新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

イベルメクチン

2021年09月21日 | 日記

 新型コロナ感染症に治療薬として、また予防薬としてイベルメクチンが効くらしい。イベルメクチンは以前から使われている虫下しだ。腸のなかにいる回虫を追い出すために服用されてきた。副作用がほとんどなく、きわめて安全な薬だが、新型コロナウイルス感染症の予防、治療に使うことは目的外使用になる。国が認可した以外の目的に使用するときには本来、保険適用外になるのだが、今回は特別に保険適用を認めているらしい。価格がとても安い。通信販売では1錠につき170円から500円程度で販売されている。発見者の大村智博士が薬の特許を放棄してくれたおかげでこのように安価になったといわれる。おかげでアフリカの何億人もの命が救われた。
 薬価がこれほど安くてはやっていけないのが製薬会社だ。莫大な経費をかけて新薬を開発している。その経費に見合うだけの薬価をつけていかなければ、新薬の開発が停滞してしまう。薬は安ければよいと単純に割り切れない面がある。
 さて、私の友人は病気療養中のため、新型コロナのワクチン接種ができない、あるいは接種しない決断をした。ただ感染しない確率がゼロではないし、感染してもすぐに入院できる保障がないので、その治療薬としてイベルメクチンを備えておくことにした。こうすればいざというときに主治医に連絡をとり、そのイベルメクチンを服用することができる。台湾の通販業者から買ったようだ。イベルメクチンの原価は1錠あたり10円とのことだった。価格が安いので、自宅に備えておけば、いざというときの備え、安心材料になる。

読書の楽しみ

2021年09月12日 | 日記

 作家の伝記「ジェフリー・アーチャー/小説よりも奇なり(Jeffrey Archer/Stranger than Fiction)」を読み始めた。450ページほどある大部なハードカバー本で、丸善で4200円で購入している。1995年刊になっている。長年わが書棚に眠っていた。
 ジェフリー・アーチャーは政治家、小説家と紹介されるが、野心と欺瞞に満ちた人物だ。「チェルシー・テラスへの道(As the Crow Flies)」という当時のベストセラーを読み、そのプロットの巧みさに感心したおぼえがある。原題が示す意味は、カラスはひたすら目的地に向かってまっすぐに飛ぶ、そのように金持ちになり、町の名士になることをめざし、ひたすらに突き進むある人物の物語だ。無一文から身を起こす。場所はロンドンの貧民街ともいえるイーストエンド。毎日リヤカーに野菜を載せて路地に立つ。少しずつお金を貯め、ウエストエンドで大きなデパートを開店するまでに店を成長させる。その間の推移が、小説では読者を惹きつけてやまないプロットの巧みさで描かれているのだが、詳細を忘れてしまった。功成り名を遂げ、巨万の富を築き上げた主人公が人生の最後にしたことはなんだったか。なんと若いころ自分がしていた、リヤカーに野菜を載せて自分で売り歩くことだった。
 この話のなかで一つだけ印象に残っていることがある。大きなデパートを開店させたあと、一つやり残したことがある、といってみずから軍隊への入隊を志願することだ。学校で教わったわけでもないだろうが、お国のために尽くすことをだいじな義務だと考えていたらしい。日本人にとって軍隊に行くとは死を覚悟することを意味するが、イギリス人にとってはそのイメージがまるで異なるようだ。王室の一員でも軍に入るのを見てもそれが察せられる。
 閑話休題。英語で本を読むことは、日本語で読むよりはるかに多くの時間がかかる。だが、じっくり読めることにより、さまざまなことを合わせ考えることができる。辞書を引くことはいうまでもなく、地図を見る機会にもなる。この場合なら舞台がロンドンとその近郊だから、そのへんの地図をグーグルで開きながら、出てくる地名を探す。外国人の人物名はおぼえにくい。そのため人物関係を把握し、忘れないためにノートにメモしながらの読書になる。前に出てきた人物がどのような人物だったか、自筆メモを探して記憶を新たにするのも読書の楽しみだ。デパート名を見つけ、実在のものならどのようなデパートかを調べることも一興だ。歴史上の人物名も数多く登場する。どのような人物だったか知りたい。
 これらのことを日本語で読みながらすることはおそらく不可能だろう。つい読み飛ばしてしまう。英語だから、自分にとって外国語だからこそ得られる読書の楽しみだ。さてこれからしばらくは、読書に付随するこれらの楽しみにどっぷり浸かるとしよう。

