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岡寺の癒やしの山道を歩く/毎日新聞「やまと百寺参り」第11回

2019年06月28日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』の出版にあわせて毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。先週(6/20)掲載されたのは「眺望開けるる 癒やしの道/岡寺(明日香村)」、筆者は同会会員で大和郡山市在住の大江弘幸さんである。岡寺の境内はとても広い。道沿いには季節折々の花が咲くし、高台からは眺望が楽しめる。では、全文を紹介する。
※写真は高台に続く山道

岡寺は明日香村の東、岡山の中腹に建つ閑静な山寺です。開祖・義淵(ぎえん)僧正が当地を荒らす悪龍を法力で池の中に封じ込め、大きな石で蓋(ふた)をしたことから龍蓋寺(りゅうがいじ)とも。見事な獅子や龍、虎が彫られた仁王門をくぐり、石段を上がれば本堂。

ご本尊の如意輪観音坐像(ざぞう)は、塑像(そぞう 土でできた仏像)としては日本最大の仏像です。本堂前には龍を封じ込めた龍蓋池があり、傍らの白い浮彫りの石板が龍と僧正の戦いを語ります。

池を過ぎ小道を行けば、草木の間に石塔や石仏がたたずんでいます。しずくのしたたる奥之院石窟の中には弥勒菩薩(ぼさつ)坐像。奥之院から三重宝塔に至る本堂向かいの山道は、春にはピンクに染まるシャクナゲの群生、秋には紅葉のトンネルと、四季折々に彩り豊かです。

ゆるやかな山道を行き、義淵僧正の廟所からは境内諸堂を一望できます。三重宝塔の高台まで来れば、明日香村ののどかな風景と、その先には金剛・葛城の山並みが広がります。石段を下り、戦時の難を逃れた鐘のある鐘楼堂でひと打ちし、厄を払って山を後にしましょう。(奈良まほろばソムリエの会会員 大江弘幸)

(宗派)真言宗豊山派
(住所)高市郡明日香村岡806
(電話)0744-54-2007
(交通)近鉄橿原神宮前駅東口からバス「岡寺前」下車、徒歩約10分
(拝観)8時~17時(3~11月)、8時~16時半(12~2月)。400円 
(駐車場)有(民営)



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