情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

増田好平防衛事務次官は分限・懲戒処分するしかない~懲戒申立のご説明!

2008-02-29 00:19:27 | 有事法制関連
 NHKによると、【増田次官は「当日の正午から大臣室に航海長を呼び、石破防衛大臣やわたし、統合幕僚長ら幹部10人程度で事情を聞いた」と説明したうえで、その内容について「正式な議事録はとっていない。メモをとっていたかどうかもわからないし、少なくとも自分はとっていない。どんな内容だったか覚えていない」と述べました】という。この点について、軍事問題研究会がMLでのニュース解説で、この増田発言は分限処分の対象となると指摘した。私もそう思う。市民は、このようなうそを仕方ないで済ませるのではなく、うそをついた責任をきちんととらせるよう声を上げましょう!

 まず、増田が本当のことを言っているとしよう。その場合、自衛隊法第42条は「隊員は、懲戒処分による場合及び次の各号の一に該当する場合を除き、その意に反して、降任され、又は免職されることがない」と定めたうえ、分限処分の対象として、次のように定めている。

 1 勤務成績がよくない場合
 2 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
 3 前二号に規定する場合のほか、その職務に必要な適格性を欠く場合
 4 組織、編成若しくは定員の改廃又は予算の減少により、廃職又は過員を生じた場合

 このうち、3号について、「隊員の分限、服務等に関する訓令」(昭和30年防衛庁訓令第59号。※1)で、本人の意に反する降任又は免職について「自衛隊法第42条第3号の場合の認定は、適格性を判断するに足りると認められる事実に基づいて行なうものとする」と定めている。

「どんな内容だったか覚えていない」という発言は、この事情聴取が市民の生命に関わる重大事故に関して、わざわざ関係者を事故現場から呼び戻して行ったきわめて重大な聴取であることから、「適格性を判断するに足りると認められる事実」に該当しするはずだ。つまり、このようなことすら記憶できない者は防衛事務次官など務まるはずがない。したがって、石破大臣はすぐに事務次官に対して分限処分を行うべきだ。

 次に、増田事務次官が、本当は事情聴取の内容を覚えているにもかかわらず、記者会見でウソを言ったとしよう。どちらかと言えば(笑)、こちらの方が可能性が大きい。この場合、増田事務次官は懲戒処分の対象となる。

 自衛隊法第46条は「隊員たるにふさわしくない行為のあつた場合」(2項)には懲戒処分の対象となることを定めている。記者会見の席で公然とマスメディアとその背後にいる国民を欺く発言は、「隊員たるにふさわしくない行為」に該当することは言うまでもない。したがって、懲戒処分として、免職、降任、停職、減給又は戒告の処分が下されなければならないのだ。

 そして、重大なポイントは、自衛隊法施行規則(※2)第68条が、「何人も、隊員に規律違反の疑があると認めるときは、その隊員の官職、氏名及び規律違反の事実を記載した申立書に証拠を添えて懲戒権者に申立をすることができる」と定めていることだ。

 自衛隊法は第58条で、「隊員は、常に品位を重んじ、いやしくも隊員としての信用を傷つけ、又は自衛隊の威信を損するような行為をしてはならない。」と定めている。増田事務次官がうそをついたとしたら、これはもう、自衛隊の威信を損するような行為であり、規律違反というほかない。

 そこで、増田事務官に対しては、懲戒申立ができる。

 そして、この申立をした場合、同施行規則によって、「懲戒権者は、隊員に規律違反の疑があると認めるとき、又は前条の申立を受けたときは、直ちに部下の隊員に命じ、又は特に必要がある場合は他の適当な隊員に委嘱して規律違反の事実を調査しなければならない」うえ(69条)、「懲戒権者は、当該事案につき懲戒処分を行うべきでないと決定したときは、被審理者及び申立人にその旨を通知するものとする」(77条3項)とされている。したがって、少なくとも、事務次官の発言が真実かは、この申立をすれば明らかになる。

 橋下弁護士は、光市弁護団の事件について、懲戒請求をするよう市民に呼びかけた。それに従い、私は、増田事務次官に対して、懲戒申立をすることを呼びかけたい。もちろん、橋下弁護士と違い、私は自分でも懲戒申立をするつもりだ。しかも、いきなり懲戒を申し立てるのではなく、防衛大臣に対し、増田事務次官の発言について確認をし、それでもやはり、発言が懲戒に当たると判断した場合に、懲戒申立をすることにしたい。皆さんも、この制度について十分に検討してほしい。

※1:http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/a_fd/1955/ax19550903_00059_000.pdf
※2:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S29/S29F03101000040.html










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1月17日にはNPJ/PEOPLE’S PRESS設立記念集会を開催し、多くの方に来場いただきました。ありがとうございました。近く、生中継していただいたアワープラネットTVでオンデマンド放送される予定です(http://www.ourplanet-tv.org/whats/2008/20080117_17.html)。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
武装解除 (imacoco)
2008-02-29 20:37:35
自衛隊の武装解除を是非とも成し遂げなければならないと確信します。

大変困難な道のりでしょうけど、これをやらないと、そのうちに必ず、軍事クーデターが起きます!
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首切りで済ませてはダメ!! (sakura)
2008-03-01 02:05:11
首を切るのと同時進行で、防衛省格下げ、縮小を訴えて欲しいです。。

今まで、守谷の時もそうでしたが、なんだかうやむやで、終わっている気が致します。

叩くのは、チャンスが必要で、「魚のお兄ちゃん親子」はその機会を与えてくれた気が致します。

人の命は、決して無駄にしてはいけないと思うのです。
是非この機会に人間を人間とも思わない自衛隊は、
弱小化していただきたい!!!
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満州某重大事件と言えば有名な… (田仁)
2008-03-01 13:40:07
張作霖爆殺の事ですが、アレは軍人出身の、時の汚職首相・田中義一でさえ「左寄り」と見た関東軍の、政府を右に引っ張る為の「暴走」だったです。
何か、沖縄の米兵暴行事件で犯人釈放が「金曜夜8時過ぎ」って、アカラサマな「親告罪の悪用」が背景にアリアリと伺える「マスコミ対策な時間帯」なモノで、陰謀論も言いたくなるんですけど…。
「あたご」の方もねぇ、こんな凄く怖い説が出て来てしまいまして。
反米嫌日戦線「狼」(腹破裂)
http://anarchist.seesaa.net/article/87595957.html#more
要は、スクリューで2度(前後して)轢いてしまい、直後の捜索も何も、緘口令で未だ「あたご」乗員は全員足止め、その上隠蔽の為ならアリとアラユル姑息な手段を厭わない気であると。
コレほど血も涙も無い非人間的な自己保身も無いと思いますけど、三浦再逮捕や沖縄暴行米兵不起訴と時系列で相前後してるので、背後にキャンプ座間のUEX(Unit of employment)の黒々とした闇がありそうに見えて仕方がないです…。
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