情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

グアム議会のジュディス・ガサーツ議員が、普天間機能のテニアンへの移転を予測

2010-04-27 04:40:46 | 有事法制関連
 グアム議会のジュディス・ガサーツ議員(Judith Guthertz)が、最近の沖縄における県外・国外移転運動の高まりを受けて、普天間基地の機能の一部をテニアンに移すことで沖縄県民が受け入れやすい形での県内移転を実現しようとしているのではないかという観測を示したことが報道された。

 報道したのは、パシフィックニューズセンター(http://www.pacificnewscenter.com/)。

 同サイトは、最近はやりのフォロースルーという言葉を使いながら、「Guthertz Believes Japan Will Follow-Through with Agreement」(ガサーツ議員は、日本が日米合意を実行することができる、と確信している)という見出しのもと、次のような記事を掲載した。


Guam - Recent Reports out of Japan have sent mixed messages on where the island nation stands on the military realignment agreement with the United States.
(グアム:日本の報道から、米軍再編に関し、日本がどのような立ち位置にあるかについていくつかのメッセージが読み取れる)

At first reports indicated that Japan had agreed to finally follow through with the plan to move marines to Guam and move Futenma to a new facility in the northern party of Okinawa.
(当初の報道は、日本は日本はグアムへの海兵隊移転と普天間機能の北部沖縄への移転を時実行することを確認したことを示していた)


Then on the heels of a massive anti-Futenma move demonstration Japan's prime minister reported that he was still considering alternatives to the plan that would be released in May.(その後、普天間移転に関する強力な反対運動が盛り上がる中、日本の首相は5月に発表される代替案を検討していると伝えられた)

Senator Judi Guthertz however believes it is all a poitical tactic.(ジュディス・ガサーツ議員は、政治的策略だと信じているという)

"I think there may be some small changes to the original agreement so that the Japanese can save face and say that we got what we wanted but essentially the same agreement I believe will pass and become the guidelines for the U.S. and Japan," said the senator
(「私は、元の合意に少し変更を加えることで日本はメンツを保つとともに一定の成果を上げたということができる。しかし、基本的に元のものと同じような合意が通過し、米国と日本のガイドラインとなるでしょう」と議員は言う)

For Example Guthertz believes the site for Futenma's relocation could be moved to another area of Okinawa that is more acceptable to Japan and they may consider the movement of some marines to Tinian in order to lessen the overall presence of marines in Japan.(ガサーツ議員は、たとえば、普天間はより受け入れやすい沖縄の別の場所に移され、同時に、一部海兵隊をテニアンに移すことで日本における海兵隊を減らすことを考えているのではないかと考えている)

 山口響さんの報告によると、ガサーツ議員は、グアム議会で「グアム軍事増強・国土安全保障委員会」の委員長を務めており、米軍増強によってグアムと米軍/米連邦とが共存共栄を図る「ウィン・ウィン関係」が必要だとする立場をとってきた人物だという。(http://www.peoples-plan.org/jp/ppmagazine/pp49/pp49_yamaguchi.pdf)


 そういう人物がフォロースル―すると予測している。情報に接することができる人物だけに、単なる予測ではなく、一定の情報に基づく見解である可能性が大きい。もちろん、彼女の関心は、グアム移転をいかに実現するかということであり、日本が合意を実行するとは日本がグアム移転の負担金(約61億ドル)をきちんと支払ってくれるということを示している。
 
 彼女が普天間に関心があるのも普天間機能の移転が、グアム移転着手の前提となっているからだ。普天間の移転話が進まないとグアムにも基地景気はやってこない…。

 ところが、上記報告によると、基地誘致賛成派の彼女を含めグアム議会において、射撃場等のための強制的な土地収用に対して、反対決議を挙げたらしい。

 そして、その射撃場の場所として、ガサーツ議員は、アンダーセン空軍基地内にあるタラゲ・ビーチ(Tarague Beach)か、南部の海軍弾薬庫地区内、あるいはテニアン島に設置するよう米軍に求めているという(同上)。

 …う~ん、グアム移転の障害となる射撃場などをテニアンへ設置させることで、スムーズなグアム移転を実現しようという考えだろうか。単なる射撃場だけでなく、沖縄県内に移設する予定だった規模の飛行場まで、しかもそれらが、日本側の負担で設置できるなら、米軍・海兵隊も沖縄における辺野古代替地のオプションとして受け入れやすい。

 問題は、沖縄に残る機能だ。

 「ジャングル戦闘訓練センター(Jungle Warfare Training Center)」のヘリパッドと連動するような形でのキャンプシュワブへのヘリパッド新設が一番考えやすいオプションのように思われる。

現地で確認したが、すでにキャンプシュワブは、普天間機能一部移転を見越して、宿舎の移転作業中で、200メートルくらいのヘリパッドなら設置できる。固定翼機やオスプレーが水平離陸するためには、2000メートル級が必要になるが、ジャングル戦闘訓練センターとのヘリによる往復のためだけなら、200メートルもあれば十分ではないだろうか。そして、それならば、航路次第で、周辺住民への被害は最小限にとどめることができそうだ。

 しかし、高江の反対運動が盛り上がっており、かつ、「やんばる」が観光資源として今後注目を浴びることは間違いないため、将来的に使用を継続することは困難だろう。そのあたりの年限をどう区切るか、ということも考慮しないといけない。

 …微妙な綱引きがありそうだが、海兵隊の定員を日本に残し、名目的な「抑止力」を維持することで、実際には、その機能のほとんどをグアム、テニアンに移転することになる可能性はかなり高くなってきたのではないでしょうか。

 
 
 
※画像→http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-143866-storytopic-1.html




【ツイッターアカウント】yamebun

【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。


最新の画像もっと見る