goo

江戸の誘惑 ボストン美術館所蔵 肉筆浮世絵展

2006-05-27 | ア-トな話し
これはすごい!
あんまり期待しなくて行ったのだが..。
何と言っても、「色」がすごい。元々原色に近い華やかな作品群であるが、一切退色してない。完成した、そのままという新鮮さに圧倒される。
ビゲロー氏が日本で明治時代にコレクションした作品、ボストン美術館に寄贈されたが、10年前まで、整理もされずに、そのままという不幸が、作品にとっては幸いだった。
今回、「肉筆浮世絵展」と謳っている。日頃展覧会で見る浮世絵は、版画(英語でprint)、肉筆画は絵画(英語でpainting)である。
英語で表記すると差が良く分かる。感動に格差が出るのも当たり前。
肉筆画は浮世絵画家が、豪商等の依頼により特別に描いたものなので数は少ない。
どれ位少ないかと言うと、ボストン美術館所蔵の浮世絵の版画は5万5千点。肉筆画は700点、その内の80点が今回、日本に里帰りした。
今回の目玉の一つが、葛飾北斎が「のぼり」に描いた、「朱鍾馗図幟」。布に朱で描いている。すごい。色鮮やかで力強い。残念ながら風ではためく所は見られない。
北斎の 提灯絵二つ(龍虎、龍蛇)がすごい。絵は当然ながらいいのだが、元々提灯だったのを剥がして保存していたのを、元の提灯に今回復元したいうのが素晴らしい。
幟と提灯。作品としては長く残ることが期待出来ない物なのに、北斎が描いたというのも、すごいことですね。それが江戸文化の庶民性なのかな...。
さらに、この展覧会には、プロの画家でない、二人の武家の作品が混じっている。予備知識なしに見て回った私には区別が付きませんでした。聞いたことのない名前だなと思っただけ....。ここにも江戸時代の日本人の素晴らしさを見る事が出来る。
この展覧会、神戸市立博物館は2006.5.28まで。
この後、名古屋、東京に巡回予定。
goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。