情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

世界人権宣言の翻訳にみる自民党政府の人権意識の徹底的な希薄さ(怒)!

2008-10-19 12:34:49 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 久しぶりに世界人権宣言の条文にあたる必要があって、ネットで検索したところ、冒頭のような外務省の翻訳の頁(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/udhr/1b_001.html)が出てきた。用事を済ませて閉じようか、と思った瞬間、はっと気がついた。

 なぜ…。


 そんな…。


 まさか…。


 そういうクエスチョンマークとともに、怒りの念がふつふつとわき起こってきた。


 世界人権宣言は、1948年に国際連合総会で採択されており、以来、約60年が経過している。それなのに、日本の外務省のホームページには、「仮訳文」として掲載され続けているのだ。

 どういうことですか。日本政府は、世界人権宣言について定訳する必要がないと考えているわけですか。そんなに世界人権宣言ってのは軽いですか…。

 先日、ウィーンで「市民的および政治的権利規約人権委員会」による日本の人権状況に関する審査が10年ぶりに行われた。多くのメディアは正確に報道していないが、本来、この審査は、5年ごとに行われるべきものだった。ところが、日本政府の怠慢で、5年間も遅れて、10年ぶりの審査となった。なぜ、メディアはまず、そのことをきちんと報道しないのか。世界的には非常に恥ずかしいことだと思う。

 人権というと、すぐに、中国や北朝鮮よりはましだ、などという反応が返ってくるが、国連の人権に関する審査を5年間も先延ばしにする国の市民が吐けるせりふとは到底思えない。

 内容的にも、死刑についていえば、政府は国民感情から廃止できないと言い訳を述べた。人権委員会のメンバーは、「国民感情が死刑に反対するはずがないし、それを待っていたら死刑は廃止できない」という趣旨の発言をした。

 そう、人権とは、多数派から疎外される者について、考えなければならないことだ。多数派の人権はある意味、いつでも尊重されている。多数派でない者が多数派でないことによって、その権利が侵害されることを防ぐために、人権規定はある。そういう基本的なことすら、理解できていない日本政府の代表団に、委員はいらだちの色を隠さなかったという。

 多数派が少数派の人権を疎外することが当然だとなれば、次には、徐々に多数派内部でも少数派が生まれてしまう。気がつけば、ごくわずかの者が多くの富を得て、権力を思うままにするような事態になってしまう…。

 このことは、たとえば、リーマンの取締役が得ていた莫大な報酬からも明らかだろう。そして、そのつけは、税金の投入という形で普通の市民が負うことになる。もっと早く、富・権力が集中するシステムを改善することができれば、こんなに巨額の税金を投入する必要はなかったはずだ。

 一部の者はほくそ笑んでいる。儲けるだけ儲けたし、危なくなったところで、市民の税金を投入できたし、これでまたまた俺たちは安泰だ…と。

 人権を守るということは、そういう社会になることを防ぐということでもある。




 情けは人の為ならず 巡り巡って己が(自分の)為



 


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1 コメント

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絶望はとっくの昔にしてます。 (田仁)
2008-10-19 15:48:46
ハッキリ言って、出来る限り世界人権宣言なんて内政に反映させたくないと、米国政府もソノ金魚の糞の何処かの島国の政府も、明白にソウ考えて行動もしてるでしょ?としか受け止められないですよ…。
ただ、希望があるとすれば、ソレは結局は「下々」の行動でしかなく、例えば、の流れを汲む開放同盟とか、問題という狭い枠に囚われるのでなく、広い意味での人権問題に対して今後も闘って行く採択とかをしましたよ。
ソコまでニュース・ネタにはならなくても体制側じゃない方に希望を掛けるべきであると、理性的に信じます…!
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