情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

サミット取材の市民メディアの入国と取材を円滑にされたし~ネットワークが要望書提出

2008-07-01 08:58:25 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 サミットを取材するために来日している市民メディアのスタッフが相次いで空港で拘束され、なかには滞在期間を短縮されていることについて、市民メディアのネットワークが6月30日、入管や警察庁に要望書を提出し、会見でこのような事態を改めるよう抗議しました。この件について、道新、産経、毎日が伝えているので、その記事を紹介します。事態の深刻さが伝わると思います。

 ところで、冒頭の画像は、前のエントリーで紹介した香港の市民メディア3人のチームが出発したときに自ら書いた記事だ。こういうイラストに妙に反応しちゃうんだろうな…。

 韓国の反米国産牛肉運動の盛り上がりといい、香港メディアの元気さといい、うらやましい限りだ…。


【産経】(http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080630/crm0806302057025-n1.htm
今月7日から開催される主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)で、インターネットやケーブルテレビなどで情報発信する市民メディアのグループ「G8メディアネットワーク」は30日、取材目的で入国した同ネット登録の外国人市民記者6人が、空港で長時間拘束され、尋問されたことを明らかにした。同ネットは、法務省や警察庁などにスムーズな入国と取材活動を妨害しないよう要望書を提出。同日、「多様な意見や主張を個々人が自由に発信し、享受できる機会が奪われることがあってはならない」という緊急声明を発表した。

 同ネットによると、サミット取材目的で計120人が登録。そのうち2~3割が外国人という。大手メディアとは異なる視点で取材して発信しようと札幌をメーン会場に、市民の視点からサミットの意義を問うシンポジウムなどを予定している。

 香港の市民メディアで活動する20代後半の男性3人は6月26日夜、成田空港に到着後18時間拘束され、日本での活動状況のほか、2005年の反日デモに参加したか否かなどを尋問されたという。また、米国から来日した女性市民記者(47)は、同ネットの招待状を見せた後11時間拘束され、短期滞在を条件に入国を認められたという。

 同ネットの野宮共同代表は、「われわれは大手でないメディア活動をする者の集まり。情報を知って伝える権利があり、メディア活動をしているだけの理由で拘束されるのはおかしい」と話している。

 同ネット以外にも、米国人ジャーナリスト2人が長時間拘束されたり、韓国の労組関係者と活動家が強制送還されるなどしている。


【道新】(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/summit/102219.html
北海道洞爺湖サミットの取材のため来日した海外の非政府組織(NGO)の報道関係者らが、成田空港などの入国管理局で長時間にわたって拘束され、厳しい尋問を受けたとして、内外のNGO団体などが三十日、鳩山邦夫法相らに海外メディアの活動に協力を求める要望書を提出した。会見でNGO関係者は「政府は民主主義の最低限のルールを守るべきだ」と訴え、政府の対応を批判した。

 内外の大手メディアに属していない市民メディアの記者らでつくる「G8メディアネットワーク」(本部・東京)によると、同ネットワークに登録する香港の朱凱迪さんら三人のジャーナリストは二十六日夜、成田空港に到着した。

 滞在中の日程が不明確などとして、二十七日午後一時まで十六時間余り入国管理局で足止めされた。

 滞在中の行動やデモへの参加などを尋ねられ、食事は与えられず、携帯電話や衣類を没収されたという。

 また、米国の女性は二十七日、十一時間に及ぶ入国審査の末、四日までの入国しか許可されず、帰路の航空券の予約を一方的に変更されたとした。

 同ネットワークなどによると、サミットに批判的な市民団体が東京で三十日から始めたフォーラムに招かれた海外の学術関係者らの多くも、日程が不明確だとして空港で最長十四時間の審査を受けたという。

 こうした訴えに対し、法務省は「審査基準を変えた事実はない。過去の懲役刑の有無を確認するのに半日か一日かかることもある」(入国管理局)としている。

 入管難民法は、滞在日程が未定の外国人の入国を拒否することができると定めている。海外の市民ジャーナリストらは取材の予備日を設けているため、入管が「入国後の日程が明らかでない」と判断したことも、審査が長引いた理由という。

 道内外の弁護士でつくるサミット人権監視弁護士ネットワーク(東京)の日隅一雄弁護士は「過去のサミットではなかったこと。すべての日程が決まっていないから入国できないというのは理不尽」と対応を批判している。


【毎日】(http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080701k0000m040089000c.html
市民メディア団体「G8メディアネットワーク」は30日、北海道洞爺湖サミット(7月7~9日)の取材を希望する海外のメディア関係者が入国の制限を受けているとして、取材活動を認めるよう政府に申し入れた。

 同ネットによると、米国の女性ジャーナリスト(47)は成田空港で入国審査を受け、取材予定が固まっていないなどの理由で、滞在許可が7月4日までとなった。また香港の男性3人は空港での審査が約20時間かかったといい、計6人がこうした何らかの制限を受けたとしている。

 女性ジャーナリストは「日本に行くのを心待ちにしていたので悲しい。会場へ行けるようにしてもらいたい」と話した。【石川淳一】








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2 コメント

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「G8メディアネットワーク」受け入れ態勢に問題は? (元キシャ)
2008-07-01 10:10:36
当局の問題を羅列するのも結構ですが、これは「G8メディアネットワーク」の受け入れ態勢に問題の過半があるように見受けられます。

取材目的の報道関係者は主要国のVIPが参集する場の至近に立ち入ることが可能ですが、それを可能とするのは「身元に問題がない=トラブルを起こさない」と当局が了解できるからです。

既存の「大手」メディアの看板をしょっている記者であれば、所属企業が身元の確かさを請合う形になりますが、そうでない「どこの誰とも知れない」、「誰でも簡単に立ち上げることのできる媒体の記者」を大々的に招くならば、呼びかけを行った「G8メディアネットワーク」は事前に警備・入管・主催当局と相談し、円滑な入国・来場ができる環境を整え、また参集する独立系ジャーナリストに対しても遵守事項を徹底するなど対応をとるべきでした。それが大人の対応です。

これら独立系は、アマチュアリズムがひとつの「売り」なのかもしれませんが、アマチュアだからといって幼稚で甘ったれた対応が許されるわけではありません。
外に非難を向けるのも結構ですが、「G8メディアネットワーク」は十全の準備を整えていたのか検証することが必要です。それをしなければ、また同じようなことを延々繰り返し、いずれ「日本の独立系メディアの支援組織は当てにならん」との評価を諸外国の関係者から下されることになりましょう。
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ん~むぅ、もしかして入管の…。 (田仁)
2008-07-02 22:04:52
非常に限定的で狭量なオツムリでは、『香港は中国の辺境』とかって考えなのかな…?
実は、英国とも未だに切れた訳じゃない、結構な欧米向け情報発信基地ですが。
レイシズム以前に、アウト・オブ・眼中で無知なんなら、何て職業意識の低さなんだ!!!
役人は上の顔色しか伺わないとかって言いますが、余りに深刻、余りに酷い結果ですね!!
どうせ、この影響が目に見える頃には、んな責任者は定年退職だから安泰って考えです?
確か、この最終責任者も、法相なんですよね…。
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