情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

旧動燃が追い込まれていたことを高裁が認定、虚偽発表の幹部自殺~メディアは徹底追及を旨としてほしい

2009-10-29 22:34:44 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 今日午後4時、もんじゅのナトリウム漏れ事故について、事故の様子を赤裸々に撮影した2時ビデオ( http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=Wm3yuygUXQ0 )が本社に持ち込まれていたことが発覚した時期が平成7年12月25日であるにもかかわらず、翌年1月10日であると発表した旧動燃職員西村さんが亡くなったことに関連して、「もし虚偽の回答をしてしまったことが発覚した場合には、もんじゅ現地のみならず動燃本社までもが嘘をついているとして社会から厳しい指弾を受け、大石理事長の早期退陣はもとより、動燃の体質論から動燃の解体論にまで発展しかねない重大な事態を引き起こする危険性があった」ことを認める判決が下った。

 発表した本人である西村さんが自殺と認定される形で亡くなったことにより、マスメディアの追及の手は鈍り、結局、発覚の時期に関する嘘が暴かれることはなく、当時の最高責任者である理事長は亡くなる直前まで動燃から報酬がもらえる身分にあった。本来であれば、この理事長は当然、動燃として嘘をついたことの責任をとって辞任するべきであったにもかかわらず…。
 
 重大な不祥事があると、必ずと言っていいほど、中間管理職が死亡し、それによって、マスメディアの追及が弱まり、事件は収束する。しかし、そういう痛ましい事件が起きたならば、さらに、厳しく追及し、事件を収束させてはいけないということが、今回の判決ではっきりしたといえる。

【事件の詳細は、「西村さんの死を招いた
もんじゅナトリウム漏れ事故2時ビデオ隠し」 http://www.youtube.com/watch?v=G7NbFMH_XZw  「夫の死の真相を明らかにしたい!~動燃職員強制死事件控」 http://www.news-pj.net/npj/2007/dounen-20071020.html 「動燃が隠したかったもんじゅナトリウム漏れ2時ビデオ公開!~そしてある職員の死第2弾」 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/90e8b1da7efa1cbcc910ed184bfadec1 など】

 残念ながら判決では西村さんの死に対する動燃の責任は認められなかった。

【1995年12月に起きた高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)のナトリウム漏れ事故で、旧動力炉・核燃料開発事業団(動燃、現日本原子力研究開発機構)のビデオ隠し問題を調査中に自殺した総務部次長=当時(49)=の遺族が、機構側に計約1億4千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は29日、一審に続き請求を棄却した。】(東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009102901000860.html)

 しかし、動燃の危機が西村さんの死によってマスメディアが委縮したことによって回避されたことは明白となった。

 これほど明白なケースはない。マスメディア各社は、ぜひ、この事件を研修教材に取り入れ、関係者が自殺した事件こそ、さらに深く追求し、真実を明らかにする必要があることをしっかりと胸に刻んでほしい。

 いみじくも、前日、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について運転再開の妥当性を審議するため国の原子力安全委員会が設置した「もんじゅ安全性調査プロジェクトチーム(PT)」の第2回会合が開かれ、もんじゅに対する経済産業省原子力安全・保安院の評価を審査する際の「視点」として、

▽もんじゅ特有のナトリウム漏れ対策に専門家の判断を反映しているか

▽機器の重要度に応じて安全が確保されているか

▽通報時トラブル対応が適切か

の3点を柱とすることが発表された。

そう、少なくとも、トラブル対応が不適切であることは裁判所が認定した。今度は、マスメディアの皆さんが、この高裁の判決を活かした記事を書く番ではないでしょうか…。

写真は、裁判所前で訴える西村さんの妻( http://minicomi08.seesaa.net/article/104009546.html)。



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