情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

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動燃が隠したかったもんじゅナトリウム漏れ2時ビデオ公開!~そしてある職員の死第2弾

2008-01-25 08:43:52 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
「いずれにせよ、理事長が正直であることが第一であり、決して隠すことのない様に言われていましたが、私も同感であります。
しかし、今回のプレス発表という大事な局面で私の勘違いから理事長や役職員に多大な迷惑、むしろ『本当のウソ』といった体質論に発展させかねない事態を引き起こす恐れを生じさせてしまったことは理事長はじめ全社一丸となって信頼の回復に努めていこうとする出鼻をくじく結果となり、重くその責任を感じているところです」という遺書を残して自殺した西村成生さん(Nishimura Shigeo)の遺族が旧動燃を相手に起こした訴訟について、一度、紹介しました(※1)。

この事件は、もんじゅのナトリウム漏れ事故について、運営している旧動燃が事故の様子を撮影したビデオ(2時ビデオ、16時ビデオ)を隠したり、偽造したことについて調査したチームのサブキャップであった西村さんが釈明記者会見で虚偽発表をせざるを得ず、その責任をとる形で自殺したというもの。遺族は、旧動燃が自殺に追い込んだとして安全配慮義務違反を問うている。

先日、この訴訟の口頭弁論が行われたが、西村さん側から大きな事実二つが主張された。

第1に、旧動燃が嘘をつき続けなければならなくなった2時ビデオの実態だ。このビデオは、NPJ(http://www.news-pj.net/)の動画ニュース(http://www.news-pj.net/npj/mv/index.html)で配信されているが、法廷ではプロジェクターを使って上映されたため、切迫した事故直後の雰囲気が伝わった。ナトリウムが漏れて小さな山のようにたまっている様子もはっきり撮影されており、これでは、旧動燃が隠したいと思うのも仕方ないと思えた。








 これが隠されたことによって、動燃は、2時は窓から覗いただけで入室していないと答えたり、14時間後の16時に撮影したビデオについて編集して公開したりするなど、次から次へと嘘をつかざるを得なくなった。その嘘が外側から剥がれることによって、もんじゅ廃炉の声が高まった。先日の法廷での上映はその嘘の核となったビデオ、動燃が隠さざるを得なかったビデオの実態を伝えた。これは本来、大画面で見るべきものだが、ぜひ、NPJ動画ニュースで見てほしい。

第2に、西村さんが発表した虚偽の事実とは、調査の結果、2時ビデオが実はその日のうちに本社に持ち込まれていたことが分かったが、いつそれが分かったかということに関するものだった。事故が起きたのは、平成7年12月8日、ビデオが撮影されたのはそれから6時間後の9日午前2時、ダビングされたビデオが本社に持ち込まれたのがその日の午後9時半。居合わせた社員はこれを視聴している。

このことが明らかになったのは、その月の25日(この日、理事長にも報告されている)、ところが直ちには発表されず、発表されたのは翌月の12日、それも科技庁長官が2時ビデオが本社に持ち込まれていたようだと記者会見で発表したためにあわててセッティングした会見だった。広報担当が行った最初の会見では、事実関係についてほとんど分からないとしか応えられなかった。このため、理事長会見がセッティングされたが、ここでも総論のみ。そこで、3回目の会見が午後9時前にセッティングされ、西村さんが答えることになった。

ここで、西村さんは2時ビデオが本社に持ち込まれていたことが分かったのは、12月25日だと答える予定だったが、なぜか、1月10日だと答えてしまった。直前の理事長会見で、理事長が自分に報告があったのは1月11日夕方だと回答したことを受けて急きょ差し替えられたのだと思われる。

悲劇は、この本来答える予定だったメモ、12月25日に発覚していたというメモが旧動燃から科技庁にFAXされていたことだった。二つめのポイントとはこのことだ。

 科技庁には西村さんが虚偽発表したことがばれていたのだ!

 翌日になれば、科技庁は西村さんの発表が事実は違うことについて釈明をしてくるはずだった。いや、もしかしたら、記者会見直後には科技庁から動燃へ問い合わせが入っていたのかもしれない。

 いずれにせよ、科技庁に詰められたら、西村さんはなぜ虚偽発表したのか、だれの指示だったのか、説明しなければならない事態に追い込まれる。

 そこで、西村さんは、自分で自分の口をふさぐしかなくなったのだろう。冒頭の遺書のようにすべてを自分のミスという形にして自殺した。

 しかし、西村さんの責任ではないはずだ。西村さんは、12月25日に本社内で2時ビデオが隠されたことを知った当初から、早くその事実を公開するべきだと主張してきた人である。勘違いで「1月10日」と発表するはずがない。

 会見が終わった後の報告の場で、科技庁に12月25日に発覚した旨の発表をする予定だった旨のメモがファックスされていたことは話題になったはずだ。そして、西村さんには、翌日、もんじゅで2時ビデオについて説明する任務が与えられた。その場にいた全員が、西村さんがの苦悩と、西村さんに残された選択は死ぬことだと理解したはずだ。

 本来、動燃は、科技庁にばれたことが分かったら直ちに訂正会見し、西村さんが一人で重荷を背負わないで済むようにするべきだった。責任をとるべきは、理事長ら経営陣だった。

 西村さんの遺品から動燃から科技庁にファックスされたメモが見つかっている。西村さんは、このメモの調査チームによって2時ビデオの本社持ち込みが発覚した日付に関する項目にかかれた「12/25(月)である」の文字をぐるぐると塗りつぶし、横に10日頃と付け加えている。



 自分の発表と科技庁への報告が違うことが分かり、どうしてよいか分からずぐるぐると印をつけたのだろう。それとも、もしかしたら、死ぬ直前に、25日と発表させられたことの不合理さを噛みしめつつ、ぐるぐると印をつけたのかもしれない。

 いずれにせよ、この25日にぐるぐると印をつけたときの西村さんの気持ちを考えると、たまらなくなってくる。 

 西村さんの死を無駄にしないためには、動燃の、そして、日本の核燃料行政の透明度を高めるしかないはずだ。

 もんじゅはまもなく再開されようとしている。果たして西村さんを死に追いやった隠蔽体質は改善されているのか。少なくとも西村さんの裁判ですべてを明らかにして反省しようとする姿勢はまったく感じられない…。西村さんは命をかけて、ある意味、もんじゅを救ったが、西村さんは自分のような犠牲者が続くことは望んでいないはずだ。
 
西村さんを安らかに眠らせてあげることができるのは、真相を知っている、動燃職員の告発だけかもしれない。

  
※1:http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/776cd432d9814748463226c45224075f






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