情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

グリーンピース鯨肉調査事件がきっかけで、倫理審査会が水産庁役人の調査を開始!

2009-04-16 05:23:52 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 読売新聞によると、グリーンピースのメンバーが船員によって横領されたと思われる鯨肉を確保し、告発したことがきっかけで、調査捕鯨を請け負っている共同船舶が捕鯨船団に同行していた水産庁の漁業監督官に6万円相当の鯨肉をお土産としてプレゼントしていたことが発覚し、国家公務員倫理審査会が調査を開始したという(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090415-00000427-yom-soci)。

 【調査捕鯨を行っている船会社「共同船舶」や同庁によると、2007年11月~08年4月の南極海での調査に同行した漁業監督官に対し、帰国後に他の乗組員と同じ約9・6キロ(約6万円相当)のクジラ肉が渡されていたという。監督官は同庁と相談のうえ、「無用な疑いを避けるため」として全量を返却したが、共同船舶側が「監督官にクジラ肉を渡すことは船内の習慣として長年行ってきており、中には返却せずに受け取った人もいた」としていることから、調査が行われることになった】らしい(同紙)。

 う~ん、9.6キロって、何日分?冷蔵庫で保管してすぐに食べてしまうような量ではないよね。かといって、普通の家庭なら、冷凍庫に入るだろうか?それってお土産の範囲といえるのかな~。


 そもそも、【調査捕鯨は、財団法人・日本鯨類研究所(鯨研)が実施主体で、共同船舶は鯨研と契約して船や乗組員を提供している。また、漁業監督官は捕鯨船団に同行して、調査計画通りに捕鯨が行われるか監視する役目を負っている】という。

 しかし、冒頭のニュースの画像(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/0e1e8968774393af5f5e767b3ecc6742 でも引用)から明らかなように当初鯨研の担当者は、 お土産ではなく、個人が買ったものと言っていた。つまり、大量のお土産を否定したのだ。調査捕鯨で捕った鯨の肉はその使途を報告しなければならない。鯨研が当初「お土産」を否定したということは、お土産をきちんと報告していなかったこと(つまり、表に出さない処理=集団的横領)であったという可能性が大きいことを示している。

 それゆえに、捕鯨船に乗船して共同船舶及び鯨研を監督する水産庁の職員に鯨肉を自宅に送付する形で渡していたことの意味も単なる儀礼的なお土産にとどまらない、極めて重大なものであったと考えることもできる。

 鯨肉の横領については、グリーンピースのメンバーによる告発があったものの、東京地検は共同船舶や鯨肉に対する家宅捜査もしないまま不起訴とした。しかし、当初、鯨研が大量のお土産についてメディアに説明をしなかったこと、今回発覚した水産庁職員に対するお土産の事実からは、不起訴が安易だったように感じるのは私だけだろうか。
 



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