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聖ピオ十世会創立者ルフェーブル大司教の伝記 14.2.3.異なるリーダーシップの特徴(1)

2009年11月06日 | ルフェーブル大司教の伝記
第14章 総長 防御の最後の試み
II. 掃除と改革

異なるリーダーシップの特徴(1)

 コレン(Koren)神父はルフェーブル大司教を次のように描写する。
「彼は印象的で、度胸があった。そして彼の顔は人の関心をそそり善意で輝いていた。彼は愛情に満ちていて最愛なる模範的リーダーだった。」

 マイケル・オカロル(Michael O’Carroll)神父は
「自己統制があり、礼儀正しく、温厚そのもので、会話においては非常に率直で、自分の考えていることを洗練された確実な立場を取って語り、それを非常に穏やかな声でする。」
と言った。

 彼に叙階された若い司祭は言った。
「愛想がよく、とても丁寧な物腰に隠れて、彼はご自分の考えについては堅固だった。」

 このことは、ルフェーブル大司教について警告されていた幾名かの若い同僚司祭や生徒たちには快くなかった。しかし彼らは、大司教が「非常に温厚で、親切であり、さらにとても穏やかに語る」のを見て、彼らが抵抗するのを必要する「魅力的な力」を実感するほどだった。

 全ての証言は、ルフェーブル大司教になされる反対がどのようなものであれ、それに微動だにせず、持論を曲げない頑固さを語る。

 コレンによれば、大司教は「穏やかな頑固な男」と定義された。

 ある人々はルフェーブル大司教の「頑なさ」の後ろに、個人的で時代後れの意見に対する執着がると非難した。「それはル・フロック(Le Floch)神父の下での養成が原因だ」と。つまり、ある人々によると「それはシャルル・モラスの影響だ」と。

 あらゆる反対に対して自身の考えを堅持する大司教の「恐るべき勇気」を認めつつ、マイケル・オカロルはこのように説明出来ると考えた。
「大司教は、他人の見解を理解することに困難を感じるほど、確信していた。それは彼の過ちではなかった。彼はそのような人間だったのだから。彼は自分が正しい事を確信していた。ルフェーブル大司教と議論する際、時には心理的問題があった」ほどだと。

 マルセル・ルフェーブルの不屈さはきちんと理由のあるものだった。実際に、彼の諸見解は、最も正統な聖伝に根付いていたからこそ非常に明白かつ創意に富んでいたのである。彼のもっとも個人の思想は、建設的熱意から来る刷新的な大胆さによる以外には、委任の日常生活を狂わせなかった。

 全く高潔で偏見のない人の多くは、ルフェーブル大司教のことを、偏狭な人間とは正反対の方であると認めた。開かれた、現実と人々とに注意を深くはらう人間である、と。
パリの会計係として大司教と働いていた一人の同僚は言う。
「何という長上だろうか、彼は!寛大で親切、高潔で公正な聞き手である。彼と働くのは楽しかった。彼の手中には、あらゆる事に対応する容易な解決策があったので、細部にわたり決して途方にくれず、私たちを励ます事を怠らなかった。」

 もう一人の聖霊修道会会士はこう証言した。
「彼は御自分の考えを如何に表現するかをご存知であり、自らの知性に秩序づけた事柄として具体的な事柄を把握している印象を与えていました。ルフェーブル大司教の知性は、見たところ矛盾しているようにさえ思える異なる計画のもとに、出来事の意味が要求し、大司教の掴むべき好機を正しく理解する能力が求めるやり方で、いつでも遂行する準備が出来ていた。」

 スイスの会計係のもう一人の同僚は、特にルフェーブル大司教が、自分のやり方における堅忍を語っている。
「人は大司教を「ビロードの手袋の中にある鉄の手」と呼んでいた。彼は決して屈服しなかった。行動の方針を一度決めると、その通りに物事の計画を開始した。」

 事に取り掛からせるときの時の彼の頑固さは、時に悩まし困惑させた。何故なら、この頑固さは、書斎の評論家たちを論破し、厚顔なリベラル派に反論し、これらの人間が何よりも間違っていることを説得したからである。リベラルな精神の悪癖に犯されていた不幸な者たちは、ルフェーブル大司教においてしばしば彼らが言うところの心理的な障害を感じた。しかし、それは原理をあくまでも認めようとしない人々に対して健全な精神の持ち主がする自然な反応でしかなかった。

 実際、私たちは原理の絶対的価値、又は原理の実践的有効性を否定する人とどうやって議論出来るというのか? そんなとき、大司教の機敏な直覚力は、どう見ようがあまりにも判りきっている真理について議論するのを嫌がらせた。

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第14章 総長 防御の最後の試み
Ⅰ. 激戦を伴った選出

II. 掃除と改革

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