情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

愛国教育の実態「日本には四季があるから美しい」~四季がない国は美しくないのか!

2006-11-16 01:14:21 | 教育基本法・やらせ質問
お玉さんのブログで、次のメールが紹介されていた。教育基本法「改正」案が委員会を通過したいま、このメールの内容は、衝撃的だった。教育基本法改悪阻止に最後まで力を注がなければならないと迫られたような気がした。まずは、引用します。

■■引用開始■■

今日(11月14日)のクローズアップ現代ご覧になりましたか?
もしご覧になっていたらすいません。

愛国心を教育する教育現場についてでしたが、実際東京で行われてい
る、愛国心教育の学校2校のうちの一つ練馬区の小学校で、まず外国人のスジーという子が日本の少年に「日本は四季があってうらやましい」といった。という仮定の話をして、生徒たちに「日本は四季がある素晴らしい国」と認識させます。
ですが、生徒のある少女が、「四季が無い国も美しいのでは・・(後半声が小さくなっていく)」と発言しました。すると先生は、富士山の四季(だったかな)の写真を黒板にはり、もう一度四季がある日本の美しさを紹介し、結果クラスの生徒全員は、「日本は四季があるから美しい」という結論へ導かされました。

どう思われます?記憶がうろ覚えな部分もありますが、正直私は怖かったです。
なぜ、四季の無いスージーの国も美しいといってあげなかったのでしょう?そう言おうとした女生徒の考え・感受性をなぜ否定されたのでしょう?
大人は「四季が無くても青い空があり、梅雨が無い国」があることも知ってるし、そう言う国を「好き」といえる権利もしっています。
海外旅行も行ってますしね。
でも子供は違うでしょう?

これが愛国教育なのかと思いました。
私は去年結婚してそろそろ子供を考えていますが、正直怖いです。
私は子供をどこまで守ってやれるのか。

この改正案、絶対反対しつづけなければなりませんね。

■■引用終了■■

教育基本法改正案は、「愛国心」をめぐる表現について「我が国と郷土を愛する態度を養う」としている。

クローズアップ現代に描かれた明らかな差別意識の醸成教育が、新法の目指す愛国心教育の正体だとしたら、その愛国心教育は「相互理解」「共生社会」を目指す人を育てるのではなく、「不寛容」「差別社会」を当然とする人を育てることになる。そして、行く末は、資源の取り合い、取引先の取り合いで国際紛争が生じることになる。

コスタリカ方式と言う言葉をご存じだと思う。衆議院の小選挙区と比例区で交互に立候補し、地盤を維持する自民党のシステムだ。

では、なぜ、コスタリカ方式というのでしょうか?それは、コスタリカでは国政選挙の連続再選が禁止されているからです。日本の地盤維持システムと決定的に違う
システムを持つこの国では、中学校2年生の教科書で、他国との関係についてこう教えています。

【国家的なレベルにおいて、「寛容」は偉大なる機会を与えてくれます。それは、国際的な共同体の中で、適した平和的な共存を保障するものでもあります。民主主義が機能していくためには、いかなる手段、いかなる脅威も存在すべきではなく、全体の合意を求める「寛容」の精神がなくてはなりません。】

【共存をより良くすること、平和を獲得すること、生命を尊重することは、おそらくより良い社会を創っていくための最高の回答でしょう。全ての人に違いを与えている表面を取り除いてしまえば、「他人の靴を履く」(他人の立場に立って物事を考える)こと、平和な共存を成し遂げることができる「平等」というものを見いだすことが出来るでしょう】

【国家間の平和な共存を成し遂げる原則は、たとえ小さくても、共同体にとって有効なものであるということです。】


教育の目的とは何なのか?もう一度それを考え直しつつ、明日からの教育基本法改正案阻止に向けた行動に全力を挙げましょう!

(写真は「バラエティ旅サイト ワールドワイド水戸黄門」より)


【TM問題続報・佐賀新聞・共同配信

契約段階で質問謝礼明記/「依頼」が恒常化

 政府主催のタウンミーティング(TM)で、内閣府とTMを請け負った広告代理店の2002年8月から06年度までの契約書に、質問依頼への謝礼が明記されていることが15日分かった。

 TMをめぐっては、02年度から04年度にかけて、計65人に謝礼を支払っていたことが判明しているが、契約段階ですでに謝礼が想定されていることも分かり、質問依頼が恒常化している実態が浮かび上がった。

 内閣府と広告代理店で交わされたタウンミーティングに関する契約書によると、02年8月の契約から「民間人有識者等謝礼金」の項目の中に「その他の協力者謝礼金」として、質問依頼の対象者に、1人当たり5000円が支払われることが盛り込まれた。その後の1年ごとの契約更新でも、継続されている。

■■引用終了■■


(追記)
読売が早くも野党批判記事を掲載。【衆院特別委の審議はすでに100時間を超える】…たったの100時間だよ!将来の日本の将来像に係わる重大法案だってこと、分かってる??



