tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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川上村 木匠塾(もくしょうじゅく)が20周年!

2019年06月22日 | 奈良にこだわる
関西の大学生たちによる「川上村木匠塾」が20周年を迎え、昨日(6/21)の毎日新聞奈良版で《川上発 生きた建築 学生「木匠塾」20年 村全体巻き込み学会表彰》の見出しで大きく報じられた。記事の一部を抜粋すると、
※トップ写真は毎日新聞奈良版から拝借

吉野林業の中心地である川上村で、関西の5大学の学生らでつくる「川上村木匠(もくしょう)塾」が間伐材を使った創作活動に取り組んでいる。塾は昨年20周年を迎え、参加した学生は計800人(延べ1400人)を超えた。村も二人三脚で携わり、今年、日本建築学会から表彰も受けた。【萱原健一】

塾は1998年に開塾し、現在は大阪工業、大阪芸術、近畿、滋賀県立、奈良女子の5大学から毎年計約70人の学生が参加している。4~5月に伐採や搬出などの林業を体験し、そこで出た間伐材を使って、夏にベンチやモニュメントなどを製作。活動の中で地元の林業従事者の指導を受け、学生のアイデアを村の関係者らに聞いてもらい設計に反映させている。21年間で作った作品は90近くに上る。

昨年、活動が20年を迎えたのを機に、村と塾が連名で日本建築学会の教育賞(教育貢献)に応募。その結果、「ものづくりを通して、学生、村民、行政、林業関係者を巻き込み、村の人、自然、環境に新しい価値を生み出し続けてきた」と評価され、受賞が決まった。

村の産業振興課長として開塾に携わった栗山忠昭村長は「塾はまさに、村と関わる『関係人口』の実践。地域の活性化につながる。これからも関係をしっかり築いていきたい」と話した。



この画像は学会への応募資料から拝借

教育賞に応募したのは「間伐材の活用と創造-ものづくりを通じ、人、地域、自然を活かすプロフェッショナルを育むPBL-」。なおPBLとは「問題解決型学習」(Project Based Learning)という意味である。受賞理由はこちら(PDF)、応募の内容はこちら(PDF)に詳しく掲載されている。

かつて間伐材は土木・建築用に広く利用されたが、搬出コストの問題などにより次第に利用されなくなった。伐ったまま山に放置される「伐り捨て間伐」により、大雨が来ると大量に流れ落ち、川をせき止めたり道路や民家を直撃するといった問題が起きている。

このような「お荷物」になっている間伐材をベンチや遊具などの実用的なものや、モニュメントのような芸術作品に仕上げているのである。間伐材と言っても、もとは吉野杉や檜などの銘木なので、利用価値は高い。高齢化の進む村に若い学生たちが来て村民と交流することも、村の活力になる。

「木匠塾」ご関係者の皆さん、これからも活発な活動を期待しています!
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