tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

雇用保険2事業に思う

2009年03月04日 16時55分52秒 | 労働
雇用保険2事業に思う
 経済情勢の悪化と共に、雇用の問題が深刻さを増しています。雇用は、国民所得の合理的な配分のために大変重要なものです。雇用がなくなったところには、何らかの保障制度で国民所得を分配しなければならなくなります。

 当然、失業給付から生活保護まで、セーフティーネットの問題が論じられえることになるわけですが、かつて、エネルギー転換の中で、石炭離職者の問題をきっかけに、雇用の安定、促進を願って、前向きのセーフティーネットとして設立されたのが今の雇用保険2事業の全身、雇用安定資金制度だと記憶しています。

 これは、労使折半で払う雇用保険への料率にプラスして、「使用者側だけ」が、さらに1000分のかつては3.5、今は1000分の3を拠出して基金としているものとネット検索でも出てきます。年間の拠出金額としては5000億円ぐらいになるのでしょうか。

 かつては、平時に積み立てておいて、雇用が悪化しとき、巨額の支出をして雇用の安定を維持するという理念で、雇用の安定、改善、訓練、福祉の4事業で出発したと記憶しますが、お役所にはよくあることで、溜まった金の無駄遣いが頻発、雇用促進住宅は空き部屋だらけ、さらには、赤字を垂れ流す「箱もの」、中野サンプラザなど各都市の福祉施設、その上に、保養施設のスパウザ小田原、京阪奈の私の仕事館などが次々建設され、結果は赤字を止めるための売却が始まり、売却のたびに百億円単位の巨大損失を計上することになったようです。

 あまりのことに、4事業は3事業になり、今は雇用安定と訓練(人材育成)の2事業になって、遂には廃止の論議もされているようですが、本来の目的を考えれば、途中で使い方を間違ったというだけで、廃止するのはあまりに勿体無い気がするのは私だけでしょうか。

 使用者側だけが負担している基金です。財界には、雇用安定のための基金を集めるといった意見があるなどとニュースで流れますが、それよりも、この雇用保険2事業を、財界の手で、民営化するなりし、本当に意義ある使い方をするような基金に再編したらと思うのですが・・。


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