tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

平成29年度「政府経済見通し」閣議決定

2017年01月20日 16時11分49秒 | 経済
平成29年度「政府経済見通し」閣議決定
 年末に、閣議了解の「政府経済見通し」の主要な数字についてみましたが、きょう閣議決定版が出ました。

 閣議決定版では雇用者報酬の数字なども示され、政府が来年度の賃上げをどう考えているかもわかりますのでその辺りだけ取り急ぎ見てみます。

 雇用者報酬の総額の伸びは(名目値です)27年度(実績)1.5%、28年度(実績見込み)1.8%、29年度(見通し)2.1%で、年々少しづつ上がると見ています。春闘情勢から見れば、些か楽観的かなと思いますが如何でしょう。

 雇用者数の伸びは、それぞれの年度で、1.0%、1.2%、0.8%ですから、差し引きして、雇用者1人当たりの人件費の伸びは0.5%、0.6%、1.3%という事になり、今年は昨年の倍以上の伸びとなっています。雇用があまり伸びないから1人当たりは増えるというところです。

 一方、2パーセントインフレを目指す政府は29年度の消費者物価の上昇率を1.1%とみていますから、それ以上の数字でないと実質賃金マイナスの見通しなどと言われかねず、政府としても難しい所なのでしょう。

 29年度の民間最終消費支出の伸びは、前回も触れましたように、名目で1.6%ですから、勤労者の平均消費性向は上がると見ていると思われます。この所の低下傾向が反転すれば結構ですが、何か良い施策があっての見通しでしょうか。下がり過ぎたから反転とみているのかもしれません。

 ところでアメリカの今日、1月20日はトランプさんが大統領に就任する日です。さて、就任演説で何を言われるか、その辺りで、これらの数字も多分に影響を受けそうです。

 29年度の平均円レートは111.5円としてありますが、明日の朝のニュースで、どんな展開が待っていますか、平成29年度は、先行きの読みにくい、難しい年になりそうです。