新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

台所は妻の領域

2022年09月17日 | 日記

 写真は相模湖駅近くで見かけた首振り人形群。みな首を振っている。動力源は風か?

 妻が実家に行っているしばらくの間、一人暮らしをしている。いちばんやっかいなのが3度の食事だ。自分で献立を考えて食材を集め、自分で作って自分で食べる。献立にバリエーションがなくなる。
 かつて気のおけない仲間が集まる飲み会の席で、男子が厨房に入ることが話題になった。どうもみな奥様がたに、夫が厨房に立つことを煙たがられている。女性参加者からの発言に、みな思い当たる節があった。「私が実家へ行っているときなど夫が皿洗いをしているのだけど、皿の裏に油がついていることがあるから、また全部洗い直す」のだそうだ。台所は女の城という意識が奥方たちにはある。
 私にも思い当たる節があった。60歳で定年退職したとき、これからは料理を習得しようと決めた。ところが妻があまり協力的でない。「野菜炒めが作れれば十分よ」という調子だった。私としては天ぷら、とんかつの揚げかたなどを習得したかった。相変わらず台所仕事は妻が一人でしつづけた。数年後、飲み会があの話題で盛り上がったとき、はたと気づいた。妻は台所仕事を分業したくないのだ、と。息子の嫁が来たときなども、台所仕事だけは自分でしている。台所は妻の聖域だ。
 ジェンダーフリーがいわれる時代においても、私の年代の人たちにとって侵されたくない領域が厳として存在する。お互いにそれを尊重しあうのも家内円満の方法だろう。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