新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

E・H・カー「歴史とは何か」

2022年08月11日 | 日記

 暑い日が続く。きょうも朝からエアコンをつけ、虎ノ門ニュースをリアルタイムで視聴した。8時から10時まで濃密な時間だった。
 安倍元総理暗殺事件について話がおよぶ。超長期政権を率い、退陣後も政界に隠然たる影響力をもっていた元総理の襲撃事件は、E・H・カーがいう歴史的事件になるのだろうか。個々の出来事が歴史的事件になるかどうかは後代の歴史家が判断することなのか。われわれ一般人には無縁なことなのか、と疑問が浮かぶ。虎ノ門ニュースではコメンテーターたちが口々に、メディアが統一教会と政治家とのつながりに焦点をあてることによって、事件を矮小化していると批判する。一個人が個人的恨みをつのらせて犯行におよんだ。警察、公安の警備の不備をカムフラージュするかのようなメディアの姿勢を疑問視する。
 事実が歪曲される現場を、ロシアのウクライナ侵攻でいやというほど見てきた。原発が攻撃された。ロシアはウクライナ側が攻撃したと発表した。ウクライナはロシア軍が攻撃したと反発した。どちらかが嘘を言っているはずだ。われわれが入手する情報は主として西側メディアからのものであり、ウクライナの主張を肯定的に受けとっている。それで間違いはない、ロシアの主張することは嘘ばかりで信用できないとする見方が日本では主流になっている。歴史家にとって原発攻撃がどのような形で事実として遺されるのか。歴史家それぞれが判断しなければならないのだろう。
 E・H・カーの「歴史とは何か」を清水幾太郎訳で読んでいる。最近、新訳が出版されたようだが、旧訳も捨てたものではない。1975年に買って読んだ岩波新書には愛着がある。読み終えたら、新訳に進もうかと思っている。



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