け、民主党の分裂を避ける。この期に及んでは、この方法しか残されていなかったのではと思いますが、そもそも野党提出の内閣不信任案に与党が乗るような事態になったことは重く受け止めなくてはなりません。 

 一方、菅総理の英断には感謝したいと思います。しかし、「復興への道筋」を作って辞任するまでは、何よりも被災地の再生、そして日本の再生に集中すべきです。もうポピュリズムは必要ないのですから、誰もが嫌がる役割、でも誰かがやらねばならない役割を果たせば果たすほど、歴史が菅総理を評価すると思います。

 90年代に民主党が生まれ、わずか14年で政権交代を実現したことは素晴らしいサクセスストーリーであり、国民の希望だったと思います。今の民主党議員の中には、立候補する時に自民党からの立候補を検討していた人もいますが、公認を目指す上で数千万から数億円を要求されたという話をよく聞きます。民主党にはそんな話はありません。地盤も看板も、カバンもない候補者が、お金などなくても政治を変える情熱と実現したい政策と専門性があれば、国政の候補者になれる。そんな道を拓いたのが民主党です。だからこそ、今、これほど厳しい状況の中でも、結果を出すとともに、わかりやすい政治、共感できる政治、クリーンな政治を実現しなくてはなりません。

 今回、鳩山前総理が菅総理を説得し、「復興への道筋を作った時点で辞任」のストーリーを作ったこと、それは今日の採決を乗り越える手段ではあっても、民主党らしさからはかけ離れていたと思います。一部の政治家の影響力によって、復興プロセスを途切れさせてはいけないと願う議員もが不信任案に同調し、同様に、不信任案に賛成を唱えていた方々が反対に雪崩を打つ。この流れは、国民の共感や尊敬を得られるものではない。何だか自民党の派閥政治のような後味の悪さが残りました。


 しかし、終わればノーサイドです。一日も早い復興への道筋を作る、そしてもっと国民のために機能する政治をつくる。この使命は今回内閣不信任を目指していた方とも、自民党の方々とも一緒に実行していかなくてはなりません。





 

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2 コメント

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Unknown (ほしの)
2011-06-04 06:14:23
>お金などなくても政治を変える情熱と実現したい政策と専門性があれば、国政の候補者になれる。そんな道を拓いたのが民主党です。

民主党は「お金と政治」をめぐる問題だらけですが、鳩山氏が民主党の党首になれたのも、鳩山氏の財力が魅力だったからで、鳩山氏の政治理念や人格に引き付けられた党員が多いからではないでしょう。

日本人の権利と日本の国益を侵害する危険があるのに、民主党が外国人の地方参政権付与に熱心なのも、外国人組織から資金的にも人的にもサポートを受けてきたので、その組織からの要求に答える必要を感じているからでしょう。

お金のない、無名の人材を国政の場に大量に送り出すことは、実は国家にとってとても危険なことなのですね。

自力でお金を作れる人や、地盤や看板のある人ならば、党が滅茶苦茶をしていたら、党に反旗を翻すことができますが、そうでない人は、党から追放されることを恐れて、容易く党の言いなりになってしまいますから。

民主党が送り出した新人議員で、「政治を変える情熱」があることが分かったのは、横粂議員ただ一人です。
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政治家よ、しっかりしろ (てっちゃん)
2011-06-21 15:47:25
眼の色を変えてがめっていた(と見えた)同じ議員が世論がついてこないと見ると、とたんに方向転換するなどみっともないですね。国民は貴方達の権力闘争に「うんざり」しているのです。自民党に嫌気がさして民主党に投票したのですよ。宗教政党が一隅を見捨てている姿に末法を感じますね。菅さんは曲りなりにも国民の代表者でしょう。あまり悪しざまに言わないで大切にしてくださいよ。それが貴方の務めです。
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