阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

がれきの中、一筋の光が救った命

2011年11月12日 21時29分33秒 | ボランティア

 一昨日朝、メコン5カ国からの研修生との会合に出席している間、私は気が気ではありませんでした。

 私の友人で、トルコ東部で地震の被災者救援にあたっている日本人ボランティア、近内みゆきさんが泊まっていたホテルが余震で崩れ、がれきの中に生き埋めになっているとのニュースに接していたからです。

 近内さんは読売新聞で5年半記者を務めましたが、一生の仕事として国際協力活動に取り組むことを決意。退社して「難民を助ける会」でラオス北部に派遣されることが決まっていました。私が「日本ラオス友好議連」の事務局長を務めていることもあり、挨拶に来てくれたので議員会館で1時間ほど話しました。


 会社を辞めて国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)のボランティアとして現地に赴いた19年前の自分自身の姿とも重なりましたが、彼女は当時の私とは比較にならないほど準備を重ねており、まさに満を持して新しい世界に飛び込む!そんな情熱と清清しさが全身にみなぎっていました。

 ところが、トルコで発生した地震の被災者を救援するため、現地に派遣されることになり、生き生きした活動の様子をメールで報告してくれたばかりでした。

 カンボジアでの活動中に銃撃され、この世を去った中田厚仁さんの姿が頭をよぎり、息をするのも苦しい気持ちでしたが、6時間後に救出され、幸いに大きな怪我もなく元気でいる報道に接し、心から安堵しました。一方、同じく4階に宿泊し、生き埋めになっていた仲間の男性は、帰らぬ人になりました。

 小さな偶然の積み重ねが二人の生死を分けたのだと思います。しかし、がれきの中に埋まった6時間、彼女は小さな偶然を引き寄せるべく、心を強く持ち、機転を利かせ、自分の命を救う可能性を広げていたことがわかってきました。目も鼻も口もがれきの塵で塞がれ、息もできない状況。実際に、同じ状況に遭遇した時、自分自身が同じように対応できるのかと思うと近内さんの勇気、聡明さには感服するばかりです。「この足で難民支援や緊急支援のフィールドを駆け回るんだ。やりたいことが沢山あるのに、こんなことでは死ねない!」本当にそんな思いの強さが奇跡を生み出したのですね。

 がれきの中、活動報告を書いていたパソコンが近くにあり、その光が彼女に希望を与え、様々な機転を生み出す力になったとのことです。希望を失いかけている人にとっての一筋の光。そんな役割、使命を果たしていける人生を目指したからこそ見出した光なのですね。きっと。




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