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田中利典師の「女性と修験道」(朝日新聞「人生あおによし」第15回)

2024年01月07日 | 田中利典師曰く
今朝(1/7)の毎日新聞一面トップの見出しは〈能登地震 死者126人 安否不明210人 全容見えず〉、何ともやりきれない気分である。そんな中、石川県珠洲市の民家で、90歳代の女性が124時間ぶりに救出されたと聞いて、快哉を叫んだ。生きる希望を捨てず、よほど気をシッカリと持っておられたのだろう。
※トップ写真は吉野山の桜(2022.4.7 撮影)

さて今日の「田中利典師曰く」は、「女性と修験道」、2014年の朝日新聞奈良版「人生あおによし」第15回である。大峯山の山上ヶ岳が女人禁制なので、よくその是非が議論される。利典師も「山人vs楽女/大峯山の女人禁制」などで、それを書いている。

まあこれは「ジェンダーフリー」の問題ではなく、利典師がお書きのように「信仰上の問題」として、信者さん同士でお決めになれば良いことだろう。では、全文を紹介する。

女性と修験道
「修験道は女人禁制なのですね」と問われて驚いたことがあります。大峯山上が今も女人結界の地だからでそう思われているのでしょう。「違いますよ」と答えましたが、大変気になりました。

修験道自体は決して女人禁制ではありません。いや実は驚くことに、金峯山寺の僧侶資格者の半数は女性なのです。奥駈修行にも女性が参加しています。

ただし山上ヶ岳が歴史的に女性を受け入れてこなかったのも事実です。過去に禁制区域を縮小したこともありますし(昭和45年)、西暦2000年に迎えた役行者1300年大遠忌の折には、修験三本山や大峯山寺は女人禁制撤廃の論議を重ねました。しかし様々な意見の末に結界撤廃は見送りとなり、現在に至っています。

私たちは決して軽々しく結論を出そうとしたわけではありません。50回以上の会議を開いて議論に議論を重ねた上でのことでした。あれだけの準備をしてなお、結果として撤廃に至らなかったのは、やはりご本尊様が「まだその時期ではない」とおっしゃったのだと私は今では考えています。

いずれまた同じ議論がなされる日が来るかもしれません。ただ、山の修行を真摯に考えている人以外の意見は禁制論議とは別のところでお願いしたいものです。信仰上の問題はあくまで信仰者の手で乗り越えなければいけないのです。
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