情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

小沢民主党幹事長に対する検察審査会の議決(要旨)を批判する

2010-04-28 12:31:47 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 読売新聞に検察審査会の要旨が掲載されていた。こんなもので、起訴相当という判断が可能なのか…。マスメディアの連日の報道に有罪視をすりこまれているとはいえ、ひどすぎる。すこし、批判しておく。

 時間がくれば消去されるので、読売掲載全文を引用する。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100427-OYT1T01024.htm?from=tw


◆引用開始◆
小沢一郎・民主党幹事長に対する東京第5検察審査会の議決の要旨は次の通り(敬称略)。

 被疑者 小沢一郎

 不起訴処分をした検察官 東京地検検事 木村匡良

 議決書の作成を補助した審査補助員 弁護士 米沢敏雄

 2010年2月4日に検察官がした不起訴処分(嫌疑不十分)の当否に関し、当検察審査会は次の通り議決する。

 【議決の趣旨】

 不起訴処分は不当であり、起訴を相当とする。

 【議決の理由】

 第1 被疑事実の要旨

 被疑者は、資金管理団体である陸山会の代表者であるが、真実は陸山会において04年10月に代金合計3億4264万円を支払い、東京都世田谷区深沢所在の土地2筆を取得したのに、

 1 陸山会会計責任者A及びその職務を補佐するBと共謀の上、05年3月ころ、04年分の陸山会の収支報告書に、土地代金の支払いを支出として、土地を資産として、それぞれ記載しないまま総務大臣に提出した。

 2 A及びその職務を補佐するCと共謀の上、06年3月ころ、05年分の陸山会の収支報告書に、土地代金分が過大の4億1525万4243円を事務所費として支出した旨、資産として土地を05年1月7日に取得した旨を、それぞれ虚偽の記入をした上で総務大臣に提出した。

 第2 検察審査会の判断

 1 直接的証拠

 (1)04年分の収支報告書を提出する前に、被疑者に報告・相談等した旨のBの供述

 (2)05年分の収支報告書を提出する前に、被疑者に説明し、了承を得ている旨のCの供述

 2 被疑者は、いずれの年の収支報告書についても、その提出前に確認することなく、担当者において収入も支出もすべて真実ありのまま記載していると信じて、了承していた旨の供述をしているが、きわめて不合理、不自然で信用できない。

(●ヤメ蚊:ここで不合理、不自然の理由が問題となる点に注目)

 3 被疑者が否認していても、以下の状況証拠が認められる。

 (1)被疑者からの4億円を原資として土地を購入した事実を隠蔽(いんぺい)するため、銀行への融資申込書や約束手形に被疑者自らが署名、押印をし、陸山会の定期預金を担保に金利(年額約450万円)を支払ってまで銀行融資を受けている等の執拗(しつよう)な偽装工作をしている。

(●ヤメ蚊:隠蔽するためという偏見がなければ、こんな認定をしていなかっただろう。実際にはさまざまな使用目的のために同時期に借り入れることもありうる)

 (2)土地代金を全額支払っているのに、土地の売り主との間で不動産引渡し完了確認書(04年10月29日完了)や05年度分の固定資産税を陸山会で負担するとの合意書を取り交わしてまで本登記を翌年にずらしている。


(●ヤメ蚊:登記がずれていることは直接、関係ない)

 (3)上記の諸工作は被疑者が多額の資金を有していると周囲に疑われ、マスコミ等に騒がれないための手段と推測される。

(●ヤメ蚊:ここがポイント。審査会は、この憶測ですべてを疑っている。しかし、実際には、冒頭のように、平成17年9月30日の官報に小沢氏個人からの貸付は掲載されている。隠そうとするなら、こういうところに掲載されないような方法をとるのでは?)


 (4)絶対権力者である被疑者に無断で、A、B、Cらが本件のような資金の流れの隠蔽工作等をする必要も理由もない。

(●ヤメ蚊:「絶対的権力者」…。もしそうだとして、だからこそ、任せるところは任せることもあるのでは…。隠ぺいだとの決めつけも…)

 これらを総合すれば、被疑者とA、B、Cらとの共謀を認定することは可能である。

(●ヤメ蚊:総合ではなく、「被疑者が多額の資金を有していると周囲に疑われ、マスコミ等に騒がれないための手段と推測」という予断・偏見に基づく)


 4 更に、共謀に関する諸判例に照らしても、絶大な指揮命令権限を有する被疑者の地位とA、B、Cらの立場や上記の状況証拠を総合考慮すれば、被疑者に共謀共同正犯が成立するとの認定が可能である。

(●ヤメ蚊:「絶大な指揮命令権限」…。具体的に帳簿についてチェックしたかどうかのも問題)

 5 政治資金規正法の趣旨・目的は、政治資金の流れを広く国民に公開し、その是非についての判断を国民に任せ、これによって民主政治の健全な発展に寄与することにある。

 (1)「秘書に任せていた」と言えば、政治家本人の責任は問われなくて良いのか。

(●ヤメ蚊:「言えば」ではなく、事実がどうであるかの問題。情緒的。全体に鳩山のものと比較してほしい。※2)

 (2)近時、「政治家とカネ」にまつわる政治不信が高まっている状況下にもあり、市民目線からは許し難い。

(●ヤメ蚊:申し訳ないが、それなら機密費の問題などいくらでも大きな問題がある。※1)

 6 上記1ないし3のような直接的証拠と状況証拠があって、被疑者の共謀共同正犯の成立が強く推認され、上記5の政治資金規正法の趣旨・目的・世情等に照らして、本件事案については、被疑者を起訴して公開の場(裁判所)で真実の事実関係と責任の所在を明らかにすべきである。これこそが善良な市民としての感覚である。よって、上記趣旨の通り議決する。

(●ヤメ蚊:自らを「善良な市民」と称するのか…)


◆引用終了◆

批判は、文中の●につきるが、問題は、隠そうとしたという勝手な推測だな~。


※1
【野中広務元官房長官は、23日に那覇市内で開かれたフォーラムの基調講演の中で、自身が長官在任中(1998年7月~99年10月)、先例に従い、複数の評論家に内閣官房報償費(機密費)から数百万円を届けていたことを明らかにした。
 野中氏は講演で「言論活動で立派な評論をしている人たちのところに盆暮れ500万円ずつ届けることのむなしさ。秘書に持って行かせるが『ああ、ご苦労』と言って受け取られる」と述べ、機密費からの提供が定期的にあったことを明かした。】
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/ryukyu-20100428-161420/1.htm


※2
http://bit.ly/cfPhZQ


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