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大垣内立山祭りは、広陵町の指定文化財

2012年09月05日 | 奈良にこだわる
8/24(金)、広陵町(北葛城郡)の無形文化財「立山祭り」が、今年も開催された。私はあいにく参加できなかったが、家内が写真を撮ってきてくれた。奈良新聞(8/25付)でも《町中に手作り人形 広陵・大垣内(おおがいと)伝統の「立山祭」》として紹介されていた。


NHK大河ドラマ「平清盛」


奈良新聞(8/25付)にも掲載された

手作りの人形「作り物」を飾る広陵町無形文化財の伝統行事「立山祭」が24日夕、同町三吉の大垣内地区で開かれ、地区住民を中心に多くの見物客でにぎわった。立山祭は専光寺を中心とする地蔵盆に伴なう行事で、江戸時代に疫病が流行した際、身代わりの人形を立てたのが始まりとされる。存続の危機にあったが、一昨年から保存会を募って活性化した。


こちらのテーマは「東京スカイツリー」。浴衣姿が涼しげである



今年は公民館や民家など6ヵ所に住民らが作ったNHK大河ドラマ「平清盛」や「古事記」「スカイツリー」を題材にした人形が並び人気を集めた。120本の竹灯ろうや金明太鼓などイベントもあった。保存会会長の出井裕久区長(69)は「これだけの人形を作れる地元の人たちの能力にあらためて驚いている。この伝統を若い世代に伝えていかなければ」と話していた。


NHKの朝ドラ「カーネション」


古事記完成1300年を記念して「天の岩屋戸」。これは凄(すご)みがある

専光寺地蔵堂に建てられた説明看板「広陵町指定文化財 大垣内の立山祭」(広陵町教育委員会)によると《専光寺(地蔵堂)で毎年8月24日に行われる地蔵盆の祭。地域住民によって行われてきた伝統の行事で、「作り物」を飾る。「作り物」は、公民館・新築の家・婚礼のあった家などを会場として、その年に話題となった出来事や有名になった人物を取り上げておもしろおかしく飾り付け、話題性を盛り上げるものである。これを立てないとフジイル(病気や事故が起きる)と言われ、近隣からも見物人が多く集まる》。


ガラス玉のように見えるが、これはすべて缶ビールの空き缶である



《立山祭の由緒は、江戸時代に流行した疫病の身代わりとして立て始めたとする説や、中世「見立山武士」と呼ばれた土豪細井戸氏が元禄年間に武士の名残を偲んで武者人形を立てたのが始まりとする説など、さまざまに語り伝えられている。特色ある夏の風物詩として平成8年3月に広陵町指定文化財に指定されている》。



こちらの作り物(立山)は竹取物語。広陵町は「竹取物語の舞台」といわれている。Wikipedia「竹取物語」にも《竹取の翁は「讃岐の造(さぬきのみやつこ)」と呼ばれており、竹取物語の舞台は大和国広瀬郡散吉(さぬき)郷(現奈良県北葛城郡広陵町三吉)と考えられている。また、かぐや姫に求婚をした5人の貴族が住んでいたと想定される藤原京から十分通える距離であり、「竹取物語ゆかりの神社」と称する讃岐神社も鎮座している》とある。





大垣内地区は広陵町三吉(みつよし)にある。この「三吉」はもともと「散吉郷」で、そのもとが讃岐神社に由来する「讃岐」という地名なのである。つまり「讃岐→散吉→三吉」という変遷なのである。

出井区長の「これだけの人形を作れる地元の人たちの能力にあらためて驚いている」というコメントのとおり、地元の人たちはたった1日しか見てもらえない「作り物」のために、何日も集まって丁寧に作られている。着物の着付けなども、とてもよくできている。大垣内地区の「地元力」には脱帽する。

毎年新たなテーマを考えて「作り物」を作るのは大変なことであるが、子供たちもお年寄りも楽しみにしている伝統行事である。ぜひ、継続していただきたいと思う。皆さん、来年も8月24日をお楽しみに!


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