よれよれ日記

谷晃うろうろ雑記

生きるつもりの

2013年12月09日 | 雑事万端

裏山に老桜がある。

私より年長。

坂の途中、お日様に向かうように伸びていたのが、

この十年ほどの間に傾き、

顎をついたように幹が地面に接してから

もう四、五年経つ。

 

春にはたっぷり花を咲かせるが、

今は葉が落ち、裸枝だけになっている。

 

通りがかりによく見ると、

枝に花芽が付いていて、

日当たりが良すぎるのか、

一輪だけ「狂い咲き」している。

 

それかとおもえば、

痩せた枝があり、

手の指でつまんだだけで、

ぽそり、と落ちてしまう。

 

その小枝の生えていた、

もとの枝にも花芽がなくて、

指三本くらいで押さえると、

ぽき、と折れてしまう。

 

もう死んでいる。

 

井の頭公園の花守。

生きるつもりの枝は、

元の幹が死にそうなら、

手当をすると自分で根を出して、

それが「地球に届けば」、

新しい根と幹と枝になり、

命をつなぐ、と言っていた。

 

生きるつもりが、あるのか、ないのか。

 

見上げてや 生きるつもりの 桜花

 

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