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23 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
怖いものを感じました (アズキ)
2006-11-16 01:55:47
四季に関して、自国を愛する精神を養うと同時に他国を愛せない精神を育てているように思えて仕方ありません。自国をすばらしいと感じれれば、他国のすばらしさも認める余裕ができるはずなのです。
こうやって子供たちの意識が変えられていくのかと思うと恐ろしいものを感じました。
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できることをしましょう! (ヤメ蚊)
2006-11-16 02:07:56
全く意味不明の法改正を阻止するために頑張りましょう!
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火事場泥棒 (村野瀬玲奈)
2006-11-16 02:19:31
はじめまして、ヤメ記者弁護士さん。

私も「情報流通促進」を目標に自分の秘書課ブログを立ち上げましたので、このブログタイトルに共感しています。

さて。

>読売が早くも野党批判記事を掲載。【衆院特別委の審議はすでに100時間を超える】…たったの100時間だよ!

いくら長い審議をしたとしても、ポイントをはずしていたら意味がない。その100時間のうちのどれだけが政府与党のスキャンダルの追及に費やされたか。

政府与党は自分で放火した火事場で泥棒をやっているようなものです。

これからもよろしくお願いいたします。
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知らない感動を教える悲しさ (寸胴)
2006-11-16 03:38:36
きっとエメラルドグリーンの海やオーロラの美しさ(私も直接見たこと無いけど)なども知らないのでしょうね。
でも番組で授業を企画した先生は一生懸命でしたよ。研究授業の様子で、後ろに大勢のオトナがいました。国を愛するためには具体的な事象が必要だ、という先入観からの勇み足、というのが私の感想です。
もう一例「嫌い箸」をテーマにその理由を考えさせる授業も取り上げていました。こちらも「箸は日本固有の文化」だと決めつけている感がありましたが。

他所にも投稿しましたが、拙文よろしければご覧下さい。
------------------------------------------------
【提言】現政権を愛せよと強要する愚かさ   寸胴

http://www.stop-ner.jp/tettei_kanshi01.html
(市村)
・教えるべき伝統・文化、生活規範とは何か?
(伊吹)
・現行法は、権利・自由など普遍的なことについて書かれているのは良い。しかし、日本特有のルールがない。大和民族は、法を超えた暗黙の了解事項でもって社会をコントロールしており、それが国を愛する態度の前段にある思想。
----------------ここまで引用-------------------

『法を超えた暗黙の了解事項でもって社会をコントロール』した結果が国際的大犯罪「第2次世界大戦」ではなかったのか。その反省をふまえて民主主義法治国家として我々は再チャレンジしているのではないのか。法を超えるものは自然法則しかない。
為政者・権力者が『愛国心』を語るのは『愛政権心』と等しい。
『愛国心』とは個人の人格・幸福が満たされた上で、万国・万人より愛される国にしていこう、変えていこう、という志であり、個人の尊厳が犠牲になってはならない。ましてや「他の国より美しいから」愛すべきだ、などの傲慢は許し難い。

更にこの国は大和民族の単一民族国家ではない。少数民族・他国籍者の尊厳も忘れてはならない。

民主主義を標榜する以上、数の暴挙は許されない。民意を問うのであれば解散総選挙を行うべき。郵政民営化よりも大きな問題である。こんな法案が通った日にはかつて犠牲を強いた人々に顔向けが出来ない。国際社会での孤立化が進むであろう事は想像に難くない。
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PS.投稿の「規約」を開いたら危険サイト警告(ウイルスバスター2007)が出ました。ご連絡まで。
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箸が日本固有の文化ですか… (ヤメ蚊)
2006-11-16 04:24:10
そんなにして偉い国なんだって言わないといけないはずはないんですけどね。いい国にするにはどうしたらいいか、みんなで考えるっていうならありかなぁ…。


