tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

緑を作る人、緑を破壊する人

2024年05月04日 15時27分48秒 | 文化社会

今日は「みどりの日」、国民の祝日です。

日本は世界でも有数な緑の多い国です。国土の森林率で世界トップはフィンランドの74%、日本が2位で68%、3位はスェーデンで67%4位の韓国が64%ですが5位のロシア以下は50%以下です。

緑がいっぱいあると思われているカナダやアメリカ、ニュージーランドでも30%台ですから日本に国民の祝日として「みどりの日」があるのも当然だと思う外国人も多いでしょう。逆に日本人は、緑が多い事が当たり前だと思っているので「みどりの日」が祝日で3連休になるから(今年は4連休)嬉しいといったくらいで、関心の薄いのが一般的のようです。 

今日の新聞でも「みどりに日」に関する記事は殆ど見られないようで、「みどりの日」についての関心の薄さを象徴しているようです。

このブログはどちらかというと「みどりの日」にはかなり大きな関心を持っていて「みどりの日」にもっと関心を持ってほしいと思い、いつも積極的に取り上げています。

もともと動物は、嘗て学校で教わったように、植物の作り出す酸素を取り入れて生きているのです。植物の持つ葉緑素が水と炭酸ガスから太陽光を使って光合成で成長する際に放出してくれる酸素を呼吸して生きているのです。

植物、葉緑素、つまり「みどり(緑)」があって、はじめて動物は生きられるのです。しかも、植物は動物の基本的な「食料」でもあります。

緑が沢山あれば、自然は豊かで、植物も動物も育ち(動物の仲間である)人間の成長も生存も保障されるのです。

日本人は縄文時代から「山が育てば海も育つ」という事を学び、山や森には「やおよろず」の神々が宿ると考え、山や海の恵みを「頂きます」といって命の糧とし、「みどり」を大事にし、自然と共存して暮らしてきた結果が今の国土の森林率の高さなのでしょう。

今、SDGs(持続可能な成長目標)が、地球人類にとって最も重要な概念で、具体的な取り組みが必須だと言われています。その基底には地球環境があり、それを支える原点は、太陽光線と水と「葉緑素」なのです。

我々が毎日のように見るウクライナの戦争で破壊された無残な都市の廃墟、パレスチナのガザ地区の瓦礫の山と飢える人たち、そこのは一片の緑もありません。戦争は常に大切な緑と自然の破壊者でもあるのです。

緑を破壊するものは、人類社会、その持続可能性を支える豊かな自然を育むべき地球という大切な存在に対する明らかな犯罪者と考えるべきではないでしょうか。

このブログが「みどりの日」の意義を強調したいと考える原点は、まさにその点にあるのです。

しかも日本は前述しましたように、山を育てれば生みも育つというSDGsの基本を縄文時代から理解し、その伝統文化を今に至る行動の中で実践してきているのです。

この伝統文化は、里山の形成、歴史にみる都市建設における緑との共存などあらゆるところに受け継がれているように思われます。

さらに一歩進めれば、縄文の1万有余年、日本には戦争が無かったという実証的研究があります。そして今、世界に先んじて戦争放棄を憲法に掲げた国という現実もあります。

SDGsという理念・思想・哲学が、人類社会発展の最大の敵は戦争という人類共通との認識を明らかにしっつつある現在、日本ではその伝統文化の中で、世界に先駆けて平和という人類社会発展への要件と、「みどり」という生態系循環の原点とを、まさに整合的に結びつけて来ているのではないでしょうか。

そう考えると、「憲法記念日」と「みどりの日」が5月の3日・4日と隣同士というのは、偶然にしても巧く出来過ぎているようですね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