goo

欲窮千里目 更上一層楼

2006-01-22 | 言葉のいろいろ
「欲窮千里目 更上一層楼」というのは
円覚寺の足立管長が先日、官邸を訪れた時に、小泉首相に送った額の文字である。

「遠くを見るためには、より高いところに登らなければならない」という人生訓で
首相も大変気に入ったとのこと。

王之渙(おうしかん)という人の、いわゆる五言絶句です。
日本読みは、「千里の目を窮(きわ)めんと欲し、更に上る一層の楼」

原文は次の通りです。この詩の転区と結句を取って来てます。

「登鸛鵲楼」

白日依山尽
黄河入海流

欲窮千里目
更上一層楼

素人の私たちが見ても、白-黄、山-海、千-一 と見事に対句になっています(*他にも対句があります)

詩の意味は次の通りです。

鸛鵲楼に登る
     
太陽が山に沿いながら沈んで行く
眼下の黄河は海の中まで流れて行く
大地の果て千里まで見渡したくて
さらに上の階へと登りゆく
 
鸛鵲というのは、コウノトリのことで、巣があったことから名付けられた。
鸛鵲楼(かんじゃくろう)という建物は、3層の高殿で、2層目で読んだのでしょう。
場所は内陸部なので、海は見えませんが、黄河の屈曲点なのでかなりの急流、
まさに海に、そのまま行きそうな感じだったのでしょう。

中国大陸の壮大な自然を歌っている。
もっと上に上がって見ようというのは、私たちも日頃何気なくやってる行動なので、分かる気がします。
元は、自然の雄大さを歌った詩なのですが、それを人生訓にするのは
後の人の知恵なのか、勝手なのか...。

goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。