ところで、【PS.投稿の「規約」を開いたら危険サイト警告(ウイルスバスター2007)が出ました。ご連絡まで。】、ありがとうございます。寸胴さん、あるいはほかの方でも、対処法など詳細をお教えいただけないでしょうか。
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村野瀬玲奈さん (ヤメ蚊)
2006-11-16 04:31:52
厳しくなってきましたが、頑張りましょう!
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Unknown (お玉おばさん)
2006-11-16 13:38:41
うちに記事を取上げてくださて有り難うございます。実は道徳教育の中にもこの日本の四季の話のようなものが実は多数あります。ちょっといまお勉強中なのですが・・日本の道徳は空恐ろしい事になってきています・・・
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Unknown (イルマ)
2006-11-16 19:33:16
私もあの番組は見ました。「日本の四季の美しさを理解させたい」ということならば悪いことではありませんが、何も気候の違う他国と比べて、「うちの国の方が恵まれていると思え」と強要することはないと思いました。

私は人が自分の国を愛するのは、他の国よりも優れたところがあるからというわけではないのではないかと思います。親にとって、わが子を愛する理由が、その子が他人の子より優れたところがあるからではないのと同じ。子供が親を慕うのも、他の家の親より「金持ちでカッコイイから」などという理由ではないのと同じです。

黒板に張って子供たちに見せていた写真が、季節こそ違え、みんな同じような富士山のものだったというのも、感性の貧しさを感じてしまいました。春夏秋冬を比べるのだからといって、似たような富士山の写真ばかり並べる必要はない。あれでは先生自身がまだ、日本の自然の多様な美しさをご存じないのではと思ってしまいました。

教える人自身が本当に心から自国の自然を愛しているならば、その情熱や姿勢は日々接している中で、おのずと生徒にも伝わっていくはず、それが教育ってものじゃないですか?付け焼刃の押し付けなんかではだめです。
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外国人の目から見て (不知火の残党)
2006-11-16 23:16:12
 美しいと言えるものは、素直に誇ればよいのだし、それは「いや、美しくありませんよ」と、学校教育の場で、子供達に対して否定する理由はないでしょう。


>大人は「四季が無くても青い空があり、梅雨が無い国」があることも知ってるし、そう言う国を「好き」といえる権利もしっています。

 大人になれば自然と分ることは、子供の頃に教える必要はない。権利の存在も、その一つです。子供の頃には、しっかり教えないと身につかないことを、まず第一に教えなければならないのであって、日本という国の美しさは、その際たるものでしょう。なお、少し大人になれば、「四季が無くても青い空があり、梅雨が無い国」は、決して日本より暮らし易い国ではないことも分るものです。そういった国は、往々にして生活水準は低く、HIVの罹患率が高く、民主政治は存在せず、社会保障はなきに等しい。酷ければ、核廃棄物はほったらかし、中国製のバチモンのカラシニコフ自動小銃や対人地雷がゴロゴロしていたりします。


>四季に関して、自国を愛する精神を養うと同時に他国を愛せない精神を育てているように思えて仕方ありません。

 一体、世界のどこに、自国を愛する心を犠牲にしてまで、他国を愛する精神を育てる酔狂な国が存在しますか?あ、今の日本がそうだった!
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どちらが正しいのか (プロメテウス)
2006-11-16 23:58:02
愛国心を強要すること。この点から考えると正しくないと思います。しかしこれからは石油、石炭、銅や亜鉛などの天然資源や地球温暖化にようる食料、水などの文明社会を維持する血液が乏しくなる。(温暖化はもはや止められないとも言われているので、異常気候に耐える施設を作る必要があるとか。そのためにはやはり天然資源の確保が最優先になる)。
今までの生活を維持できなくなるとしたら、日本という国としての存続、日本人が日本に生きるということが難しくなるとしたら、世界と資源闘争を行い勝ち残るためにはこういう全体主義の方向に行くことはやむ終えないことだと思うこともある。

物つくり大国日本はほとんど鉱山資源がなくては何も出来ない。多くの鉱山資源を必要とするものつくり産業から脱却した産業、「買って、使って、捨てる、そしてまた買う」というようなサイクル(これで今の生活、社会、民主/資本主義を獲得できたし、維持できる)をやめる、もしくは新しい社会システムを作るらない限りいくら反対してもこの全体主義の方向は回避できないと思う。アメリカと同様に国益のためならなんだってやる。脳の10%しか使っていない人間が考えた最善の方法が全体主義で生き残っていくといこと。残りの90%を使える脳に人間が進化しないかぎりこのながれは変わらないとと思う今日この頃。。。。
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