アルファ、ベータ、ガンマ、・・

2021年09月05日 | 日記

 英語でいうアルファベットは、ギリシャ文字の最初の二文字アルファ・ベータを語源にしている。よく見るとギリシャ文字はかなりの程度、英語のアルファベットに対応する。
 αβγδεζηθικλμ・・。それぞれアルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、イプシロン、ゼータ、イータ、シータ、イオタ、カッパ、ラムダ、ミュー・・と読む。ギリシャ語のアルファベットは全部で24文字ある。
 新型コロナウイルスの変異株にこれらの文字を順にあてている。はじめのうちイギリス株、インド株などと呼んでいたが、国名を冠するとその国に余計なイメージを植えつけてしまうことを恐れてか、あるいは同一国のなかで複数の変異株が発生して国名では区別をつけにくくなってきたせいか、ギリシャ語のアルファベットを順にあてるようになった。いま猛威を振るっているのがデルタ株、次に到来することを恐れているのがラムダ株、最近ときどきニュースで採りあげられるコロンビア由来のミュー株が発生したようだ。
 ベータ株は南アフリカ、ガンマ株はブラジル発生のものを指す。ラムダ株はペルー、ミュー株はコロンビア発生のもの、ここまで分かっている。あとはネットで調べた情報だが、イプシロン(米国)ゼータ(ブラジル)イータ(複数の国)シータ(フィリピン)イオタ(米国)カッパ(インド)とつづく。
 同一国内でも日々、何百もの変異株が生じているはずだから、こうしてわずかに24文字しかないギリシャ文字をあてて命名するのはいつか破綻するのではないかと案じている。

PCR検査のCRは連鎖反応を意味する

2021年09月04日 | 日記

 PCR検査のCRがchain reaction、すなわち連鎖反応を意味することを知ると、検出方法のおおよそを知ることができる。以下、素人が書くきわめておおざっぱなものです。
 検査対象になった人の細胞内に新型コロナウイルスが含まれているか否かを調べるのですが、ウイルスがあまりにも微量なために、それを時間をかけて培養する、増幅させる必要があります。連鎖反応を起こさせます。
 ここに落とし穴があります。増幅回数が多ければ多いほど微弱なウイルスでも検出できる可能性が高くなります。増幅回数をあまりに増やしすぎると、ウイルスのかけらまで発見されてしまい、実質的に感染力をもたないウイルスのかけらを実在のウイルスの含めてしまいます。結果として、まったく無症状で感染力がない人を陽性判定してしまい、2週間もの行動制限を加えてしまいます。
 井上正康氏の著書によれば、増幅回数を5億倍にとどめているのがニュージーランドです。日本はフランス、英国と並んで1兆倍から35兆倍というきわめて高倍率で検査しています。350億倍から700億倍ぐらいが無意味な擬陽性を出さない増幅回数だと井上氏は述べています。この程度の増幅回数で運用しているのがスエーデンと台湾です。

タリバンは「学生たち」を意味する

2021年09月03日 | 日記

 タリバンは「学生たち」を意味する、と週刊文春に池上彰氏が書いていた。1979年にアフガニスタン国内の混乱に乗じてソ連軍が侵攻したとき、多くのアフガニスタン人が隣国パキスタンに難民として流入した。その難民の子どもたちを一堂に集め、パキスタン側がイスラム原理主義を教え込んだ。これらの子どもたちがいわゆる「学生たち」、タリバンだった。そして1989年、ソ連の崩壊とともにソ連軍がアフガニスタンから撤退したあと、アフガニスタン国内では各民族が主導権争いを始めた。パキスタン側が自分たちに都合がよい政権をつくろうと送り込んだのが上記の「学生たち」だった。1980年に20歳だった若者たちがいまでは50歳を迎えている。米軍が撤退したいま、これら働き盛りの50歳たちが、ここぞとばかりに勢いづいていると解釈できる。タリバンの本義を理解し、「学生たち」の本分である「絶えざる学び」を忘れないでほしいものだ。