tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

このままでは経済成長は些か停滞か

2018年06月09日 10時43分08秒 | 経済
このままでは経済成長は些か停滞か
 昨日、GDPの四半期報で2018年1-3月期の第二次速報が発表になりました。マスコミでは「年率マイナス0.6%で、停滞」などとなっています。

 中身を見ますとGDPトータルの数字は前期比―0.2%で「年率換算-0.6%」と5月に発表された第一次速報と変わっていませんが、家計最終消費支出が-0.0から-0.1になり、民間企業設備が-0.0から0.3になったといた変化があります。(全て実質・季節調整値)

 消費が落ち込んだ分を企業の設備投資が支えたという構図で、第一次速報の時は企業設備が確りしているので法人企業統計の数字が出ればGDPも少し改善するのではないかと見ていましたが、消費低迷でチャラになってしまいました。

 趨勢的な動きの見られる「対前年同期比」の動きで見ますと2018年1-3月期は1.1%の上昇で、第一次速報の0.9%より高まっています。
 家計最終消費支出は対前年同期比では0.2%で変わらず、民間企業設備が2.4%から3.0%の上昇と増加しているのが主因です。

 さらに公的需要も、0.5%増が0.7%増になっていて、年度末の予算消化が、第一次推計では入っていなくて第二次推計では入ってきたのでしょうか。
 対前年成長率1.1%への寄与度で見ますと、民間需要0.7ポイント(うち家計支出0.1%、企業設備0.5%)、公的需要0.2ポイント、純輸出0.2ポイントで合計1.1%の成長となっています。

 対前年同月比は、昨年1-3つから今年1-3月まで順に、
1.4%、1.6%、2.0%、1.9%、1.1%
となっていて、年度末にかけて、成長率が落ちてきていることが解ります。成長を支えているのは企業の設備投資と輸出、赤字でも無理しているのが公的支出、足を引っ張っているのが家計消費の低迷という構図がはっきり見えています。

 この消費低迷からどう抜け出すかが今後の日本経済成長の鍵ですが、昨今の政治情勢では些か望み薄です。
 せめて米朝会談の結果で世界が少し明るくなればとも思いますが、これも難しいでしょう。トランプさんは、北朝鮮が非核化すれば、経済援助は韓国や日本がやってくれるだろうと考えているようです。